September 16, 2012

残響祭 8th ANNIVERSARY
@ Shibuya O-EAST & duo MUSIC EXCHANGE

 昨年に続いて参加。この1年で沢山の残響バンドを知って、ライブを観て、ずっと好きになったなあとしみじみ。
 タイムテーブルは当日現地で発表するスタンス。選り好みせず観てほしいのだろうけれど、事前に発表されると予定組みやすくて助かる。私用こなしてからの参加だったので余計にそう思った。omni観られなくて残念。
 お祭騒ぎはとても楽しかった。最後に河野さんが「来年もやりましょう!」って言ってくれて嬉しい。きっと!


■SPANK PAGE
 初見。どこかで和製シガロスと紹介されていた。ああいう宇宙見える系ではなくて、自分の前に立ちはだかる壁を壊すくらいのシューゲ寄りな音、という印象。もっとぶっ壊してくれ、と思ったけれど、あの繊細さが彼らの味で魅力なのかも。


■ハイスイノナサ
 すごく良かった。この日一番のめり込んだアクト。
 初めてドラムの手元が見えた。それでも何が起きているのか解らないけれど、確かに秩序があるからあんなに美しいんだと思った。数学のよう。あの音はドラムの人が出しているんだ!って驚きも沢山あった。仕組みの氷山の一角が解って嬉しい。ともすれば機械みたいになりかねない精確さが、他の音との関わりの中で温度を持つところに人間を見る。もう少し考えたいところでもある。
 初めて一緒に手拍子できたのも嬉しかった。次のライブでCD買おうかな。「ハッピーエンド」のうわあああ感(としか今のところ言いようがない)も健在。最後「動物の身体」で澱みが全部流されたような気がした。ピアノと電子音の組合せだけでも堪らないのに、ギタードラムベースに人の声、皆混ざり合っても濁らず清冽な音に触れられる幸せといったら。
 あまりに良くて、26日のイベントのチケット予約した。とても楽しみ。


 ハイスイ(duo)早めに切り上げて移動しようと思っていたのに最後まで釘付け。ピープル(EAST)間に合いはしたものの、着いたら大混雑でステージ見えず。


■People In The Box
 MCなしで『Ghost Apple』全曲演奏。再現とか反復ではなく、今の彼らの声だった。ガートルード・スタインの言葉を思い出した - 「繰り返しなんてものはない。あるのは声(insistance)だけ」。
 思い入れのあり過ぎるGAの、初めて出会う面が幾つもあって高揚する。「金曜日 / 集中治療室」の痛みが際立って聴こえたのはびっくり。駆け抜けるようなリズムにホイッスルも登場して、ライブではテンション上がるばかりの曲だったはずが。モナリザのくだりは愉快だと思っていたらかなしかったし、《翌朝 報いの雨に濡れて》以降のくるしさは何なのか。「僕」と「君」の双生児のような近さVS結局は他者であるという絶対の溝の、どうしようもない抗いがいっぱいに詰まったGAのひとつの頂点だと思った。ここで幕を引けば崩壊して終わりだったのに、一週間はまだ続く。
 月曜日から土曜日の重みが伸し掛かった「日曜日 / 浴室」は鳥肌。あの帰結《わたしのいのちを、君にあげる / パンケーキみたいに切り分けて、あげる》のために一週間があって、あの帰結があるからまた一週間が始まる。初めて「再生」の曲だと思った。終わらない抗いの中で生き続けるために鳴らされている音楽だった。
 同時に弔いのようでもあった。記憶をなぞって大勢の前で解放するプロセスに立ち会っている気がしていた。古い日記を取り出して、順に読み上げては炎にくべて、ひと山の灰を積もらせる。彼らが去った後、燃え残った林檎の赤が目に染みた。

●セットリスト
1. 月曜日 / 無菌室 2. 火曜日 / 空室 3. 水曜日 / 密室 4. 木曜日 / 寝室 5. 金曜日 / 集中治療室 6. 土曜日 / 待合室 7. 日曜日 / 浴室


■9mm Parabellum Ballet
 照明の赤がGAの赤だなあとか、前の人達の余韻でぼんやりしていた。そんな中でも二度目の9mmはやはり圧倒的。2階も踊る人いっぱいでフロア揺れていた。「Black Market Blues」「The Revolutionary」「Vampire Girl」「新しい光」とか知っている曲沢山聴けて楽しい。いつの間に曲名と曲が一致するようになったのか。
 ボーカルの人柄通りなのだろう詞の真っ直ぐさを、まだうまく受け止められずにいる。ちょっと違うけれどBJCに近い。嵌まると癖になるんだろうな。なりつつある。


■te'
 te'も二度目。リハから凄かった。パフォーマンスさながらのドラムソロ。そんなに長時間やって大丈夫?と心配になるほど叩いていたけれど、杞憂に過ぎなかったことは本番で思い知らされた。他メンバーが入ってからも凄かった。
 9mmと血が繋がっているんだと思った。躊躇いなく向かってくる音が体に届いた瞬間の皮膚感覚(みたいなもの)が同じ。何もかも吹き飛ばす、気持ちの良い暴風のよう。


 te'のアンコールに出演者が十数人割って入ってのエンディング! 一度ハーメルンの行列みたいにぞろぞろと一列で通り過ぎて肩透かしを食らっていたら、二度目はまあひっちゃかめっちゃかな乱入になった。ダイゴマン、ホイッスル咥えて交通整理みたいな動きしつつ客をアジってたの笑った。ある意味笛吹き男。
 来年はどんなお祭りになるだろう。今から楽しみにしている。


2 comments

  1. お久しぶりです。熊谷でのワンマン以来でしょうか。
    縁あって、またしても同じライブに居合わせられたことを嬉しく思います。

    Peopleの『Ghost Apple』再現ライブ、ただただ圧倒されるばかりでした。
    Peopleのアルバムの中でもとりわけ好きな作品だったので、このアルバムがライブで再現されたことは、自分にとってこの上ない喜びでした。
    『日曜日』のラストのワンセンテンスを聴いた瞬間には、頬を熱いものが伝っていました。


    9mmのライブ、HIMEHAZIMEに続いてまたご覧いただけたことを嬉しく思います。

    >ボーカルの人柄通りなのだろう詞の真っ直ぐさを、まだうまく受け止められずにいる。ちょっと違うけれどBJCに近い。
    ブランキーっぽいというのは、少し分かります。
    歌詞の表現はかなり直接的で、少年のような真っ直ぐさなのですが、それでいて視点がユニークなところが9mmの歌詞の面白い点だと思っています。
    革命の瞬間ではなく、「革命の次の日」を描いた『The Revolutionary』とか、今回演奏されていない曲ですが、人と人との関わり合いを歌った『Discommunication』の「私はあなたの探し物 早くここまで迎えに来て欲しいの」とか。


    来年も開催されるとしたら、是非とも参加したいと思います。
    またご一緒することになりましたら(残響祭より先に、Peopleか時雨あたりでご一緒することになるかもしれませんが)、よろしくお願いします。
    次は残響のどのバンドがアルバム再現ライブを行うのかを楽しみにしつつ(笑)


    追伸。
    ツイッターのフォローありがとうございます。
    残響祭終わった後、Peopleのライブについての他の方の感想を読みたくなって、Peopleといえばあのお方、と思ってアカウント探した次第です。
    フォロー返ししていただけて、大変嬉しいです。ありがとうございます。

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  2. アズさん、
     お久しぶりです。コメントありがとうございます!

     いつの間にかピープルに浸られているみたいで嬉しいです。本当に良いバンドなので。……というのは、もう今更ですね。笑
     日曜日ラストはものすごい重みでしたね。涙する人、何人もいたみたいです。自分は放心してしまって、飲み込むのにすごく時間がかかりました。まだ喉の辺りにいます。
     再現ライブはGAリリース後のインストアライブ以来、二度目だったそうです。また、何年か後になるかもしれないけれど、あの場に立ち会えたらと思います。

     余韻がすごくて9mmは半ばぼんやりと観てしまったんですが、やっぱり圧倒的な人達でした。
     ファンの方に怒られるかなあと思いながらブランキーの名を出したので、ほっとしています。笑 ユニークな視点というのは卓郎さんの印象そのままで、すごく納得です。『The Revolutionary』そうとは知りませんでした、面白いですね! 教えてくださった詞もまさしく。新しい視点をありがとうございます!

     きっとまた同じライブの場にいると思います。かぶりそうでしたらお声掛けくださいね。来年の祭、今から楽しみですね。再現ライブは恒例になるんでしょうか?笑

     こちらこそフォローありがとうございます。ライブの感想はあまり呟いていなくて(まとめてブログに書く方が向いているなと思って)、ご期待と違ったらすみません。
     >Peopleといえばあのお方
     それこそ期待外れにさせてしまいすみません……。ピーマンもびっくりの空っぽなツイートばかりなので、流し読んでいただけるようでしたら、よろしくお願いします!

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Maira Gall