October 9, 2012

DIRTY PROJECTORS JAPAN TOUR 2012
@ Shibuya O-EAST

■DUSTIN WONG
 初見。ひとりでギターを抱えて、何重にもサンプリング→ループつくって組み立てていく。他の同じタイプの人達と比べて、出来上がる曲のスケールが大きい。居心地の良い家とか小さな城とかを超えて、世界とか宇宙に触れるような曲。10曲弱くらい全てその組み立ての繰り返しである意味パターン化してしまっていたから、俯瞰で見てしまうと40分は長く感じた。けれどひとつひとつアプローチが違っていて、丁寧に聴いていけばとても面白かった。

■DIRTY PROJECTORS
 初見。アンコール含め一時間強、新譜の曲中心のセットリスト。新譜はものすごく好きなんだけど、ライブは旧譜の曲の方が迫力あって良かった。何よりBEAUTIFUL MOTHER! 声という楽器の掛け合い、ライブだと凄まじい。複雑な数え切れないほどのピースがだだだだっとすごいスピードで組み上がって完成していくような。うつくしい立体構造物。素晴らしかった。
 自由なボーカルが安定したリズム隊とコーラスに乗って生きている。幸福な土壌あっての自由。だけど両者がうまくまとまるのは難しいのかもしれない。Daveが歌わないBEAUTIFUL MOTHERや、AmberのTHE SOCIALITES、全員の熱が入るUSEFUL CHAMBERが良かったから、そんなことを考えた。どこか分離していたような。
 Angelがいない?と思ったら、今はOlgaに替わったらしい。基本クールな演奏で、大人びた微笑みがきれいな人。だけど何かの曲(NO INTENTIONだったかな)でゆったりヘドバンする勢いでキーボードにのめり込みだして驚く。ギャップ素敵。
 USEFUL CHAMBERはさすが。噛み含めるように歌われる"Bitte orca, orca bitte"、意味を成さない語の連なりは呪文のよう。祈りのよう。あの「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の出会い」みたいに、意味(笑!)とか越えたところにしかないものを見せてくれる。その辺り通過した上で紡がれているからDaveの詞は好きだ。Bitte orcaの時、そのフレーズを肯定するように照明が明るくなったのもすごく良かった。
 アンコール一曲目がDANCE FOR YOUで嬉しい。UNTO CAESARも聴きたかったな。最後IMPREGNABLE QUESTIONは、そう来たか、と割と冷静に受け止めた。"You are always in my mind"、You=オーディエンスだよ!みたいに歌う。安易かなあと思いつつ、1時間ライブ聴いた後だと沁みる。
 ライブは不完全燃焼気味だったけど、追っていたいバンド。次の動きが楽しみ。

●セットリスト
01. SWING LO MAGELLAN
02. OFFSPRING ARE BLANK
03. THE SOCIALITES
04. CANNIBAL RESOURCE
05. BEAUTIFUL MOTHER
06. SEE WHAT SHE SEEING
07. NO INTENTION
08. ABOUT TO DIE
09. JUST FROM CHEVRON
10. MAYBE THAT WAS IT
11. GUN HAS NO TRIGGER
12. USEFUL CHAMBER

EN
01. DANCE FOR YOU
02. STILLNESS IS THE MOVE
03. IMPREGNABLE QUESTION

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Maira Gall