霧雨の下北沢、ソールドアウトしておりぎゅうぎゅう詰めのシェルター。音源をひとつも持っていない3バンドのライブ、全て初見。小さなハコのためもあってか、どのバンドもエネルギッシュで音が迫ってくる感覚が強く、良いテンション。だからか共通して若い印象。どう若いのかはそれぞれ少しずつ違っていた。
■dry as dust
dryでもdustでもなかった、何だろう……young as yacht。適当でしたすみません。ドライというにはエネルギーに溢れていたし、ダストというならスターダスト。Dという音のこもった暗い感じは全然なく、明るい若さを感じた。最後の曲のアウトロが会場をどこかへ引っ張っていくような力強さを放っていて良かった。
■Qomolangma Tomato
3バンドの中で一番攻撃的でありつつ演奏が安定していて完成度高い。ボーカルが台詞言い続けながら次の曲に移る繋ぎ方の息をつかせない感が良かったり、ベースが面白いフレーズ弾いてたり、とても楽しめた。ボーカルの決壊した堤防みたいに溢れて止まらない怒涛の言葉攻めが若い。
ボーカルは大人しめの会場に「金払ってこんな地下に集まってさー、楽しまないと意味ねえぞ」みたいに何度も呼び掛けていた。楽しかった、けれど個人的には共感して暴れようとは思えなかった。
■the cabs
気になっていた彼らをみたくて、今夜足を運んだ。出会って以来耳から離れない「二月の兵隊」が聴けて嬉しかったし、Wアンコールの「チャールズ・ブロンソンのために」ものすごく格好良かった! 一曲目終わったところで機材トラブル(弦切れた?)がありつつも、テンション高く駆け抜けていた印象。勢いあって若い。
勢いがあり過ぎるのか演奏がまとまっていないように聞こえる。まとまりのなさが一周回って「チャールズ・ブロンソンのために」では逆に功を奏したような。凝っていて面白いドラム、YouTubeで聴くとクリアなスネアがとても好きなのだが、ライブではうまく生きていないような。観た位置のせいか。
きれいに伸びる若い声、秋の始まりのような、繊細で少し影があるのも心地良い。もっと大きな会場でも大丈夫。個人的に好き嫌いがはっきり分かれる絶叫、キャブスのは好きだ。きれいな曲に割り込んでくる暴力性堪らない。
ライブが終わってからずっと「二月の兵隊」の絶叫が頭の中に住み着いている。詞も気になるのでアルバムを買ってみることにした(同じ残響歌もののピープルの詞が日常から少し遊離しているのとはまた違って、キャブスは想像上の別世界を描いている印象)。時間を開けてまた観に行きたい。
●セットリスト(twitterより拝借)
1. skor 2. 二月の兵隊 3. カッコーの巣の上で 4. アンシェルス 5. 僕たちに明日はない 6. 解毒される樹海 7. camn aven 8. 第八病棟 9. キェルツェの螺旋 EN. 1. すべて叫んだ 2. チャールズ・ブロンソンのために
March 23, 2012
the cabs 2nd mini album release tour 「rasen no hotori」
@ 下北沢SHELTER
March 20, 2012
People In The Box 『Citizen Soul』 release tour
@ 名古屋CLUB QUATTRO
熊谷、横浜、仙台に続き、ツアー4公演目。直前でこの日の予定が飛び、仙台の心配な後味から抜け切れておらず。突発的にチケットと交通手段確保。
今夜ものすごく良かった。心配なんてすぐ吹き飛んで思いきり楽しめた。3人の状態がとても良く、音響良く、舞台見やすく、客のテンション高く、MC面白く、諸々の条件きれいに揃い踏み。波多野さん最後のMCで「ありがとうございました。すごく楽しかったです」と言ったり、ダイゴマンもツイートしたり、本人達も楽しそう。いやあ本当に楽しかった!!
ポエトリーリーディング、何度耳を澄ませても聞き取れない箇所があってもどかしい。《魂というのはユビキタスの別名であり バタフライエフェクトを頼りにする心許ないXXXXXXである》何だろう?
《そして君は発見するかもしれない》というのはとても優しい。する/しないどちらの可能性もあり、それは君次第だよ、ということ。続くフレーズ《食べろ、食べろ、食べろ、食べろ》は明らかに発見へ導こうとしているけれど、肝心の「何を」発見するのかは示されない。汽笛《あげるよ 帰りの切符を でも、きみはひとりでいきなさい》と同じく、ひとりで行く、生きる、逝く、ことができるように突き放す。こんな優しさを与えてくれる人は多くない。とても貴重。
セットリスト、本編は仙台と一曲交代、「ユリイカ」→「昏睡クラブ」。この「昏睡クラブ」が半端なく格好良かった! ベースのみのイントロにギターとドラムスが合流していく。3人とも攻撃的でテンション高く、CDとは違った印象。特にガリガリゴリゴリしたベースが効いていた。サビが波多野+福井ダブルで歌われて強力に(これ新しいと思った、ありだ!)。赤い照明が似合う。「昏睡クラブ」はアコースティックだとやわらかいブランケットのようで心地良いし、今回の破壊衝動ぶちまけるのと眠り続ける君を見守るのとが交互に来て振り回されるのもおかしくなりそうで良い。前者は昏睡(させる)クラブ、後者は昏睡(させない)クラブみたいな二面性面白い。
波多野さん「僕の好きな曲をやります」という紹介で「どこでもないところ」。どこでもない=ゼロ地点の曲はこのツアーによく似合う。けれども音源のフェードアウトするアウトロに慣れているので、3人のジャーン!で断ち切られるとあれ?ってなる。?のまま「ニコラとテスラ」に入る感じは好き。
このツアー初めてダイゴマンのドラミングが見えた……! しなやかさは変わらず、力強さが増した印象。理想的。仙台で話していた、去年病気してから煙草止めて6kg増えた、ことが影響しているのか。見た目変わりないが。「沈黙」のシンバルの鳴らし方格好良い、とか言い出したらきりがないな。
大きな会場だと照明に凝れるのか、「月曜日 / 無菌室」と「汽笛」でミラーボールが点いていたり(使い方多様だなあ)、「旧市街」最後のサビ前のギタージャーン!で真っ赤になるのも復活。
アンコールは「マルタ」→「日曜日 / 浴室」→「鍵盤のない、」。仙台では静かだった「マルタ」、今夜はいつも通り水圧で息苦しくなる感じがした。続いて仙台の「天使の胃袋」が「日曜日 / 浴室」に。これも最後に救われる曲で、「マルタ」から水繋がりなのも好き。海の匂いのする「鍵盤のない、」アウトロの最後の最後、終わるのが惜しいみたいに何度も確かめるように音を鳴らして、鳴らしきって終演。
ギター置いた波多野さん、本編最後もそうだったように、大きな拍手に両腕広げて応えてお辞儀していた。ショウを終えた奇術師にも、拍手に感謝する演奏家にも、共鳴したことが嬉しいひとりの人間にも見える。感無量、にはまだ早い。ファイナルの中野が本当に楽しみだ。
■セットリスト
01. 沈黙
02. 笛吹き男
03. 市民
04. 親愛なるニュートン街の
05. 昏睡クラブ
06. ペーパートリップ
07. 技法
08. 犬猫芝居
09. 冷血と作法
10. どこでもないところ
11. ニコラとテスラ
12. 月曜日 / 無菌室
13. はじまりの国
14. スルツェイ
15. ニムロッド
16. 旧市街
17. 汽笛
EN.
01. マルタ
02. 日曜日 / 浴室
03. 鍵盤のない、
■MC備忘
・春分の日
ハ「今日は何の日? そうそう、春分の日だ。(ちょっとチューニング)
春分の日を私達のために割いていただき、ありがとうございます」
・ポーチ紹介 ※やっぱり全部ドヤ顔
ダ「これ! 知ってるかなー? ポーチ!と言います! 使い方は色々あってですね、
僕はドラムスティック入れたりね。このバスドラも入りますね。
波多野くんは味噌カツ、とか入れますか?」
ハ「味噌煮込みうどん」
ダ「味噌煮込みうどん(笑)。あのうまいやつでしょ」
ハ「ポーチに入れると美味しくなる」
ダ「味噌煮込みうどん、このポーチに入れていただくと3倍美味しくなりますんでよろしくお願いしますね!」
・ホワイトハウス
ダ「住んでたんでしょ? 名古屋」
フ「うん。住んでたところの名前がね、ホワイトハウス」
ダ「ホワイトハウス!? オバマ! オバマー!」
フ(右腕上げて応える)(客爆笑)
ダ「やっぱオートロックなの?」
フ「いや、じゃなかった」
ダ「ガード緩いんだ。狙い放題なんだ!」
ハ「その名前決め手でしょ、そこにしたの」
フ「うん。笑」
・告知
(アンコール前、この日の来場者限定でとある告知がなされる)
ダ「twitterとかに書かないでくださいね!」
ハ「皆さんのことスナイパーが狙ってますので。こうやって(ライフル構える振り)。
ちょっとでも書こうもんなら、もう画面パリーンですよ」
フ「そしたらホワイトハウスに来ればいいよ」
(客爆笑、拍手)
ハ「あの今日は本当に、どうもありがとうございます」
→からの「マルタ」、ギャップすごい
March 15, 2012
People In The Box 『Citizen Soul』 release tour
@ 仙台CLUB JUNK BOX
熊谷、横浜から3週間空いて仙台。
ライブは生き物なのだと思った。奏者の状態がダイレクトに音に出る。生き物だから強いところも弱いところもあって、今夜は後者が目立っていた。その分前者も際立って感じられはした。弱さから立ち直ろうとする様が今夜の見所、魅力と映る。何度も聴いているからその感じも楽しめたけれど、初見の人がいたら、あんなもんじゃない、って言いたい。
後方で観ていて、全体的に音圧低く感じられたせいかもしれない。アンコール前ボーカルの音調整していたし、やっぱり音響的なものか。特に前半、体調良くないんだろうかって心配になるほど声とギターの気迫が感じられなかった。ドラムスも時折同調してしまったようによろけたり音抜けたり。そんな中、ベースの安定感にほっとする。演奏がよろめいても早く立ち直れるのは福井さんあってこそだった。
珍しくちょっと辛口。だけど、それに負けないくらい良いところも沢山沢山あった。
ポエトリーリーディング、だいぶ馴染みのフレーズが増えた。
《氷河期はまだだ》という一節から、生物学《氷河期は始まったばかりだ》、沈黙《氷河期だ 踏みしめて歩け》が想起される。『Citizen Soul』よりも前の世界、引いては人間社会が成立する前の状態を描こうとしているのか。と思いきや《スーパーマーケットはひとつのフラクタル構造を描いている》《今 僕達の体はぶるぶると震えている 3万年前の地球のように》というフレーズもあるので、昔に戻ろうってことではなくて、本来性を現在に取り戻そうとしているような。ラストの汽笛《それで全ては元通りさ》にもそんな志向がみられる。
とか考えている。個人の感想です!
セットリスト、本編は横浜から二曲交代。「見えない警察のための」が「ユリイカ」に、「ブリキの夜明け」が「どこでもないところ」に。
あちこちでイントロのギターの遊びが面白い。「どこでもないところ」冒頭に「天使の胃袋」みたいな高周波な音を弱めに長く差し込んでいたり。音を楽しんでる感じが伝わってくるようで、すごくテンション上がる!
「技法」《「わたしもだまされているのかしら」》でベースがうねうねするの堪らない。新譜のベースは全部良くて、好きなフレーズを挙げるときりがない。奏者が変わったことを差し引いても、ピープルで一番変化しているのはベースだと思う。
「汽笛」順調に進化していて嬉しい。聴く度にエネルギーが増えている。ここに来て波多野さんの声が力強く迫ってきた。「透明感のある少年声」と言われる声で、それもすごく好きだけど、この曲には力強さが似合う。
アンコールはまたがらりと変わって「マルタ」→「天使の胃袋」→「鍵盤のない、」。津波を連想させる「マルタ」を仙台で演奏することに驚いた。音圧が本編より更に下がって大人しく、丁寧に、撫でるように聞こえたのは意図的なものだろうか。色々考えている内に「天使の胃袋」が始まって、そういうことか、と鳥肌。《もうすぐトンネルを抜けるよ 光り溢れ》で「マルタ」の回収を試みたと読む。その流れで聞いた「鍵盤のない、」の救済感すごい。歌詞は死の匂いが濃いのに、このまま生きていていいんだな、とか思う。アウトロの切実さにぶっ殺されて終わった。
■セットリスト
01. 沈黙
02. 笛吹き男
03. 市民
04. 親愛なるニュートン街の
05. ユリイカ
06. ペーパートリップ
07. 技法
08. 犬猫芝居
09. 冷血と作法
10. どこでもないところ
11. ニコラとテスラ
12. 月曜日 / 無菌室
13. はじまりの国
14. スルツェイ
15. ニムロッド
16. 旧市街
17. 汽笛
EN.
01. マルタ
02. 天使の胃袋
03. 鍵盤のない、
■グッズ紹介MC ※全部ドヤ顔
ダ「この商品名、皆さん初めて聞くかもしれません。ポーチ、と言います!(会場笑)
僕はドラムスティックを入れて使ってます。波多野くん、MacBook入れたりね」
ハ「牛タンが入ります」
ダ「牛タン!笑」
ハ「伊達政宗も愛用していたという」
ダ「掘り出し物だな!」
March 3, 2012
ent "Entish TOUR" @ 代官山UNIT
超満員のUNIT。開演ぎりぎりに入ったらステージほとんど見えず。生音を楽しみながらモニター観たり、時々舞台に目をやったり。
何より、照明と映像のビジュアルエフェクトが素晴らしかった。個人的にはこれまで観たライブで一番。照明がすごい凝りようで、一曲一曲、フレーズ、音毎に丁寧に考えられていた。映像はストライプ模様が下から上へ動き続けたり、空と雲をイメージしたような抽象的な形が流れていったり、シンプルかつセンス良い。
ソロプロジェクトent、どういう構成でライブするのかと思ったら、こんな。
ギター&ボーカル:ent、ギター:大山純、ドラムス&マニピュレーター:菅井正剛(、映像:小嶋貴之)
音とても良かった。打ち込みや既成の音が多く使われつつ、そこに乗る生きたギターと声は時に温かく時にエモーショナル。違和感ないバランスはさすがレコーディングエンジニア菅井さんの技か。そこにあの照明と映像! ビジュアルはサウンドを引き立て、サウンドはビジュアルを引き立てていた。完璧。完璧である。後はステージが見えれば、言うことは、ない……。
『Entish』を基調に、『Welcome Stranger』からも沢山聴けて嬉しい。基本はentの穏やかかつ冷静なあの音源の空気そのままなんだけど、それらが立体的に広がる快感といったらない。脳に直接作用してくる音達。
Do Not Adjust Your Set飛び抜けてエモくなっていた。ライブ映えすごい。
「言葉で何かを伝えることはとても難しい。人によって言葉の指す意味が違うし。なんてことを思っちゃいます。笑 けど、それでもありがとうとか、好きだよとか、言葉で伝えるってことは必要なんじゃないかなあと思って。それを日本語で詞にした曲をやります」という、ソシュールもウィトゲンシュタインもとりあえずどうでもいい、みたいなMCの後にLens。きっとやってくれると思っていたし、聴きたかった曲。音源よりもっとやさしく、ずっと力強く鳴っていた。ありがとうありがとう好きです。
アンコールにサプライズゲスト、野田洋次郎。音源Lensのドラムスは彼だという(クレジットには Drums"Lens" by DARMAN とある)。ツアーには間に合わなかったので、とent、OJ、DARMANのセッションが5分ほど。ちょっと不器用な、けれども同じ場所を目指していくような、温かい音だった。
DARMAN退場、菅井さんが戻って最後の曲、Sleeping Ghost! 最後に来るとは。《We'll fly again / Stars all remain》(と聞こえる)の繰り返し気持ち良い。ふわあっと軽くゴーストになっていく。半分夢のように終演。そして熱が上がり直帰して爆睡。
また何度でも観たい、ずっと包まれていたい空間だった。次はゆったり聴きたいけど、あの映像と照明がありつつ余裕あるハコってどこだ。ううん。や、でも、同じハコでもステージ見えなくてもきっと行くだろう。それくらい心地良い夜でした。
■セットリスト
(入場SE: No Tone)
01. 9646
02. Farewell Dear Stranger
03. pure river
04. Zoe
05. Water Screen
06. Do Not Adjust Your Set
07. Frozen Flowers
08. Airwalker
09. Dragon Fruit
10. Silver Moment
11. Lens
12. At The End Of The Blue Sky
EN.
01. セッション w/野田洋次郎
02. Sleeping Ghost
February 22, 2012
People In The Box 『Citizen Soul』 release tour
@ club Lizard YOKOHAMA
熊谷に続き、観てきた。やっぱり今のピープル凄い。あるいは今のピープルへの自分の感応ぶりが半端ない。あの音と血が繋がっているんじゃないかって錯覚さえ覚える。「新しい病気」※は難治。
※2012/1/25 J-WAVE USTでの福井氏の発言
ポエトリーリーディング、始まりは《朝が来て、君は目覚めた / そして長い欠伸をする》、結びは《どなた様も、今という瞬間を、どうか取り損ねませんように》でした。多分。あと《レディースエンジェントルメン、『Citizen Soul』release tourへようこそ》ってツアータイトルも組み込んでいた。
主音はギター。弾き語りで使用しているものと同じ? 不穏な音の連鎖に弾き語り「JFK空港」の語り部分が想起される。波多野さんが全て、あるいは大部分、ひとりでつくっているように思える。詩が先、音が後か。
《食べろ、食べろ、食べろ、食べろ》
脅迫的で、呪いのようで、ポップで元気の出る、倒錯的なフレーズに目眩。
セットリストは熊谷とほぼ同じ。「技法」→「冷血と作法」の間に「犬猫芝居」が加わり(2/22猫の日ゆえか)、「木曜日 / 寝室」が抜けた。
アンコールはがらりと入れ替え。「日曜日 / 浴室」朝ふっと聴きたいと思ったから嬉しかった。我儘を言えば、順番「ベルリン」→「日曜日 / 浴室」→「バースデイ」だったらもっと痺れたと思う(《わたしのいのちを、君にあげる》→《今日は君のバースデイ》の流れを成した2010年野音は神)。
演奏良かったけれど、彼らのベストアクトではない。ギター二度入りミス→やり直しを筆頭に、波多野さんに限らず、聴いていて「あれ?」となる箇所がこれまでより、熊谷よりも多かった。ツアー序盤だからか、ワンマンだからか。聴き過ぎて評価が厳しくなっているのか。対バンの緊張感があれば、きっと凄まじいライブになる。
「見えない警察のための」曲も詞もライブでリアルに迫ってくる感覚も、全て好き。《少し浮かぶ》で本当にふっと体が軽くなるのはいつも不思議。ふわっとしたまま激しい音の渦に飲まれ、言葉で自由と束縛のがんじがらめにされるのは堪らなく気持ち良い。おそろしい曲。
本編の折り返しに位置する「冷血と作法」がやはり肝。緊迫感すごい。3.11を受けてつくったと言われても納得しそう。抗えない大きな塊と相対したような。最後「飛ーぶっ!」って「ぶ」にかけて音程上がる歌い方好き。
「月曜日 / 無菌室」個人的に詞の一節がつらくてどうしても苦手なのだが、ドラムスの安心感に気付いてようやく救われた。なぜダイゴマンの音ってあんなに血が通っているんだろう。無菌室に残された僅かな、確かな希望のよう。
「汽笛」アウトロが良過ぎる。波多野さん早々にスキャット切り上げ、メンバーと向き合って演奏。3人の音に乗って汽車が進んでいく、そのこと自体が貴い。その先にうつくしい未来が広がっているような気がしてくる。圧倒的な肯定に共感してしまいそうになる。もっともっと育ちそうな曲。音源だとベースラインがすごく好きなのだけど、聴いた位置のせいかギターとドラムに埋もれ気味だった。
この日の本編締めはダイゴマン「ありがとう!」。お礼を言うのはこちらである。生へのリアルな感応に涙が抑えられなかった。ありがとう!!
■セットリスト
01. 沈黙
02. 笛吹き男
03. 市民
04. 親愛なるニュートン街の
05. 見えない警察のための
06. ペーパートリップ
07. 技法
08. 犬猫芝居
09. 冷血と作法
10. ブリキの夜明け
11. ニコラとテスラ
12. 月曜日 / 無菌室
13. はじまりの国
14. スルツェイ
15. ニムロッド
16. 旧市街
17. 汽笛
EN.
01. 日曜日 / 浴室
02. ベルリン
03. バースデイ
■MC備忘
・横浜
は「横浜っていつぶりだっけ? つまり、最後にしゅうまい弁当食べたのはいつだっけ?」(会場笑)
客「Ghost Apple!」「unkie!」 ※GAツアーで対バンしたらしい
は「ゴォストアップルゥ!? うそぉ?」
だ「いや、そうですね。(会場笑) unkieとやったのが最後。ワンマンは初だよね」
・遠く
だ「今日一番遠くから来たって自信ある人ー! 手上げて?」
(誰も上げない)
だ「じゃあ、北海道! 沖縄!」
(誰も上げない)
だ「うん、今日こんな感じね!」(会場笑)
は「もっと遠い、架空の国から来た人とか、いるかもしれない」
だ「じゃあ、ちょっとその国に名前付けて」
は「えー、……しゅうまいランド」(客失笑)
は「今のね、35点だな。100点満点中35点。はは(笑)」
・乱視
(ダイゴマン乱視がきついという話の後)
だ「乱視に似合う曲やります」→「ブリキの夜明け」
・入りミス
(アンコール一曲目、ギター出だしぐだぐだで本日二度目の中断)
は「あーごめんごめんごめん、」
(客笑ってブーイングしたり拍手したり盛り上がる)
は「るっせえ! 何が悪い! やり直して何が悪い!!」
February 18, 2012
People In The Box 『Citizen Soul』 release tour
@ 熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-1
まとまらないまま書いていきます。いつもより感覚的な気がします。
貴いライブだった。ピープルの3人が居て、音楽が生まれて、その場に自分が居ることが、貴いと思った。
「今のピープル見逃すな」の意味がよく解った。気迫半端ない。テンション高い。がむしゃらにやってるのではなく、音の底にテンション=緊張がぴんと張り詰めている。(時に緩むのはツアー序盤だから、か)
すばらしく相性の良いアンサンブルに育った。同じタイミングで呼吸するよう努めるタイプではなく、互いの呼吸に呼応していく、その様が音に成っていくような。一瞬一瞬を舞台にしたインスタレーションのような緊張と危うさの上にこのバンドが成り立っていることを、貴いと思った。出来上がっていく音楽はエネルギーに溢れていて、やはり圧倒される。とはいえ特に新譜の曲、まだまだ伸びしろがありそうで楽しみ。
オープニング、ポエトリーリーディング復活! 歓喜! 日比谷野音以来か。
詩に音が付いていた。ギターでもベースでもドラムスでもない音が幾つも使われていた。このために録られたらしい。民族楽器ぽいもの(無知な表現ですみません)、エレクトロニカみたいな音、ピアノ! メロディーのない音の重なり合い。自由で、うまく言葉に引っ掛かって、気持ち良い音だった。3人でつくったとしたら素敵だ。
《朝が来て、君は欠伸をする》で始まる。喉を通って胃に入って血を巡り体の中を書き換えてゆくような詩。その作用は浄化ではなく、ピープルの世界への導入に留まらず、変化を、成長を促す。波多野さんの詩はまだ進化する。こわい。楽しみ。
結びは《ようこそレディースアンドジェントルメン、これからも君は沢山のものを飲み込むだろう。それがたまたま今日はPeople In The Boxであったに過ぎない。どなた様も一瞬たりとも取り零されませんよう》みたいな。明確なライブ主催者としての語り、客への言及は初では。それだけ距離を詰めてきたのは必然だと思う。『Citizen Soul』のためのツアーの。
滔々と流れるあの声はただただ心地良い。バスタブに張られた、体温より少し高い熱をはらんだ湯のよう。ずうっと浸っていられる。
CD/DVD/Blu-ray何だっていいけど、何らかの形で記録されますように。
入場SEは変わらずJim O'Rourke"And I'm Singing"。引き継がれるものもある。
本編が「沈黙」に始まり「汽笛」で終わること、その他新譜の曲が全て演奏されること、は予想通り。その他は面白い繋ぎ方してきた。「親愛なるニュートン街の」→「見えない警察のための」(→「ペーパートリップ」でひとつのフレーズになるのも面白い)、「技法」→「冷血と作法」で韻を踏んだり。「木曜日 / 寝室」からの「ニコラとテスラ」好き。あやしい音の渦にぐるんぐるん飲み込まれていく感覚が癖になりそう。
「ペーパートリップ」「はじまりの国」両方入れてきたのは驚いた。どちらも始点の曲。新たに息を吹き込まれたことが嬉しい。一番の驚きは「冷血と作法」久々。2010年末のイベントで締めに演奏されて以来では。あの単語が入っているから自粛していたのか。とんでもない迫力を携えて戻ってきた。
「スルツェイ」のかなしさが「ニムロッド」に回収される流れは鳥肌……やられた。
「汽笛」やっと聴けた。あの終わりの後どうするのかと思ったら、波多野氏「People In The Boxでした」シンプルに締め。文字だと素っ気ないけどあの17曲の後に言われたら、そうだよお前らがピープルだよ!うわあああピープル!!すげえええ!!!みたいなテンション高い=興奮した人が頭の中で騒ぎ出すよ。※個人の感想です
アンコールは本編の余韻と共に。「ストックホルム」緊張を一気に解いてくれてとても良かった。
MC、ご当地ものでコミュニケーション図ってくれるのが優しい。けれど今回は、演奏!演奏してくれ!と思った。とにかく今の彼らの音が聴きたかった。とか言ってあのユーモア溢れるMCも大好きなので、ただの我儘である。
・「ブリキの夜明け」前
は「体が温まってきたところで……皆さんを、寒さに連れ戻したいと思います」
客「「「?????」」」
は「あの、そんなはてなって顔しないで。(会場笑) ふつうに一曲やるだけだから」
・グッズ紹介
公式ブログに載っていた、ダイゴマンがポーチにドラムスティック収納するのを再現(? 多分、よく見えず)
は「あとね、ポーチの中にポーチを入れるってのも、ありです。」
リアルに(お 前 は 何 を 言 っ て い る ん だ ?)ってなり、ちょっとして意図が解って噴いた。終演後ポーチ売り切れててまた笑った。
ツアー初見だからか、大きな枠組みを追う感想になった。オープニングに感銘受け過ぎていて我ながら引く。気が変わったらリライトしたい。
あと何公演か行くので、彼らのパフォーマンスの変化と自分の受容の変化が楽しみ。
■セットリスト
01. 沈黙
02. 笛吹き男
03. 市民
04. 親愛なるニュートン街の
05. 見えない警察のための
06. ペーパートリップ
07. 技法
08. 冷血と作法
09. ブリキの夜明け
10. 木曜日 / 寝室
11. ニコラとテスラ
12. 月曜日 / 無菌室
13. はじまりの国
14. スルツェイ
15. ニムロッド
16. 旧市街
17. 汽笛
EN.
01. 火曜日 / 空室
02. ストックホルム
03. 完璧な庭
February 17, 2012
THE PAINS OF BEING PURE AT HEART
@ 渋谷CLUB QUATTRO
■WEEKEND
サポートアクトとしての出演。3人編成らしからぬ音の密度。シューゲイザーらしいノイズにまみれていて気持ち良かった。音が途切れることなく連綿と続いて、曲の切り替わるタイミングの解らなさもシューゲぽい。ゆえにどれだか不明だけど、すごく格好良い曲があった。どれだろう……。音源聴いてみようかな。
●セットリスト(PA卓にあったもの)
1. New Fast (Right Behind You) 2. End Times 3. Afterimage 4. Sweet Sixteen 5. Hazel 6. Age Class 7. Coma Summer
■THE PAINS OF BEING PURE AT HEART
良い意味で予想と違った。気迫すごくて格好良かった! ライブはシューゲ要素が引かれてギターポップス寄り。ギタボKipのフロントマン然とした在り方のせいもある。彼がメンバーを、客を、引っ張って場をつくり上げる先導者の役割を大きく担っていた。
バンド名の通りグリーンな感じ、思春期の純粋さや痛さが溢れてくる感じが良い。懐かしい。少しずれたら途端に崩れてしまいそうな危ういバランスで未完成ゆえのうつくしさを保っている様そのものが思春期的。不安定な魅力。悲鳴のようなポップス。何だろうかあのバランス。
Strangeずっと期待してたら最後の最後にやってくれてすごく嬉しかった。アンコール一曲目ContenderをKipがソロで演奏したのはにくい、好きにならざるを得ない。2ndからもうちょっと聴きたかったとは思いつつ、1stの曲も大好きだ。また観たい。
●セットリスト
01. This Love Is Fucking Right
02. Belong
03. Higher Than The Stars
04. The Tenure Itch
05. Heart In Your Heartbreak
06. Say No To Love Falling Over
07. Come Saturday
08. Young Adult Friction
09. A Teenage In Love
10. Heaven’s Gonna Happen Now
11. The Pains Of Being Pure At Heart
EN.
01. Contender
02. My Terrible Friend
03. Everything With You
04. Strange