日常から少し遊離した彼らの音と言葉は、3.11以後のもやもやに一区切り付けてくれた。ライブ後はすごく充実して、同じだけからっぽでもある状態。明日からも生きていくためのちょうど良いバランスに戻してくれてありがとう。
シュールレアリスティックな世界観が彼らの何よりの魅力だと思っていて、それより何より目の前の現実に向き合わなければならなかったこのひと月、ピープルをまた楽しめるかどうか、開始前は不安だった。嬉しいことにそれは杞憂で、彼らのパフォーマンスに「現実」を見出したのが今回一番大きな収穫だった。
誰かがピープルを「選ばれた子供の悪戯」「箱庭的な世界」と表現していて、CD音源を聴いているとそうなんだけど、ライブでの印象は違う。不条理なファンタジー(のふりをした現実)に立ち向かう人間の葛藤を見せ付けられて息苦しいくらい。こんな状況だから余計だろうか。
《気を失うほど楽しいのがいいね》《もうすぐトンネルを抜けるよ 光り溢れ》《虫の息になることもある でもそれも今夜までさ》みたいな解りやすく前向きなフレーズにぐっと来た。これも今の状況だからこそ。
ひとつひとつの音がCDよりずっと胸に迫るのもライブならでは。
波多野MC「(震災を受けて)これまでの良いとか悪いとかの基準が全部なくなった今、トライアンドエラーしてみるしかない。だったらみんな、楽しもうぜ」。ざっくりまとめてしまうとこんな。時間をかけて言葉を選びながら、とても丁寧に伝えてた。やっぱりこの人の話し方好き。
彼らのライブを観たのは三度目で、毎回すごく良いんだけど満足しきることがなくて、もっとできるんじゃないか?とも思う。今回は、スルツェイがアンコールの締めに来たことに違和感があった。大好きだけどスルツェイ、君は終わりの方で登場すべきだけどスルツェイ、でも締めじゃない。(どういうこだわりなのか自分でも解らない)
ひっくり返せば、これからもっともっと良くなると確信しているということ。本当に楽しみなバンドだ。
■セットリスト
01. 東京
02. アメリカ
03. ベルリン
04. レテビーチ
05. 新市街
06. 泥の中の生活
07. 火曜日 / 空室
08. ストックホルム
09. マルタ
10. どこでもないところ
11. リマ
12. 犬猫芝居
13. 月曜日 / 無菌室
14. 天使の胃袋
15. はじまりの国
16. 旧市街
17. JFK空港
EN. 1
01. 新曲
02. She Hates December
03. スルツェイ
EN. 2
ヨーロッパ
April 20, 2011
People In The Box "Family Record release tour"
@ 中野サンプラザ
March 6, 2011
ネマニャ☆プレゼンツ≪悪魔のトリル≫
@ 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
3/2の東京公演を聴いた後、速攻でチケットを手配。二度目のLes trilles du diableは底の見えない渦に呑み込まれていく感覚が心地良く、囚われた、と思った。
良い音楽を聴くと何が起きているのか解らなくなる。
公演名に☆が入ってマジシャンみたくなってるけど、なるほどあれは一種のマジックであったと思う。
■プログラム
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
ヴィエニャフスキ:伝説曲 ト短調 作品17
ヴィターリ:シャコンヌ ト短調
シューベルト:ロンド イ長調 D.438
チャイコフスキー:なつかしい土地の思い出「メロディ」「スケルツォ」「瞑想曲」
タルティーニ:「悪魔のトリル」ソナタ ト短調 作品1-4
■アンコール
ヴィヴァルディ:四季より 「夏」第3楽章
セルヴィア伝統舞曲
サラサーテ:アンダルシアのロマンス
March 2, 2011
ネマニャ・ラドゥロヴィチ presents 《悪魔のトリル》
@ 東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
悪魔のトリル初来日! スタオベも起こり、鳴り止まない熱狂の拍手がホールを満たしていた。本当に素晴らしかった。
LFJ2009で聴いた「四季」以来2年ぶりに音の衝撃が戻ってきた。音を楽しむとはこのこと。体躯の隅々まで表現に満ち、人から音が溢れてくるようだ。聴覚を超え、視覚でもなく、神経をダイレクトに揺さぶってくる。
悪魔のトリル、あれは何事。むしろ魔王のトリル! 唖然としてただただ音を受け止めていた。凄まじいのに一方的でなく、迸る全てを聴き手に収めていくような圧巻の表現。
メンバーの音もよく調和していた。ネマニャを遮らず、霞ませず、端正なだけでもなく、彼ら自身がアンサンブルを楽しんでいる。「楽しむ」ことに尽きる演奏だった。
公演パンフレットによると、悪魔のトリル次の来日が早くも決定。2011/11/23三鷹市芸術文化センター、同11/25王子ホール。今から楽しみで仕方ない。
■プログラム
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
ヴィエニャフスキ:伝説曲ト短調op.17
ヴィターリ:シャコンヌ ト短調
シューベルト:ロンド イ長調D.438
チャイコフスキー:なつかしい土地の思い出op.42「メロディ」「スケルツォ」「瞑想曲」
タルティーニ:ソナタト短調「悪魔のトリル」
■アンコール
ヴィヴァルディ:「四季」より夏
セルヴィア民謡より
映画「シンドラーのリスト」より