October 15, 2012

J-WAVE「THE KINGS PLACE」LIVE vol.1 @ LIQUIDROOM

 ラジオ番組「THE KINGS PLACE」をナビゲートするバンドが集結してのライブ。
 LIQUID良いハコ。音良いし照明映えるし後方段差があるのは優しい。レモネードあって嬉しいし、立地も良い。開演前の寿司詰め待機さえ乗り切れば素敵な空間。


▲フライヤ、ハロウィン仕様!


■People In The Box
 昨日に続いてピープル。対バンだと格好良さ3割増。演奏キレあり、LIQUID自体の良さも相俟って素晴らしかった! 「市民」半端ない! 「天使の胃袋」ボーカル入る前のピィー!!!って容赦ないギターの音で飛ぶ。あれ大好き。エレクトリックで聴いたのは久々で嬉しい。
 新曲とんでもない。手の付けられない魔物のよう。真っ赤な照明が映える。ウィスパー(ピープル初?)で《水の音がしてる 耳を澄ませ》からの忍び寄るベース、水面が足元から盛り上がってきてぞくぞく。どうしたらあんな曲が、演奏ができるんだろう。最後《清潔な流し台を血液が走る》ボーカルだけで終わると、場内1000人ほどが水を打ったように静まり返る。堪らない空気。訳が解らないけれど圧倒的な何かを観た後の、言葉も行動も奪われた感。キンプレブログによると「市場」らしい。しじょう? いちば? 何を取り引きしているんだろう? 愛すべき魔物。新譜が益々楽しみ。
 続く「ダンス、ダンス、ダンス」の4拍子に安堵。したのも束の間、詞が迫る。ラジオで音源流れてからライブは初めてなのに、もうすっかり好きになってることに気付く。福井さんのコーラスが映える。終盤《森を突き抜けて》で3人同じリズムで音出すところ(わかりづらい……シンバルだとジャーン、ジャン、ジャーン!てところ)が好きなんだけど、割と抑え目の出し方。最後《荒れ果てた庭でひとり仲良く踊りましょう》ずんと来る。いつか軽やかに踊りながら受け止められるようになるだろうか。
 PA卓付近の段差上にいて、遠目だけど遮るものなくステージを見渡せた。久しぶりに見えた福井さん、縁の下の力持ちタイプだと思っていたら、全然クリエイティブかつパフォーマティブでびっくり。今更。特に新曲2つ、目を奪われる。
 恒例のMC、アウェイ気味の場でこそ本来の持ち味を発揮。照明を乱反射するドラム要塞に守られつつ、斜め75度上向いて声にエコーかけまくるダイゴマン・オン・ステージ。極めつけに「今日も全力でぶっ殺していくんで、マジでよろしく!!(ビシッと指差し!!)」堪らない。指から何か飛んできたマジで。PA卓までマジで。

……じっと座ってものを考えているだけじゃ駄目なんだ。そんなことしてたって何処にもいけないんだ。わかるかい?」
「わかるよ」と僕は言った。「それで僕はいったいどうすればいいんだろう?」
「踊るんだよ」羊男は言った。「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言ってることはわかるかい? 踊るんだ踊り続けるんだ。……
 - 村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』より
 ※下線部、原文では傍点

 3人が演奏していることを変わりなく貴く感じる。かけがえのない、生の溢れる景色。あの場をつくってくれて、そこにいさせてくれて、本当にありがとう。

●セットリスト
1. 親愛なるニュートン街の 2. 市民 3. ニムロッド 4. 市場 5. ダンス、ダンス、ダンス 6. 天使の胃袋 7. 旧市街


 転換中、今回はツアーで来られなかったらしいandropからのメッセージとライブ映像が流れる。誠実な演出。LIQUID下手側の壁がスクリーンになるのを初めて見た。
 つくりものみたいにきれいなイメージを持っていたら、ライブ映像で一面客の腕が上がっていて壮観。思い込みよりずっとインタラクティブな音楽なんだなと思う。

■Nothing's Carved In Stone
 2010年のクリスマスにピープルと、同じLIQUIDで対バンして以来。ボーカルが金髪になって、それと関係あるのかないのか、記憶していたより一層攻めの色が強いステージだった。久しぶりに見る変化は嬉しい。

■クリープハイプ
 初見。割と楽しみにしていて、割と好きだと思った。曲も詞も演奏も。ストレートに向かってくる音を嫌いになれるはずもない。トリとは予想していなかったけれど、盛り上げまくって締めていた。肩車連立→ダイブの波を久々に見る。同じ音楽好きでも本当に色んな人達がいる。

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Maira Gall