August 12, 2012

People In The Box 空から降ってくる vol.4 ~劇場編~
@ セントレアホール

 成田から空路、セントレアへ! 昨年に続いての劇場編。
 会場は、MCでも話題になったように、普段は講演や説明会をしていそうな事務的なホール。そこにピープル。さすがに照明は制限されたようだけど(水中みたいな青色、使えなかったんだろうか)音は良かった。良席だったこともある。

 良席で、更に舞台と距離が近いこと、あとセットリストが多分に影響したと思う。今までで一番効くライブだった。「生」を強く強く感じた。だから、どちらかといえばしにたくなった。その意味で、いつか波多野さんがライブを毒だと自称していたことに初めて頷けた。
 詞に肯定が多いことに今更気付く。生の肯定と言い換えていい。今日の曲から拾ってみると《いいんだよ》《光り溢れ》《世界は美しい》《大丈夫さ》《いいよ》とか。ひとつひとつが効いた。ピープルはいつだって生を鳴らしているんだと思った。その希望を見守っているつもりで、でもずっと支えられてきたんだった。本当に今更だ。
 というのはCSツアーでもぼんやり考えていて、今日ピントが合った。
 好きでいるうちは好きなだけ好きでいようと思う。

 昨年と同じ二部構成。一部アコースティック、転換でダイゴマンムービーを挟み、二部はエレクトリック。ゆるいトークとカバー曲、そして新曲! 構成要素は昨年と似ている。だけど驚くくらい前に進んだ。夏の気配がいっぱいに詰まったCSの曲を多く聴けて嬉しい。まだまだアルバムの世界が広がっていくのは本当に楽しい。

 一部は座ってじっくり聴くスタイル。冒頭「笛吹き男」で呑まれる。《今夜、最高の嘘が本当になる》に、やれるものならやってみせろ!と一応抗ってみるが、いつもピープルの勝率100%なのは解ってる。抗いはたちまち消えて、楽しさに転化。
 ずっと傍らで出番を窺っていたバンジョーに波多野さん何気なく持ち替えて「木曜日 / 寝室」、合い過ぎ。そのままSimon&Garfunkelのカバーで「コンドルは飛んでいく」! 福井さんタンバリン、ダイゴマンボンゴ+カズー?みたいな笛。曲調や楽器や国が変わっても、アンサンブルは完全にピープルなのが嬉しい。更にカバーで、いつもの楽器に戻ってJamiroquai「Virtual Insanity」、めちゃめちゃ格好良い! それぞれの音が渦のようにまとまって、舞台が客を巻き込む磁場みたいになっていた。ピープルでこんな風に感じたのは昨年の「1000 Knives」以来かも。カバーいいね。なんて柔軟な人達。そして「天使の胃袋」から、何と「汽笛」! 嬉し過ぎてあまり覚えていないパターン。アコースティックだと詞が余計に沁みる。

 転換でダイゴマンムービーまさかの韓国編、羽田から仁川へ。「ダイゴマンが行く!」というより「ダイゴマンが行かされる!」なノリが程良くクレイジー。昨年に続いての寝起きドッキリもあるよ☆ ずっと笑ってたらいつの間にか転換終わってた。

 二部はエレクトリックでスタンディング。「市民」始まりでがらっと空気が切り替わる。波多野さん「僕のエゴをやります」からのPrefab Sproutカバー「The King of Rock 'N' Roll」が印象的。何がって福井ベースの格好良さ! 今夜、特にカバー3曲の福井さんの輝きっぷりったらなかった。バランスを取るのがすごく上手なんだろうと思う。「アールバーカーキ♪」で締めた波多野さん、楽しさが溢れたみたいに笑ってた。音楽って本当にすごい。
 新曲2曲! その1は「市民」に近い攻撃的な印象。その2がすごく好きだった。引っ掛かる音が沢山あるのに一聴ですっと入ってくる、ピープルらしい曲。詞の冒頭で《哲学者》が出てきてはっとする。哲学者は嘘を許さないから、みたいなフレーズがずっと頭の中をぐるぐるしている。ガムテープでぐるぐる巻きになったり、銃殺刑になったりする君、最近はいかがお過ごしだろうか。ダンス! ダンス! ダンス!ってキー概念が叫ばれていたのも印象深い。《いっそ踊ろうかな》のレベルじゃなくなっている。安直に春樹を連想した。
 そして久々の「金曜日 / 集中治療室」! この辺りも楽し過ぎて覚えていないくらい。手拍子楽しかった! ダイゴマンのホイッスルでテンション振り切れる。「ニムロッド」「旧市街」は最早定番。「旧市街」アウトロの最後で福井さんのストラップ切れるトラブル、初めて見たびっくり。こんなところで定番を覆すか。本人はどうしよ!って風に笑ってスタッフに合図を送りつつそのまま、ベース替えて最後の曲へ。

 予想外の「沈黙」。始まって「沈黙」だと解り、その重みがずんとのしかかって、衝撃で半分放心しながら聴いていた。生きろ、生きろ、生きろ、と叫んでいる曲だと気付いたら泣きたくなった。不意打ちだった。CSツアーで終わりじゃなかったんだね。
 タイトルがすごく好きです。沈黙。一番好きかもしれない。
 バスドラのリズムがようやく解った。単純なパターンの繰り返しで、ずっと解らなかったのが今となっては謎。油断すると泣きそうなので、気を紛らすようにバスドラを追っていた。けれどどの音も生命を鳴らしているから同じことだった。逃げ場がない。
 そういえばダイゴマンのセットびっくりした。シンバル小さいの含めて10枚くらいあった気がする。要所要所で気を引く父性的な音と、しなやかで繊細な母性寄りの音と、併せ持つアンドロジナスさが、あれほど生命を感じさせるのかもしれない。

世界との絆を断たずに、わたしたちのうちに自由を生み出すことができる方法を理解するのは、わたしたちのつとめである。
(モーリス・メルロ=ポンティ『意味と無意味』所収「セザンヌの疑い」より)

 ピープルは一体どこまでいくんだろう。

 最後の方でいつもの挨拶「今日は来てくれてありがとうございます」に大きな拍手を受けた後、ほとんどオフマイクで「ほんとうに、ありがとう」と呟いた波多野さんの柔らかい声音が忘れられない。こちらこそ、ほんとうに、ほんとうにありがとう。もう少し考えてみることにするよ。


■セットリスト
◆一部:アコースティック
01. 笛吹き男
02. 技法
03. 火曜日 / 空室
04. はじまりの国
05. 木曜日 / 寝室
06. El Condor Pasa(Simon&Garfunkelカバー)
07. Virtual Insanity(Jamiroquaiカバー)
08. 土曜日 / 待合室
09. 天使の胃袋
10. 汽笛
◆転換ムービー:ダイゴマンが行く! ~韓国編~
◆二部:エレクトリック
11. 市民
12. 親愛なるニュートン街の
13. 新市街
14. The King of Rock 'N' Roll(Prefab Sproutカバー)
15. 見えない警察のための
16. 新曲1 球体
17. 新曲2 哲学者、ダンスダンスダンス
18. 金曜日 / 集中治療室
19. ニムロッド
20. 旧市街
21. 沈黙


■MC備忘
・Jamiroquai
ダ「(客に)えっ、Jamiroquai知らない? カップラーメンのCMとか」
ハ「あれは、ファンの間では賛否両論だったよね」
ダ「へー、そうなんだ?」
ハ「僕は複雑でしたねー。……美味しいけどねー」
ダ「カップラーメンね(笑)」

・演奏歴
(「火曜日 / 空室」後)
ダ「ギター上手いね!」
フ「いやいや」
ダ「いつからやってんの?」
フ「……?」
ダ「(客に)2歳だそうですよ! 2歳からギター持ってる」(会場笑)
フ「もっと上手い上手い(笑)」
ダ「ああ、2歳からやってたらね。もっと上手い(笑)。波多野ちゃんは? いつからギター始めたの?」
ハ「僕、弾いたことありません」
ダ「? あ、初心者の気持ちってこと?」
ハ「いや、ギターを持ったことがありません」(会場笑)
ダ「こうやってね、会話が成り立たない(笑)」
ハ「日常風景だね(笑)。大吾は? いつからドラムやってんの?」
ダ「ドラム叩いたことない!」(会場笑)

August 11, 2012

ハイスイノナサ @ SHIBUYA O-nest

 初ワンマンソールドアウトおめでとう! 特に最後の方、すごい盛り上がり! 前よりもずっとエネルギーの大きなライブ。終演後「やばい」「すごい」「やばい」って声があちこちから聴こえてきた。まだまだ行けそう。
 単純に人数が多くて(4人+ヘルプ1人+ゲスト)迫力あるのは勿論、勢いのある演奏だった。行けるところまで行ってやる!みたいな若さ。新譜割とミニマルな響き方をしているのに対して、ライブはロック感が強い。言ってしまえば残響ぽい。ハイスイに限らずライブってそうなるものだなと思う。どちらにも良さがある。
 前聴いた時は都市の醒めた空気に満ちていたけれど、今日は都市に溢れるざわめきの方を強く感じた。ロック寄りになっていくんだろうか。とはいえ観たの二度目でまだまだ掴みきれていないし、残響ぽいのも好きだ。

 ざっくりと流れ:序盤は多分2ndまでの曲(知らなかった)、静かな曲ゾーンを挟み、中盤から「地下鉄の動態」ほか3rdの曲を沢山やって、本編最後が「動物の身体」。この帰結すごくいいね。アンコールで「ある夜の呼吸」、Wアンコール「ハッピーエンド」で締め。途中「モビール」聴けて嬉しい。
 ゲスト豪華! 途中Aureoleのフルートさんやthe cabsのドラマーさん(よく見えなかった、トライアングルで参加?)。texas pandaa出川さんのコーラス、鎌野さんによく合ったやさしさで素敵だ。

 SEがライヒ「Three Tales」! 納得と歓喜。とりわけピアノの奏でる奇妙なうつくしさにシンパシー。ライヒは不安や混沌、ハイスイは醒めた都市の、それぞれざわめきのなかピアノが声を上げているところにすごく惹かれる。
 追いかけたいバンドが増えて嬉しい。また、ぜひ。

August 1, 2012

maskz presents U-NITE @ 代官山UNIT

 脱原発派がUNITでUNITEしようぜ的なイベント。
 ミュージシャンもトークセッションの先生方も何とも豪華。仕事帰りに5時間立ちっ放し、しかも終電、だけどたまにはこういうのも楽しいよね!!ってスキップしながら帰途に着いた。楽しかった。

 音楽の感想を書きます。

■小林武史×Salyu
 同じ舞台にいる2人を見るのが何年ぶりだかで、それだけで来て良かったなんて考えるくらいには思い入れがある。小林さんのピアノも久しぶりで、やっぱりとても好きだと思った。迷ったところで背を押してくれる打鍵の頼もしさとめいっぱいの優しさ、そんな疑わしいはずのものが、心をダイレクトに揺さぶってくる。何だろうな。抑えきれない自己主張は欠点と呼ばれるのかもしれないが、ふと垣間見えるこの人のそれはいとしい。どうしようもない。恋(仮)か。
 芯の通った濃密な選曲で、2人の今がよく伝わった。またね。
●1. VALON-1 2. 悲しみを越えていく色 3. to U

■細野晴臣 with 高田漣 & Salyu
 細野さんも数年ぶり。声の渋みと甘みに呑まれてどろどろに溶ける感覚、に身を任せていられる安心感。掠れる声も手探りみたいなギターも、全てが音楽の旨みになる。すごく余裕がある。ほんとこんな老年になりたい。
 さすがのSalyuにも緊張の色あり、控えめなコーラスワーク。張らない声を思わぬところで聴けてしんみり。Smileを低いキーにした理由「この曲はお話するくらいのキーで歌いたかったの」。うん、とても良かった。
●1. Smile (Nat King Coleカバー) 2. I Love How You Love Me (The Paris Sistersカバー) 3. 悲しみのラッキースター

■青葉市子 guest 小山田圭吾 + U-zhaan & Salyu
 この心躍るラインナップ! 期待を超えてすばらしかった。
 青葉さんソロの「ひかりのふるさと」でスタート。アンコール定番曲、冒頭に来たのは珍しい、と思っていたらここからだった。小山田さんギターで入って「日時計」、U-zhaanタブラで加わり、青葉さん「この場にふさわしいか判らないですが、原子力発電所が主人公の歌です」との紹介で「IMPERIAL SMOKE TOWN」! 特にIMPERIAL、エネルギーが倍加していてすごい。2人の音にやや押され気味な序盤から、逆に後押しされるようにして声が、音が、大きく広がって前に出てくる過程に鳥肌。遂には複数の音のうねりをまとめあげる統率者のように見えて、怒りに似た激しさを感じた。まだまだいけると思う。今後に期待。
 更にSalyuが登場してsalyu×salyuの「Sailing Days」! IMPERIALとは打って変わって、ファンタジックな船に乗って本当に航海しているような爽やかさ。やわらかな風みたいなSalyuのコーラスをまとって主旋律を担う青葉さんの声は、涼やかに白波の上を滑っていく。そんな声を擁する船を造る楽器達のリズムの気持ち良さったらない。すごく良かった! 締めは「続きを」。本当に、続きをもっと見ていたかった。是非このカルテットでまた。
●1. ひかりのふるさと 2. 日時計 3. IMPERIAL SMOKE TOWN 4. Sailing Days (salyu×salyuカバー) 5. 続きを (salyu×salyuカバー)

■100%ユザーンとラダーン195
 ラダーン195=原田郁子さん。外見もユザーンとコラボしたような、ふわふわアフロのウィッグが似合う。初見で、舌っ足らずな歌い方は苦手かなと思ったけれど、タブラとのマリアージュが新鮮で面白く聴いていた。

■toe
 この面子だとちょっと浮いている気はする。誰繋がりだろう。
 実は45分押しで、始まったのが23:45。山嵜さん第一声「もう終電ないっしょ?」。客が結構帰ってしまっていて、UNIT1/3くらいの埋まり方。前方でゆったりtoeを観られるなんて、思わぬ贅沢。
 toeも数年ぶり。彼らの音に巻き込まれていくような感覚。大抵、音に圧倒されたり、音から一歩離れたところから眺めていたりという関わり方を音楽としているのだけど、toeには自分が巻き込まれていく。ふしぎ。柏倉さんを中心に聴くことが多かったけれど、今日はtoeの総体を楽しんだ。
 MCで山嵜さん(散々な下ネタの後)「まあ、原発にはグッドバイってことですよ」からの、期待通り「グッドバイ」! ボーカル郁子さん、幼さがこの曲の葛藤によく合っている。日付も変わって00:35、テンション最高潮に上がって無敵な気持ちになった! 久しぶりの感覚を抱えて、楽しく終電にダッシュ。間に合った良かった。


 トークセッションがUSTアーカイブ化されているのでメモ。原発に限らず持続可能な社会について語られていた。しかし音声が聞こえないのは自分の環境のせいか……。
 中沢新一×小林武史×宮台真司 http://www.ustream.tv/recorded/24394204
 中沢新一×高橋源一郎 http://www.ustream.tv/recorded/24395631

June 30, 2012

理性は秩序を紡ぐが、混沌はこれを誘惑する。涅槃原則の衝動が理性を越境し、集合的無意識を惹起する時、秩序は分断から解放され全一となる。恍惚の源泉は混沌に有り、万物は混沌に帰する。
@ 下北沢GARDEN

 どう見てもte'の企画です。イベント名でそれと解るってすごいな。独自の言語。

■People In The Box
 間に英国フェスや弾き語りがあったとはいえ、エイプリルフールぶりの3人の音。とにかく嬉しかった! そして、やっぱり特別に好きだと思った。余計な思考が入らず音に集中できる。集中できるのは幸せなことだ。
 最近のピープルの色んな面が詰め込まれたバランス良いセトリ。故意か偶然か「ニ」ムロッド→「し」みん→「に」ちようびよくしつ→「し」んあいなる「ニ」ュートン街の、って言葉遊びみたいで面白い。
 久しぶりだからか、湧き出るエネルギーよりも出来上がる形を大事にした演奏に聴こえた。やや固め。「日曜日 / 浴室」が3曲目に来ると思っていなくて(終盤で登場する大物のイメージ)、「市民」からの攻めの感じが新鮮で、とても良かった。いよいよ「親愛なるニュートン街の」を夏に聴けるのが嬉しい。夏の匂いの濃い『Citizen Soul』が1月に出てからずっと待ち望んでいた。他の曲も8月の劇場編で聴けるといい。「レテビーチ」の突き破って溢れてくるような快感もすごく良かった。
 ダイゴマンMCでラジオの告知、劇場編の告知、そして『Lost Tapes』告知! Candle Lightで披露されたアコースティックドーベルマンの音源化歓迎! 更に気になったのがこれ:「『天使の胃袋』アコースティックバージョンが収録されます! あと、悪魔の……あ、これはいいや」。何だ! 悪魔の、何なんだ! 新曲に期待。

●セットリスト
1. ニムロッド 2. 市民 3. 日曜日 / 浴室 4. 親愛なるニュートン街の 5. レテビーチ 6. ユリイカ 7. 旧市街

●MC備忘
は「どもども、ピープルインザボッk?s%&#」
客「?(拍手)」「しっかり!」「しっかりー!」
は「っせえ(笑)」


■クリプトシティ
 事前情報なく初見。オルタナ? ハードロック?というのか、低音が重厚なスリーピースの演奏+デモニッシュなボーカルの4人。開始後数分と経たずピープルのイノセンスが彼らの色に塗り替えられて圧倒された。ベースが凄かった。思いも寄らないフレーズが次から次へと展開されて釘付け。気になって調べたら、ナンバーガールのベーシストなのか。伝説の一端を目の当たりにしていたみたいだ。
 ボーカルは西洋の人? たぶん全英詩。あまり聞き取れず、でも「お前の大事な冷蔵庫の中身を全部食っちまうぞ」とか言ってそうな気迫(違ったらすみません)。客席を巻き込むパフォーマンスが上手い。MCではヘヴィなオルタナ色から一転、「クリプトシティと申しますー」「タノシイナ!」ってかわいい感じ。そんなギャップずるい。
 こういう音はライブで時々聴くとすごく楽しい。頭の中が嵐の去った後の街みたいになる。諸々吹き飛んで、残骸はぽつりぽつりあるんだけど、すっきりした気持ち。晴天のすっきりとは違っている。また聴けるといい。


■te'
 初見。バタイユの語る戦争のような演奏。つまり?と思い、訳書を引っ張り出す。

 戦争は組織化された暴力なのである。禁止の侵犯は動物的な暴力ではない。たしかに暴力ではあるのだが、理性を行使しうる存在(場合によっては暴力のために知恵を使う存在)によって実施された暴力なのである。
 - ジョルジュ・バタイユ『エロティシズム』より

 そんな演奏だった。要はドラムス。少しもよろめいたり迷ったりしない理性で、暴力的なくらいに大きなエネルギーを行使しているのが不思議。ギターやベースは割と思うがままに暴れているんだけど、全体としてはドラムスに組織されていて理性的。このバランスが成立し得るんだなあ、というのを思い知らされていた。イベント名は混沌寄りだけど、どちらかといえば理性が勝っている印象。何だか頭を使って聴いてしまったが、そんなことは放っておいてもすごく楽しかった。
 あの長い曲名、イベント名のペダンティックな雰囲気に気後れしてあまり聴いていなかったのに、感想を書いたらそれこそペダンティック? 付けられた名前と音は実は結構一致しているのかもしれない。
 アンコールでダイゴマン乱入! 「乱入」って言葉がぴったり。やりたい放題ドラム叩きまくって締めの音まで鳴らして去っていった。te'のドラマーはハンドマイクで客席に身を乗り出してアジテーターと化し、こちらもすごく楽しそうだった!

June 28, 2012

青葉市子 独奏会 @ 原宿VACANT

 VACANTで半年続けてきた独奏会はこれで一区切りだそうで、満員御礼。
 会場の使い方が縦長→横長となり、青葉さんとの距離が全体的に近くなる。友達の家に来たような、それでいてふしぎな集会に参加しているような雰囲気は変わらず。
 夏の少女的な出で立ちで登場。チャコールグレイのワンピースに足元はショートブーツ、ギターの栗色がよく映える。腰に水色花柄のスカーフがおしゃれさん。ストローハット(と呼ぶべきおしゃれ感)を脱いで傍らの机にディスプレイ。机には青いラインの入った白のテーブルクロスが掛けられ、ガラスの瓶に向日葵が数本飾られている。

 忙しない東京での毎日で、置き忘れたものをひとつひとつ手繰るように耳を澄ましていた。そんな感覚をくれる稀有な人。東京で歌っていてくれて本当にありがとう。

 始まりは「不和リン」「腸髪のサーカス」、salyu×salyuのイベントで一気に引き込まれた曲達が立て続けに。「日時計」の相変わらずのぐるぐる感や大貫妙子「夏色の服」のカバーもすごく良い。大貫さんと青葉さんが合わないはずもなく。そして季節を大切にした諸々の演出のお陰でとても居心地良い。
 15分くらいの休憩を挟み、二部開始。これがすごかった。
 「おもいでカフェ」はもう大好きな曲。小さなグラスの水面がひたひたになるくらいの幸せ感。
 続く「ソウル」がすごい。「小池アミイゴさんの個展に行ったんです。アミイゴさんのお子さんの、ソウルくんって子がいて。色々喋りかけてくれるんですね。でも、ソウルくんはまだ2歳なんです。だからまだ言葉になっていない、音の粒たち。それを、なになに?って聞いて、メモして、持って帰って、曲を付けました」。詞と音の絡み方が面白い。「パーパ、マーマ」「いやいや」なんて聞こえるところもありつつ、基本は意味を持たない音の繋がりで、だけど音に乗るとめまぐるしく一瞬一瞬生きているこどもの様子が見えてきてすごく楽しい。最後「ダッ!」で終わり、ギターかき鳴らして締めた後「ふふっ」て思わず笑みを零した青葉さん可愛い。何て自由に曲をつくる人なんだろうかと改めて思い、次に生まれる曲がまた楽しみになった。
 1年と3ヵ月過ぎても予断を許さない状況下、「原子力発電所が主人公の歌です」との紹介で演奏される「IMPERIAL SMOKE TOWN」は何も終わっていないと訴えているようで、会場が緊張に満ちる。本当なら、いつかこの曲が歌われなくなる日が来ると良い。けれどそれは途方もなく先だろうから、やっぱりずっと歌っていてほしいと思う。
 その緊張感からの次がもの凄かった。「ちょっと封印していた曲をやります。『機械仕掛乃宇宙』という曲です。わたしが弾き語りを始めるきっかけになった曲で、またやろうって思わせてくれたのは、この独奏会です。この曲をつくられた山田庵巳さんに、尊敬と、感謝を」。太陽のない街というディストピアで生きる「僕」の、ひとつの物語。10分くらいであれだけ物語る曲自体の凄さ。その独特な世界観を持つ曲を取り込んで演奏し切る青葉さんの凄さ。堪らなく濃密な時間で、客の拍手も一際大きく、長く続いた。これは封印もするだろうってくらい大きな曲。凄いひと時に立ち会った。やっぱり青葉さんの歌を聴くと、ひとつの物語を読み終えたような気持ちになる。
 本編終わりは「奇跡はいつでも」、アンコールで「ひかりのふるさと」。きらきらとひかりを残して幕を閉じた。

 MCで「独奏会を続けてきて、打ちのめされたことも、褒められたこともありました。……何だか、卒業式みたいだな。ふふ」と話していた。迷いなく進んでいるように見える彼女にも打ちのめされるようなことがあるんだなと思う。満員のVACANTで皆が聴き入っている、あのあたたかさを信じてみてほしいと願う。見守るよ。
 終演後、11月の独奏会ファイナル@自由学園のチケットがいち早く販売されていて、長蛇の列に思わず笑った。5ヵ月も先なのに脅威のリピート率。またこの日になくしたものは取り返せるから、それまで生きてみてもいいんじゃないか、なんてチケットを手にしておもった。ありがとう。


■セットリスト
01. 不和リン
02. 腸髪のサーカス
03. レースのむこう
04. 日時計
05. 夏色の服(大貫妙子カバー)
06. 路標
---
07. おもいでカフェ
08. ソウル
09. パッチワーク
10. IMPERIAL SMOKE TOWN
11. 機械仕掛乃宇宙(山田庵巳カバー)
12. 奇跡はいつでも
---
EN. ひかりのふるさと

♪「レースのむこう」

June 17, 2012

MAGNE4 @ 下北沢ERA

 初見のバンドツーマン。WOZNIAKの企画。初ERA、煙草の匂いがきつかった。

■ハイスイノナサ
 ピアノ(キーボード)の絡み方、鳴り方が好きなバンド。それはライブでも変わらなかった。むしろ更に好きになった! 今年2月にキーボード担当が脱退したそうでヘルプを入れての演奏だったけれど、初見だからか気にならず。あとは、音源よりもずっと残響ぽい、エモいな、とか。照井弟さんのコーラスワークはすごくきれいだとか。
 それより何より印象深いのは、都市と、海と、雲の動きの音がして、それを鳴らしているのが人だということ。基本は人が、休日のオフィス街みたいながらんとしたフィクションを滑っていくような都市感。そこに穏やかな海をたゆたうような気持ち良さがあったり、見上げた雲の動きに自分の意思が一切関係しない次元をみる冷静さがあったりする。聴覚だけではなくて、感覚全体を揺り動かされるライブ。そんなところはフランス印象派のピアノと似ているかもしれない。けれど都市の醒めた空気をまざまざと感じるライブは初めてで、戸惑いすら覚える。
 まだよく知らなくてセットリストは解らない。「ハッピーエンド」と紹介された曲、途中で手拍子の入る曲(覚えたい!)、新譜から「ある夜の呼吸」「波の始まり」はやったかな。音源集めよう。8月のワンマンがすごく楽しみ!




■WOZNIAK
 アルコールと共にゆらゆらくねくねしたくなるクラブミュージック。こういう、反復と少しの変化を繰り返していく系の脳内麻薬出そうな音は久々で楽しかった。けれど1時間以上切れ目なく、ひたすら立ちっ放しなのはちょっと辛い。ソファで休憩しながら、好きなフレーズが来たら踊ったりしたい。
 最後のMCが印象に残っている。音楽性の変化(以前はロックバンド寄りだったらしい)、これからも変化していくということ。とても純粋だと思った。ゆえに、この先どうなるんだろうかとも思った。

●セットリスト

6/17WOZNIAKセットリスト1.ATTACK2.BEAMS3.SEVEN4.ASURA5.ACID6.元7.ハウシー8.ドラム叩く(ゲスト:照井順政/鎌野愛fromハイスイノナサ)続く。

— WOZNIAK_BAND (@WOZNIAKBAND) June 18, 2012

May 23, 2012

波多野裕文「壱日の孤独」vol.2 @ 北沢タウンホール

 前回の公演名から「壱」と大字に変わり、「vol.2」が付いた。
 新しい試みがふんだんに:ライブペインティング、ギター二本使い分け、1曲アカペラ、バンジョー・オルゴール・カリンバ登場。今回のオリジナル曲は全て1年~1年半以内に書かれたそうだ。
 前回とはだいぶ雰囲気が違った。前回は「和やかで、温かく満たされた空間と時間」、今回は独自色がより濃くて聴き入る・見入るパフォーマンス。ピープルの曲なし、リクエストコーナーなし、カバー1曲、他全てオリジナル、と内容の相違も大きいし、会場も気楽な晴れ豆から全席指定の古い区民ホールへ。
 ソロで今やりたいことをやれるだけやったという印象。「ピープルのギタボの人のソロ」の域を抜けて「波多野裕文」という個性が育っている。次にどこへ行くのか解らなくてぞくぞくする。本当に楽しみな人だ。

 以下、個々のメモ。7曲目の衝撃で色々吹っ飛んでおりすみません。そして長い。


◆一部:弾き語り

1. タイトル不詳(初披露)
◇アカペラ。いきなりチャレンジング。ギターがないためか足が終始ゆらゆら。
 《中国に行ってみたい》というフレーズが悠々と繰り返される。中国に行って知らない人に会ってみたい、というような詞。まどろみの中をたゆたうような心地良い声。

2. タイトル不詳(初披露)
《言葉はとても大切なものだ》《ゴリラはバナナを全然理解できない バナナはゴリラを全然理解できない》《僕は君を全然理解できない 君は僕を全然理解できない》《僕にお金をちょうだい ちょうだい ちょうだい》《言葉はどうでもいい》《言葉はとても大切なものだ》
「雑誌とかでアーティストが、こういうメッセージを伝えたいから書きました、とか言うでしょう。あれは嘘です。(会場笑) あれは、訊かれるからそう言うんであって。僕何でこんな曲書くのか全然解んないです」
◇突如切り込む♪ゴリラはーバナナをー全然理解できなーい、のインパクトよ。突き抜けたバランス感覚最高。
 個人的に仮題「メルロ=ポンティ」とした。《理解できない》その先に興味がある、けれど哲学に偏ると面白くなさそうだし(音楽と哲学の相容れなさについて考え続けてる)、いや彼ならうまく取り込むと思うが《哲学は銃殺刑だ》そうなので静観。

3. タナトス3号(仮)
《ヤコブを片隅に置いて 空白はあるか》
◇もはや定番、また聞けて嬉しい。最初のメロディーで持っていかれる。

4. 鍵穴だらけ(初披露)
《鍵穴の形の目》《鍵穴の形のドア》《鍵穴の形の鍵》
「鍵穴だらけ、という曲です。鍵穴だらけとしか言いようがない」
◇さすがとしか言いようがない。《鍵穴の形の 鍵》で丸呑みされた感覚に目眩。自己と対象が突如反転する恐怖は快楽に変わり得るな、とか。是非みんなのうたに選ばれて皆さんにトラウマを植え付けてもらえないか。

5. コンコルド
◇タナトス3号に続き定番か。良いなあ、と感じつつ鍵穴の形の思考回路。

6. タイトル不詳「雪の街」
《ただの名前に過ぎない》《街は未だにドレスリハーサルの途中》
◇QUIET ROOMでの一曲目。

7. Untitled 4 / The Nothing Song(Sigur Rosカバー)
「いいですか、伝家の宝刀を抜きますよ?」→ケースから取り出して「バンジョーっていう楽器です(ドヤァ)」
「あの、最初にカバーやらないって言ったけど、やります(笑)。シガーロスの、名前のないアルバムの名前のない曲をやります。でも、途中でやめるかも。何でかっていうと……弾けないから、ははは」
「(中盤で)もーだめだー……」→おしまい
(終わった後)「バンジョー見せたかっただけっていうね! 今度は1日25時間練習してきます。ふふっ」
◇波多野さんがシガロス波多野さんがシガロス波多野さんがシガロスが波多野さん
 ↑終演後最初のツイート。脳がショート。楽しむ余裕とかまるでなかった。もう一度聴きたい! 『Hopelandic Hatano』ってミニアルバムとか出せばいい! いいね! ありそうー!!
 少し冷静に考えると、シガロスのカバー自体レアだから衝撃がより大きい(前回のビョークはここまで驚かなかった)。「Untitled#4」は良い選曲。鎮静作用のあるやさしい声、「土曜日 / 待合室」に近い。ヨンシーのほとんど天啓みたいな遠さに対して、手の届くところにいてくれる薬箱のよう。バンジョーも良いね。凡庸にならない。
 気になった人は是非原曲も。シガロスファン増えるといい。そして今夏サマソニと空からvol.4がかぶったことで共に悩もう!!
 『Valtari』日本先行発売日に因んでやってくれたなら粋だな。偶然か。どっちだっていいや、ありがとう。

8. タイトル不詳(初披露)
◇引き続きバンジョーで演奏。銀行強盗がどうのという詞。前の曲で頭がいっぱいでよく覚えていない。残念。《からだもこころも売れるものなら売ってみたい》《籠は上に向けておいて》《経済が降ってくる》がこの曲?


◆休憩(5分) 周りからゴリラゴリラ聞こえてきて笑った。


◆二部前半:ライブペインティング(30分)

 ゲスト加藤隆さん登場! 紹介もそこそこに「やろっか。説明のしようがないもんね」とスタート。舞台にセッティングされた160×350cmくらいの模造紙に下絵なしで、加藤さんが筆で墨を淡いものから濃いものへと少しずつ乗せていく。波多野さんは舞台下手に移動、制作の様子を見て即興演奏。
 ギターとヴォカリーズ、加藤さんの身体感覚に自分の身体を委ねて音を創り出す試みのように感じた。「手が、筆を持って描いている手なのか、ギターを鳴らす手なのか判らないような、交差する感じがやりたかった。できたかは解らないけど」とは対談での言。身体と芸術ってところもメルロ=ポンティ的。ちょっと時間をかけて考えたい。
 加藤さんの筆は最初慎重だったけれど、音に乗って徐々に解放されていく、その過程が見て取れてぞわりとする。どんどん自由になる。すらっとした体躯なので舞台に映える、動線がうつくしいのはそれだけでなく、そこに生命を視るからだろう。
 出来上がった絵のダイナミズムは圧巻。ツイートで腑に落ちた。

今日は自分の人生の中でも例がない位、音楽的に、獣のように絵が描けた日でした。「起きていながら夢の中にいる」という感覚を始めて味わいました。

— 加藤隆 (@ryukatoo) May 23, 2012

波多野裕文の出す音の後ろで絵を描くのは、めちゃ気持ちよく、また贅沢な時間でした。お客さんは、彼が闘牛士で、自分が牛のように見えたんではないでしょうか。常に次の一歩を踏み出す彼に、尊敬と感謝の意を抱いています。

— 加藤隆 (@ryukatoo) May 23, 2012


 描き終わると加藤さんさらりと退場。
 「やべー。やべーよ加藤さん」「こわ!」「普段の彼の、素朴な感じを知ってるから。余計に解らないんですよね。どうしてああいう人からこんな絵が出てくるのか」「はー魂抜けたわ」とは波多野さん談。
 終演後、絵は舞台に残され、鑑賞可・撮影可だった。間近で見ると圧倒される。
 来られなかった人も観られるよう、どこかで公開されるといい。モノクロームだからこその迫力。本当に凄いよ。


◆二部後半:弾き語り
 波多野さん中央に戻り、絵を背景に弾き語り再開。ただならぬ空気。

9. タイトル不詳「ニコラとテスラと卵」
◇QUIET ROOMで披露された曲。やっぱり卵食べた、聞き間違いじゃなかった。二度目でもショック。

10. タイトル不詳(初披露)
《5月の空は海の色》
《あなたは誰にも愛されないから 自分で愛してあげなさい ばーか ばーか ばーか》
◇「自分で愛してあげなさい」まで聞いて、らしくないな、と思ったらすぐさま「ばーか!」と続いて安心した。それから愉快な気持ちになった。「あなた=自分=ばか」という自虐、「あなた=他者=ばか」への哀れみ、「『あなた~あげなさい』の台詞の話者=ばか」への嘲笑、どれだろう。最後かと思ったけれどどれもありそう。ばーか!で本編終了。すっきりしたような、何か毒が回ったような、混ぜこぜの余韻。


◆アンコール

 2人が登場、おもむろに対談。仲良し。既に書いた絵の話の他、他愛もない話(後述)など。
 加藤さんはける時、波多野さんが後ろからじゃれついてぎゅっとしていた。三十路の男にときめく日が来ようとは。人生色んなことが起きる。

EN. タイトル不詳(初披露)
「吉祥寺でオルゴールを買ったんです。『Moon River』って曲で。『ティファニーで朝食を』の。でも間隔がね、一定じゃないんです。(手で回して)……ほら、速くなった! 間隔は一定じゃないとだめだと思う!」(会場笑)
「でも速くなるってことはどういうことかというと、人間ってことですよ(ドヤァ)」
「オルゴール回しながら歌います。全然違う曲を(笑)。辛くなったら楽器を取ります」
《仕事に戻ろう》《僕はその正体を忘れてしまうよ》
◇《仕事に戻ろう》でがっくり落ちる。はい……。
 オルゴールを手放すと、カリンバに持ち替えて演奏。色々持ってる。好きなんだな。
 《忘れてしまうよ》が繰り返されてかなしくなる。普段なら「そうだね仕方ない」って言うけど、とても抵抗したかった。忘れないよ。いつか忘れるだろうけれど。忘れない。忘れたくない。
 デクレッシェンドで音が消えていく。巻き上がる拍手の中で、終わってしまった、と思いきや、動かないからもう一曲?と期待し始めたところで立ち上がる。弄ばれて終演。ありがとうございました。
 「おやすみなさーい」と和やかに退場。おやすみなさい、have a sweet nightmare。




以下おまけのような。


■MC備忘

・チケット
「チケットがねーすぐ売れるんですよ。壱日の孤独っていうのは。そんな、我先に!って取るようなものじゃないって、皆さんそろそろ気付いた方がいいんじゃないですか? 今日初めての人がどれくらいいるか解らないけど」
◇キャパ少ないからだろ!!と内心多くの人がつっこんだに違いない。需要が大きいことに気付いた方がいいんじゃないですか!
 けれど意図は解る気がした。もっとのんびりと、小さなカフェバーとかで、平凡なマジシャンの手品を笑いながら見ている内いつしか大きな奇術に呑まれていくみたいに、いつか観てみたい。ああただの夢だよ。

・トラック
(今日は危険という話の後)
「トラックが突っ込んできます」
客(?)
「注射器のいっぱい付いたトラックです。中身の色はあえての透明です。ははっ」
客(?????)
◇本日のハイライト。彼の発言を理解不能だと思ったのは初めてでした。何これ。元ネタとかあるんですか。誰か助けて……。

・ホテルにて
(バンジョーチューニングに苦戦。その間にイギリスの話)
「ロンドンって移民の街なんですね。イギリス人は実はあんまりいない。で、何かねーロンドンは人が、思いやりがないんですよ。……『日本人がシャウトしてる』って言われました。いやいやこれはシャウトじゃないでしょ。『私はあなたの奴隷じゃない』とか言われて。いやいや奴隷とは思ってないですよ。僕はただホテルの従業員としての責務を果たしてほしかった。
 だっておかしいでしょう?
 僕と健ちゃんがダブル(ベッド)なんて!!!」(客爆笑)

・歌詞
「(ソロだと)歌詞が全然違うんですよ、バンドで書くのと。バンドは音が先っていうのもあるんでしょうけど」

・批判
「雑誌とかでこきおろされたいですね(笑)。僕最近何やっても批判されないんです」
◇批判には理解が必要。批判がないのは確かにこわい。だけど音を楽しむのに理解は必要条件ではないのでは? なんて本人が一番よく考えているだろう。受け手としては理解できているんだか判断つかないから色々言えない、なんてこんな勝手な文を公開している人間が書くのはちゃんちゃらおかしいが。
 とりあえず惜しみない拍手を送ったので信じてもらえるといい。
 そんなものだ。

■アンコール対談
・は:30歳 か:31歳
 は「何で敬語なの?」 か「いや、……まあ」(会場笑)
・は「(絵を見ながら)消化できない。どうにか消化しないと」
 か「消化しなくていいんだよ」
 は「(客に)そう。消化しなくていいんですよ」
・か「波多野くんから電話来たの1週間前だからね」
 は「で、すぐイギリス行ったっていう(笑)」
 か「そう、聞きたいことあって電話しようとしたら、イギリスで連絡付かない」
 は「でも隆ちゃんにやろうよって電話した時、いいねいいねーみたいな」
 か「うん。最初、2時間かけて絵を描くんだと思ってたの」
 は「あー」
 か「だってそうでしょ?! そしたら30分でやって下さいって言われて。え!って」(会場笑)
・か:絵を描き始めたのは小学校の頃から。ドラゴンボールとか。「普通(笑)」
 は:ドラゴンボールの絵を描いていた。(会場ざわざわ)
・は「全っ然関係ないんだけど、お風呂が詰まって! パイプユニッシュしてもだめで……」
 か「うんうん」
◇加藤さん優しいな。ダイゴマンだったら爆笑してそうだ。

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Maira Gall