ガーデンのリニューアルオープンを記念した一連のイベントのひとつ。
初ガーデン、煉瓦を模した壁が洒落た印象。音は期待したほど良くはなく、気になって苛立つようなこともなく。ともあれガーデンという単語が楽園のような響きで昔から好きなこともあり("The Secret Garden"の影響に違いない)、好きな方のハコ。
■小谷美紗子
数年前Salyuとの2マン、トリオ構成で観て以来2度目。ソロピアノでは初。
初期Coccoを意識したのか女の情念系の曲が多い。何か(ひょっとすると真実に似た)大きな塊を口に押し込められ、飲み下すことを強制されるような時間。嫌悪感ではなく、苦しくはあるが、その苦しみを与えてくれる人をずっと待っていたような気持ち。比喩が過ぎる?
この人が歌っている、そのことにこそ何より励まされる。そんな歌い手さん。「消えろ」爽快で良かった。
●セットリスト
1. 街灯の下で 2. アイシテイルノニ 3. 雨音呟く 4. こんな風にして終わるもの 5. 生けどりの花 6. 消えろ 7. 3月のこと
■suzumoku
初見。ドラムとベースを引き連れての演奏。
森ガールみたいな名に反して熱い男だった。pe'zmokuの群像劇ぽさがなく、世の中への反感をバネに壁をぶっ壊していくような、ギターを武器に闘ってるような印象。
■Cocco+長田進
ものすごく良かった。セットリスト素晴らしい。ベスト盤ツアーを補完したB面集的な曲群、まさにこれらが聴きたかった。ツアーとこの公演を合わせてようやく歌うたいCoccoの現在の全体像が見える。情念系の筆頭に挙げられる人だろうけど、昔から穏やかな幸福や世の平和を探す歌を幾つも歌っている人、優しい人、他者の痛みを自分のものとして感受する人、だ。
カバーを2曲やったのは驚き。「なごり雪」はCoccoの真っ直ぐな声の良さがぐんと際立っていたし、「渚のバルコニー」は何より可愛らしく楽しそうで良かった。
ツアーでも演奏された「Rainbow」、今のCoccoにとってまた特別な意味を持つのだろう。「風邪引くなよー」って心配そうな声音で言ってくれたが、あなたの健康こそ心配だ。出会って10年くらいになるけど、まだまだCoccoを聴いていたい。
●セットリスト
1. Heaven's Hell
2. 強く儚い者たち
3. ジュゴンの見える丘
4. なごり雪(アリスカバー)
5. 渚のバルコニー(松田聖子カバー)
6. 絹ずれ~OKINAWA~
7. 鳥の歌
8. Rainbow
●MC
「あっという間に、冬です。今年は春がいつ来たか判らん内に終わってしまって、クリーニングに出しそびれた服を、また……着ることになるな。笑」
「訪れる冬がみんなにとって、私達にとって、改善と進歩のある冬だといいなあと思う。風邪引くなよー。こーの腹巻きには、カイロ入ってます」
October 22, 2011
GARDEN Re-Boot!! Anniversary event Premium Acoustic & Electric Night
@ 下北沢GARDEN
September 26, 2011
Cocco ザ・ベスト盤ライブ5本〆 @ Zepp Tokyo
個人の感想です。と前置きして書きます。
前半、活動休止前の曲の不完全燃焼さが物足りず。気迫が充分ではなかった。昔のCoccoを今のCoccoがなぞる、頑張って歌っていますという感じ。
とか言っても思春期にどっぷり浸っていた名曲達のオンパレードは感慨深い。ひとつひとつが目の前で歌われる度、その曲とリンクしている思い出やら感情やらが、Coccoを媒介して昇華していくような感覚。一曲終わる毎に暗転して、流れが途切れたのも影響したように思う。昔「ライブはお葬式」と言っていたのを思い出す。ユタの血を信じずにはいられない。ほとんど宗教的な体験。
風化風葬が飛ばされたのは残念、なぜだ……。いつか聴きたい。
中盤、「Rainbow」→「焼け野が原」の流れは切な過ぎる。いつかまたネギと同じステージで歌ってくれるだろうか。
SINGER SONGERから2曲。未発表の「花柄」はまだしも、個人的には「初花凛々」はあのメンバーだからこそ成り立つと思っていて、ソロで聴くと違和感がある(堀江さんはいるが)。違う意味で切ない。
遥かに良かったのが後半「音速パンチ」から。エメラルドツアーの気迫と集中力が戻り、「絹ずれ」→「ニライカナイ」→「玻璃の花」は圧巻! 前半は曲に乗ったり口ずさんだりして観ていたけれど、後半は立ち尽くすしかなかった。ただただ圧倒的。いつもCoccoの今リアルな曲を歌ってほしいと思う。
最後の新曲は、明日と向かい合って書かれたような真っ直ぐな曲。写真の金銀テープが大量に放たれ、会場がきらきらきれい。こんな風に明日が来たらいいなあ、という風景を歌でも演出でも見せてくれた。
全体的に演出、照明がすごく良かった。曲への愛情をこれほど感じた照明は初めて。
ライブの感想を書いたけれど、何よりCoccoの健康を願っている。あの気迫に惹かれているとはいえ、命を削っているようで心配にもなる。健やかな明日が来ますように。
■セットリスト
01. カウントダウン
02. 強く儚い者たち
03. Raining
04. 雲路の果て
05. 樹海の糸
06. ポロメリア
07. けもの道
08. 星に願いを
09. 羽根
10. Rainbow
11. 焼け野が原
12. blue bird
13. ガーネット
14. 初花凛々
15. 花柄
16. 音速パンチ
17. 流星群
18. 甘い香り
19. 絹ずれ
20. ニライカナイ
21. 玻璃の花
22. 新曲「Say hello」日本語と英語入り混じり
■MC備忘
(玻璃の花の後)
「MCするの忘れてた(笑)。今リエ(堀江)と相談して、どうしようかって……」
「小さい頃からよ、何でこんなんなのか解らんけど、明日が来るってことをあまり信じていない子供で。保育園とかで『みなさんさようなら、またあした』とかやるさ。でも、本当に明日会えるんかな?とか思ってた。その、性分っていうものは大人になっても変わらなくて、こんなことをツアー初日で言うのも、あれなんだけど。明日が来るかなんて誰にも解らない。……でも、実は明日やりたいこともいっぱいある」
客「何ー?」
「洗濯とかよ(笑)。今日はできんかった」(客爆笑)
「そんなんだから、今日できることは今日のうちにって思って……ありがとございます」