February 11, 2012

青葉市子 独奏会 @ 原宿VACANT

 salyu × salyuのイベントで知った青葉さん。ようやく単独公演を観ることが叶った。
 VACANT2階、ログハウスのロフトみたいなロハス空間に席は100ほど。前半分は座布団、後ろ半分は雑多な椅子(パイプ椅子+座布団、ヒヤシンス編みのチェア、ベンチなど)が並ぶ。友達の家に来たようなくつろぎ感。

 椅子のひとつに座って観て、聴いていた。ふしぎな集会に参加しているようだった。
 だぼっとした白のチュニックワンピースを着て、豆電球のようなやわらかい光とその影の中、ガットギターを鳴らして歌う青葉さん。を微動だにせず眺める観客。これは何なんだろう、と頭の半分でぼんやり思いながら聴く。

 声が好き。ライブでは音源よりもぶわっと広がって、包まれる感覚が心地良い。Lily Chou-ChouやNancy Elizabethに似た、エーテルを湛えた、声で、でも彼女達よりあたたかい。Kelly Sweetのように優しいけれど、そこまで甘ったるくはない。Joni Mitchellほど伸びやかな風でもなく、さっき殻を破って産まれてきたような、手探りでひとつひとつ確かな音を見つけて、辿りながら進んでいるような感じ。
 と、好きな他の女性歌手と比べてみたけれど、あの曲は、詩は、どれとも比較にならない個性を持ってる。そこがまた好きなんだろう。
 「原子力発電所が主人公」という「IMPERIAL SMOKE TOWN」、「その続編を作りました」という「2027年、火星に移住してそれからの歌(仮)」がすごい。「日時計」もすごい。どんな構成になっているのか最早解らないが、本を一冊読み終えた時の没入感、浮遊感が残る。
 と思いきや「おもいでカフェ」みたいな和やかな歌を届けてくれたりもする。
 「奇跡はいつでも」「ひかりのふるさと」も聴けて嬉しかった。アンコールで「生まれてきて、嬉しいです」と話してからの「ひかりのふるさと」、とても良かった。冒頭、つまんだ砂をステージから客席へ零すような仕草をしていたのは、ひかりを分けてくれたんだろうか。繰り返される「きらきら」があまりにやさしくて泣いた。

 同じ時代に生まれてきて彼女の歌が聴けることを嬉しく思う。
 10年後、20年後、50年後までも、とても楽しみな人だ。

 1ドリンクでジンジャーエールを頼んだら、ウィルキンソンの瓶が出てきた!
 本当に嬉しかったのでまた行きたい。


■セットリスト
01. かなしいゆめをみたら
02. レースのむこう
03. 私の盗人
04. IMPERIAL SMOKE TOWN
05. 2027年、火星に移住してそれからの歌(仮)
06. 灰色の日
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07. 裸足の庭
08. 日時計
09. おもいでカフェ
10. 奇跡はいつでも
11. 重たい睫毛

EN.
ひかりのふるさと

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Maira Gall