June 8, 2011

People In The Box 「空から降ってくるvol.3 ~劇場編~」
@ PARCO劇場 2日目

 2日間行って本当に良かった。終わったばかりなのにもうピープルが切れてつらい、次のワンマンはいつだろう?

 まずは昨日と曲目を一部変えてきたピープルのエンターテイナー精神に惜しみない拍手と角砂糖を! アレンジ考えるの手間かかるだろうし昨日と同じだろうな……と思っていた自分、笑止。そんな生温い人達ではなかったことに安心。信頼。

 一部(アコースティック)は、昨日同様ゆるい空間。演奏された曲は馴染みの友達のように、初めての曲は新しい友達のように、終始親しみを感じた。波多野氏も途中「あー、ずっとこうやってだらだらやってたい」と呟いた通り。MCは波多野氏曰く「昨日健ちゃんに『あれ喋りすぎやろ』って言われた」そうで昨日より控えめだったけれど、メンバーにも更に親しみが湧いた。
 昨日やらなかった「月曜日消失」「昏睡クラブ」が印象深い。目覚める少し前のまどろみの感覚。元々歌詞が前者は夢の中のよう、後者はそれを眺めている夢のようで、アコースティックの和やかな音が一層現実と夢の境を淡くする。
 二部(エレクトリック)では新曲を二日続けて聴いて結構メロディーを覚えた。変拍子や凝ったコード進行でありながら全体ではポップな響きを保つピープルが、新曲2を書いたことに改めて驚かされる。「冷血と作法」を初めて聴いた時に近い感覚。それよりもっと顕にされた「怒り」を感じた。照明も赤や緑を使って攻撃的。
 「新曲の発売は、15月1358日」(波多野氏)、「まあ、まだ何も決まってないんですけどね」(ダイゴマン)。乞うご期待。

 席がダイゴマンの前だったので、ドラム解らないなりに彼の手元、足元を見ていた。あんな繊細な音がピープルを支えてることに驚きつつも納得。アコースティックとエレクトリックでの音の表情の変化も一番印象的。ドラム中心にピープルを聴き直したい。
 「完璧な庭」の入りでダイゴマンが手拍子を促したのは別の意味で驚いた。ピープルで手拍子。変拍子に負けてすぐに立ち消えてしまったけれど、何だか楽しかった。何より「完璧な庭」のドラム大好きなので、間近で見られて本当に楽しかった!

 新しい表情をいくつも見た2日間、ピープルにずぶずぶずぶ蝕まれている。


■セットリスト(曖昧)
◆一部:アコースティック
01. 夜の人々
02. 土曜日/待合室
03. 月曜日消失
04. ベルリン
05. 1000 Knives(YMOカバー)
06. All Apologies(Nirvanaカバー)
07. 失業クイーン ※客席のリクエストを募って、ワンコーラスのみ
08. 一度だけ
09. 昏睡クラブ
◆転換ムービー:ダイゴマンが行く!
◆二部:エレクトリック
10. 天使の胃袋
11. アメリカ
12. レテビーチ
13. 新曲1「私は流し台の手紙 遂には投函されなかった」
14. 新曲2「七色の歴史が濡れる」「まただ 血の味だ」「隣人は何を見ていた」
15. 新曲3「黒い鳥埋め尽くす空 君のスカートの一振りでその青さ取り戻した」
16. 完璧な庭
17. 旧市街
18. ストックホルム
19. 月曜日 / 無菌室


■MC備忘
・YMO
は「カバーやります。1000 Knives。皆さんYMO好きですか?」(会場無反応)
だ「はたのおにいさん、優しく訊いてるんだよー?」(会場笑)
は「僕は好きですよ、YMO。『BGM』とかね。健ちゃんは何が一番好き?」
ふ「『増殖』」
は「ああ、増殖。あれ、以心電信ってどのアルバムに入ってたっけ? BGM? 増殖?」
(思い出せず悔しそう、会場笑) ※答えは『サーヴィス』
は「まあ1000 KnivesはBGMってアルバムに入ってますね」

・Nirvana
だ「Nirvanaはいつ頃から聴いてるの?」
は「結構遅くて、えーと……15?くらい。その時もう死んでた、のかなあ」
だ「カートね」
は「カート。で、結構いいじゃんって思って」
だ「結構いいじゃん、結構いいじゃん(笑)」
は「うん、結構。しかも何か上から目線っていう(笑)。今聴いてもやっぱり、あ、結構いいじゃんって」
だ「僕は借りましたね。輸入盤のCDが苦手で。あと、当時のCD屋って何か怖い雰囲気があって」
は「あー。当時って、レンタルって発売から1年経たないとだめじゃなかった? 輸入盤。今もかな?」
だ「そうだっけ?」
は「あの、僕は手榴弾が最近流行ってる北九州の出身なんですけど」
だ「手榴弾がね!」(会場爆笑)
は「よく行くCD屋があって。普通のレンタル屋なんだけど」
だ「うん」
は「馴染みになると裏からCDを出してくれるんだよね。1年経ってないやつとか」
だ「危ねえ! 裏から(笑)」
は「僕が行くと『いいの、入りましたよ』とか言ってさ」
だ「『波多野さん、』って(CD出す真似)」
は「そうそう」

・リクエストコーナー
は「リクエストありますか? 何でもいいよ。3人の内で一番得意な人がやります」
客「Creep! RadioheadのCreep!」
は「あー、Creep。Creepかー。僕、Radioheadは新しいアルバムになればなるほど好きなんですよね。Creepが好きって気持ちも解るんだけど」
客「ハイスタ!」
は「ハイスタ!?」
だ「ハイスタ!? 無理! それは無理だね……。AIR JAM行く人いるー?(数人、挙手)
  何人かいるね。しかし、(リクエストもらっても)全部俺らがだめだったね」
(波多野さん、Creepをハミングで弾き語り)
は「よく解んない、英語が(笑)。他にありますか? ピープルでもいいよ」
客「失業クイー「スルツェイ!」「いぬね「「ユリイ「6月!」」」」
は「失業……スルツェイ?」(会場爆笑)
→「失業クイーン」を3人で演奏

June 7, 2011

People In The Box 「空から降ってくるvol.3 ~劇場編~」
@ PARCO劇場 1日目

 新奇で、しかし/そして円熟した、とても良いライブだった。まだまだ底知れない。

 円熟していたのは演奏の安定感と、自分がピープル4回目で見慣れてきたのと。
 新奇なのはこんなところ。

 ・ハコ(舞台と客席近くて客びっくり、メンバーもびっくり)
 ・二部形式
 ・転換中にネタムービー「ダイゴマンが行く!」寝起きドッキリもあるよ☆
 ・一部はアコースティックで座って演奏、座って聴く、ゆるい雰囲気で雑談多し
 ・立ち位置(上手から山口、福井、波多野)
 ・カバー(バンドとしては初?)
 ・インスト(カバーだけど初?)
 ・新曲3曲(うち2曲初披露)

 とりわけ目新しいのはアコースティック。「悪くないでしょ?」とは波多野氏談、悪くないどころか、曲としても表現者としてもピープルの柔軟さにしてやられたり。ダイゴマンと福井さんの器用さがこれでもかと活きていたし、波多野さんは丁寧に歌うから澄んだ声が伸びて心地良かった。是非とも音源が欲しい。
 「火曜日 / 空室」が一層好きになった。エレクトリックよりも「空室」っぽさ、空っぽな、置き去りにされた感が強い。他の曲も、ピープルのポップな全体像のあちこちに潜んでる寂しさが際立っていた。是非とも音源を!

 一部はゆるい雰囲気で、波多野氏とダイゴマンのボケVSボケのスパイラルに腹筋が鍛えられる。サンドウィッチ伯爵ボケの秀逸さに感動(後述)。
 ダイゴマンが行く!も会場爆笑。棒立ちで聴く人が多く、盛り上がってるのか解りづらいピープルライブで、適度に空気がほぐれてとても楽しかった。
 二部の目玉は何と言っても新曲。二曲目で会場がぽかんとしている様が愉快。そして自分もぽっかーん。歌詞はひたすら捲し立ててきてさっぱり聞き取れなかったけれど、サウンドは反政治的な印象。あのサウンドに乗せて何を歌っているのか気になるところ。こちらも音源化に期待。

 明日はもっと良い席で観られる幸せ。今日よりもっともっと音を楽しんでこよう。

 2日目はこちら


■セットリスト(曖昧)
◆一部:アコースティック
01. 夜の人々
02. 木曜日 / 寝室
03. ベルリン
04. 土曜日 / 待合室
05. 1000 Knives(YMOカバー)
06. All Apologies(Nirvanaカバー)
07. 一度だけ
08. 火曜日 / 空室
◆転換ムービー:ダイゴマンが行く!
◆二部:エレクトリック
10. 日曜日/浴室
11. レントゲン
12. スルツェイ
13. 新曲1(Family Recordツアーで披露された「私は流し台の手紙」)
14. 新曲2(激しい、ボーカルがずっと何か繰り返してる)
15. 新曲3(穏やかめ、「いつもありがとうって言ってくれるかな」)
13. 天使の胃袋
14. 旧市街
15. ストックホルム
19. 月曜日 / 無菌室

■MC備忘
・PARCO
は「PARCOって、パルコさん(が由来)じゃない?」
だ「サンドウィッチ伯爵的な?」
は「そうそうそう。トランプしながら何か食べられないかなって、手軽に食べられるものないかなって思って」
だ「えっ、誰それ」
は「えっ、サンドウィッチ伯爵」(会場笑)
だ「あーサンドウィッチ伯爵」
は「カードしたいけど食事もしたい、ってことでサンドウィッチが発明されたんだよ」
だ「ふんふん」
は「だからパルコさんも、ショッピングできる店がたくさん入った複合施設が欲しいなと思って。でもそれはデパートじゃないか!既にありますよ!とか言われて。(会場爆笑) いいやそんなはずはないとか言って」

・ダイゴマン機材トラブル
だ「すみませんね、もうちょっとお待たせしちゃうと思うんですよね」
は「あー、もうちょっと」
だ「はい」
は「あの……僕、こういう状況が一番燃えるんですよね」(会場爆笑)
 「何かリクエストとかありますか? あればやります」
だ「言っといた方がいいよー?」
客「ローゼズ! ストーンローゼズ!」
("I Wanna Be Adored"の触りを弾き語り!)
は「ローゼズってこんなんだっけ、知ったかぶったかも(笑)。他には?」
客「スミス!」
は「おっ、スミス。いいねぇ。実は楽屋で、スミスの良さは何かっていう話になって。僕はよく解らないんだよね、すごく好きなんだけど」
("Panic"弾き語り! 会場手拍子)

スミス!って叫んでくれたお兄さん、グッジョブ!!

June 5, 2011

レイ・チェン J・S・バッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲演奏会
@ トッパンホール

 初見。無伴奏全曲演奏会の2日目、シャコンヌ目当てに。
 聴き始めて日が浅いので、ソロのヴァイオリンがあれだけ豊かで多層的な音色を出せることに驚いた。時々3台に聞こえたほど。 
 シャコンヌはやはり圧巻。溢れる気迫が全てヴァイオリンに注がれ、音として昇華されていた。あの圧倒的なテンションを他のプログラムでも観てみたい。
 アンコールは"for tsunami victims"として演奏された「ガヴォットとロンド」。とても優しく丁寧な演奏に、慰められているようで思わず涙が出た。

 パンフレットによると、次の来日も決定! 2012年4月、チャイコのヴァイオリン協奏曲を予定とのこと。

■プログラム
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV. 1001
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第1番 ロ短調 BWV. 1002
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV. 1004

■アンコール
ガヴォットとロンド(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 ハ長調 BWV. 1005より)

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Maira Gall