October 5, 2011

ウラディーミル&ヴォフカ・アシュケナージ ピアノ・デュオ
@ サントリーホール 大ホール

 ピット最前、目の前にアシュケナージ(父)という特等席で拝聴。子が主旋律、父はサポートの役割を主に果たしていたけれど、まだまだ父が圧倒的に偉大! ピアノが彼を信頼した上で素直に服従しているかのように、個々の音も、それが集まってできる全体も、全てが理想的に紡がれていた。あるべきものがあるべき場所にある安心感。
 お互いを尊重しているのが伝わってくる演奏。遠慮しているのではなく、我を主張し過ぎるものでもなく、ちょうど良いバランス。子の音がやや若くて後者よりなのを、父がうまく包んでいたと思う。呼吸がぴったり合った時の父はきゅっと口角を上げて笑い、とても楽しそうだった。
 演奏後、大きな拍手の中で子が父に握手を求めると、父は子の肩を抱いて応えていた。あたたかい一夜をありがとう。

■プログラム
プーランク: 2台のピアノのためのソナタ
ラフマニノフ: 組曲第1番「幻想的絵画」 op.5
ムソルグスキー(ヴォフカ・アシュケナージ編曲): 禿山の一夜
ラヴェル: マ・メール・ロワ
ラヴェル: ラ・ヴァルス

■アンコール
シューマン/ドビュッシー:カノン形式による6つの練習曲より 第4曲

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Maira Gall