February 22, 2012

People In The Box 『Citizen Soul』 release tour
@ club Lizard YOKOHAMA

 熊谷に続き、観てきた。やっぱり今のピープル凄い。あるいは今のピープルへの自分の感応ぶりが半端ない。あの音と血が繋がっているんじゃないかって錯覚さえ覚える。「新しい病気」※は難治。
 ※2012/1/25 J-WAVE USTでの福井氏の発言

 ポエトリーリーディング、始まりは《朝が来て、君は目覚めた / そして長い欠伸をする》、結びは《どなた様も、今という瞬間を、どうか取り損ねませんように》でした。多分。あと《レディースエンジェントルメン、『Citizen Soul』release tourへようこそ》ってツアータイトルも組み込んでいた。
 主音はギター。弾き語りで使用しているものと同じ? 不穏な音の連鎖に弾き語り「JFK空港」の語り部分が想起される。波多野さんが全て、あるいは大部分、ひとりでつくっているように思える。詩が先、音が後か。
 《食べろ、食べろ、食べろ、食べろ》
 脅迫的で、呪いのようで、ポップで元気の出る、倒錯的なフレーズに目眩。

 セットリストは熊谷とほぼ同じ。「技法」→「冷血と作法」の間に「犬猫芝居」が加わり(2/22猫の日ゆえか)、「木曜日 / 寝室」が抜けた。
 アンコールはがらりと入れ替え。「日曜日 / 浴室」朝ふっと聴きたいと思ったから嬉しかった。我儘を言えば、順番「ベルリン」→「日曜日 / 浴室」→「バースデイ」だったらもっと痺れたと思う(《わたしのいのちを、君にあげる》→《今日は君のバースデイ》の流れを成した2010年野音は神)。
 演奏良かったけれど、彼らのベストアクトではない。ギター二度入りミス→やり直しを筆頭に、波多野さんに限らず、聴いていて「あれ?」となる箇所がこれまでより、熊谷よりも多かった。ツアー序盤だからか、ワンマンだからか。聴き過ぎて評価が厳しくなっているのか。対バンの緊張感があれば、きっと凄まじいライブになる。

 「見えない警察のための」曲も詞もライブでリアルに迫ってくる感覚も、全て好き。《少し浮かぶ》で本当にふっと体が軽くなるのはいつも不思議。ふわっとしたまま激しい音の渦に飲まれ、言葉で自由と束縛のがんじがらめにされるのは堪らなく気持ち良い。おそろしい曲。
 本編の折り返しに位置する「冷血と作法」がやはり肝。緊迫感すごい。3.11を受けてつくったと言われても納得しそう。抗えない大きな塊と相対したような。最後「飛ーぶっ!」って「ぶ」にかけて音程上がる歌い方好き。
 「月曜日 / 無菌室」個人的に詞の一節がつらくてどうしても苦手なのだが、ドラムスの安心感に気付いてようやく救われた。なぜダイゴマンの音ってあんなに血が通っているんだろう。無菌室に残された僅かな、確かな希望のよう。
 「汽笛」アウトロが良過ぎる。波多野さん早々にスキャット切り上げ、メンバーと向き合って演奏。3人の音に乗って汽車が進んでいく、そのこと自体が貴い。その先にうつくしい未来が広がっているような気がしてくる。圧倒的な肯定に共感してしまいそうになる。もっともっと育ちそうな曲。音源だとベースラインがすごく好きなのだけど、聴いた位置のせいかギターとドラムに埋もれ気味だった。
 この日の本編締めはダイゴマン「ありがとう!」。お礼を言うのはこちらである。生へのリアルな感応に涙が抑えられなかった。ありがとう!!


■セットリスト
01. 沈黙
02. 笛吹き男
03. 市民
04. 親愛なるニュートン街の
05. 見えない警察のための
06. ペーパートリップ
07. 技法
08. 犬猫芝居
09. 冷血と作法
10. ブリキの夜明け
11. ニコラとテスラ
12. 月曜日 / 無菌室
13. はじまりの国
14. スルツェイ
15. ニムロッド
16. 旧市街
17. 汽笛

EN.
01. 日曜日 / 浴室
02. ベルリン
03. バースデイ


■MC備忘
・横浜
は「横浜っていつぶりだっけ? つまり、最後にしゅうまい弁当食べたのはいつだっけ?」(会場笑)
客「Ghost Apple!」「unkie!」 ※GAツアーで対バンしたらしい
は「ゴォストアップルゥ!? うそぉ?」
だ「いや、そうですね。(会場笑) unkieとやったのが最後。ワンマンは初だよね」

・遠く
だ「今日一番遠くから来たって自信ある人ー! 手上げて?」
(誰も上げない)
だ「じゃあ、北海道! 沖縄!」
(誰も上げない)
だ「うん、今日こんな感じね!」(会場笑)
は「もっと遠い、架空の国から来た人とか、いるかもしれない」
だ「じゃあ、ちょっとその国に名前付けて」
は「えー、……しゅうまいランド」(客失笑)
は「今のね、35点だな。100点満点中35点。はは(笑)」

・乱視
(ダイゴマン乱視がきついという話の後)
だ「乱視に似合う曲やります」→「ブリキの夜明け」

・入りミス
(アンコール一曲目、ギター出だしぐだぐだで本日二度目の中断)
は「あーごめんごめんごめん、」
(客笑ってブーイングしたり拍手したり盛り上がる)
は「るっせえ! 何が悪い! やり直して何が悪い!!」

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Maira Gall