VACANTで半年続けてきた独奏会はこれで一区切りだそうで、満員御礼。
会場の使い方が縦長→横長となり、青葉さんとの距離が全体的に近くなる。友達の家に来たような、それでいてふしぎな集会に参加しているような雰囲気は変わらず。
夏の少女的な出で立ちで登場。チャコールグレイのワンピースに足元はショートブーツ、ギターの栗色がよく映える。腰に水色花柄のスカーフがおしゃれさん。ストローハット(と呼ぶべきおしゃれ感)を脱いで傍らの机にディスプレイ。机には青いラインの入った白のテーブルクロスが掛けられ、ガラスの瓶に向日葵が数本飾られている。
忙しない東京での毎日で、置き忘れたものをひとつひとつ手繰るように耳を澄ましていた。そんな感覚をくれる稀有な人。東京で歌っていてくれて本当にありがとう。
始まりは「不和リン」→「腸髪のサーカス」、salyu×salyuのイベントで一気に引き込まれた曲達が立て続けに。「日時計」の相変わらずのぐるぐる感や大貫妙子「夏色の服」のカバーもすごく良い。大貫さんと青葉さんが合わないはずもなく。そして季節を大切にした諸々の演出のお陰でとても居心地良い。
15分くらいの休憩を挟み、二部開始。これがすごかった。
「おもいでカフェ」はもう大好きな曲。小さなグラスの水面がひたひたになるくらいの幸せ感。
続く「ソウル」がすごい。「小池アミイゴさんの個展に行ったんです。アミイゴさんのお子さんの、ソウルくんって子がいて。色々喋りかけてくれるんですね。でも、ソウルくんはまだ2歳なんです。だからまだ言葉になっていない、音の粒たち。それを、なになに?って聞いて、メモして、持って帰って、曲を付けました」。詞と音の絡み方が面白い。「パーパ、マーマ」「いやいや」なんて聞こえるところもありつつ、基本は意味を持たない音の繋がりで、だけど音に乗るとめまぐるしく一瞬一瞬生きているこどもの様子が見えてきてすごく楽しい。最後「ダッ!」で終わり、ギターかき鳴らして締めた後「ふふっ」て思わず笑みを零した青葉さん可愛い。何て自由に曲をつくる人なんだろうかと改めて思い、次に生まれる曲がまた楽しみになった。
1年と3ヵ月過ぎても予断を許さない状況下、「原子力発電所が主人公の歌です」との紹介で演奏される「IMPERIAL SMOKE TOWN」は何も終わっていないと訴えているようで、会場が緊張に満ちる。本当なら、いつかこの曲が歌われなくなる日が来ると良い。けれどそれは途方もなく先だろうから、やっぱりずっと歌っていてほしいと思う。
その緊張感からの次がもの凄かった。「ちょっと封印していた曲をやります。『機械仕掛乃宇宙』という曲です。わたしが弾き語りを始めるきっかけになった曲で、またやろうって思わせてくれたのは、この独奏会です。この曲をつくられた山田庵巳さんに、尊敬と、感謝を」。太陽のない街というディストピアで生きる「僕」の、ひとつの物語。10分くらいであれだけ物語る曲自体の凄さ。その独特な世界観を持つ曲を取り込んで演奏し切る青葉さんの凄さ。堪らなく濃密な時間で、客の拍手も一際大きく、長く続いた。これは封印もするだろうってくらい大きな曲。凄いひと時に立ち会った。やっぱり青葉さんの歌を聴くと、ひとつの物語を読み終えたような気持ちになる。
本編終わりは「奇跡はいつでも」、アンコールで「ひかりのふるさと」。きらきらとひかりを残して幕を閉じた。
MCで「独奏会を続けてきて、打ちのめされたことも、褒められたこともありました。……何だか、卒業式みたいだな。ふふ」と話していた。迷いなく進んでいるように見える彼女にも打ちのめされるようなことがあるんだなと思う。満員のVACANTで皆が聴き入っている、あのあたたかさを信じてみてほしいと願う。見守るよ。
終演後、11月の独奏会ファイナル@自由学園のチケットがいち早く販売されていて、長蛇の列に思わず笑った。5ヵ月も先なのに脅威のリピート率。またこの日になくしたものは取り返せるから、それまで生きてみてもいいんじゃないか、なんてチケットを手にしておもった。ありがとう。
■セットリスト
01. 不和リン
02. 腸髪のサーカス
03. レースのむこう
04. 日時計
05. 夏色の服(大貫妙子カバー)
06. 路標
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07. おもいでカフェ
08. ソウル
09. パッチワーク
10. IMPERIAL SMOKE TOWN
11. 機械仕掛乃宇宙(山田庵巳カバー)
12. 奇跡はいつでも
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EN. ひかりのふるさと
June 28, 2012
青葉市子 独奏会 @ 原宿VACANT
June 17, 2012
MAGNE4 @ 下北沢ERA
初見のバンドツーマン。WOZNIAKの企画。初ERA、煙草の匂いがきつかった。
■ハイスイノナサ
ピアノ(キーボード)の絡み方、鳴り方が好きなバンド。それはライブでも変わらなかった。むしろ更に好きになった! 今年2月にキーボード担当が脱退したそうでヘルプを入れての演奏だったけれど、初見だからか気にならず。あとは、音源よりもずっと残響ぽい、エモいな、とか。照井弟さんのコーラスワークはすごくきれいだとか。
それより何より印象深いのは、都市と、海と、雲の動きの音がして、それを鳴らしているのが人だということ。基本は人が、休日のオフィス街みたいながらんとしたフィクションを滑っていくような都市感。そこに穏やかな海をたゆたうような気持ち良さがあったり、見上げた雲の動きに自分の意思が一切関係しない次元をみる冷静さがあったりする。聴覚だけではなくて、感覚全体を揺り動かされるライブ。そんなところはフランス印象派のピアノと似ているかもしれない。けれど都市の醒めた空気をまざまざと感じるライブは初めてで、戸惑いすら覚える。
まだよく知らなくてセットリストは解らない。「ハッピーエンド」と紹介された曲、途中で手拍子の入る曲(覚えたい!)、新譜から「ある夜の呼吸」「波の始まり」はやったかな。音源集めよう。8月のワンマンがすごく楽しみ!
■WOZNIAK
アルコールと共にゆらゆらくねくねしたくなるクラブミュージック。こういう、反復と少しの変化を繰り返していく系の脳内麻薬出そうな音は久々で楽しかった。けれど1時間以上切れ目なく、ひたすら立ちっ放しなのはちょっと辛い。ソファで休憩しながら、好きなフレーズが来たら踊ったりしたい。
最後のMCが印象に残っている。音楽性の変化(以前はロックバンド寄りだったらしい)、これからも変化していくということ。とても純粋だと思った。ゆえに、この先どうなるんだろうかとも思った。
●セットリスト
6/17WOZNIAKセットリスト1.ATTACK2.BEAMS3.SEVEN4.ASURA5.ACID6.元7.ハウシー8.ドラム叩く(ゲスト:照井順政/鎌野愛fromハイスイノナサ)続く。
— WOZNIAK_BAND (@WOZNIAKBAND) June 18, 2012
6/17WOZNIAKセットリスト9.地下鉄の動態(ハイスイノナサのカバー)10.TTT 111.LIQUID12.BANANA13.密林14.CITYでした。
— WOZNIAK_BAND (@WOZNIAKBAND) June 18, 2012
May 23, 2012
波多野裕文「壱日の孤独」vol.2 @ 北沢タウンホール
前回の公演名から「壱」と大字に変わり、「vol.2」が付いた。
新しい試みがふんだんに:ライブペインティング、ギター二本使い分け、1曲アカペラ、バンジョー・オルゴール・カリンバ登場。今回のオリジナル曲は全て1年~1年半以内に書かれたそうだ。
前回とはだいぶ雰囲気が違った。前回は「和やかで、温かく満たされた空間と時間」、今回は独自色がより濃くて聴き入る・見入るパフォーマンス。ピープルの曲なし、リクエストコーナーなし、カバー1曲、他全てオリジナル、と内容の相違も大きいし、会場も気楽な晴れ豆から全席指定の古い区民ホールへ。
ソロで今やりたいことをやれるだけやったという印象。「ピープルのギタボの人のソロ」の域を抜けて「波多野裕文」という個性が育っている。次にどこへ行くのか解らなくてぞくぞくする。本当に楽しみな人だ。
以下、個々のメモ。7曲目の衝撃で色々吹っ飛んでおりすみません。そして長い。
◆一部:弾き語り
1. タイトル不詳(初披露)
◇アカペラ。いきなりチャレンジング。ギターがないためか足が終始ゆらゆら。
《中国に行ってみたい》というフレーズが悠々と繰り返される。中国に行って知らない人に会ってみたい、というような詞。まどろみの中をたゆたうような心地良い声。
2. タイトル不詳(初披露)
《言葉はとても大切なものだ》《ゴリラはバナナを全然理解できない バナナはゴリラを全然理解できない》《僕は君を全然理解できない 君は僕を全然理解できない》《僕にお金をちょうだい ちょうだい ちょうだい》《言葉はどうでもいい》《言葉はとても大切なものだ》
「雑誌とかでアーティストが、こういうメッセージを伝えたいから書きました、とか言うでしょう。あれは嘘です。(会場笑) あれは、訊かれるからそう言うんであって。僕何でこんな曲書くのか全然解んないです」
◇突如切り込む♪ゴリラはーバナナをー全然理解できなーい、のインパクトよ。突き抜けたバランス感覚最高。
個人的に仮題「メルロ=ポンティ」とした。《理解できない》その先に興味がある、けれど哲学に偏ると面白くなさそうだし(音楽と哲学の相容れなさについて考え続けてる)、いや彼ならうまく取り込むと思うが《哲学は銃殺刑だ》そうなので静観。
3. タナトス3号(仮)
《ヤコブを片隅に置いて 空白はあるか》
◇もはや定番、また聞けて嬉しい。最初のメロディーで持っていかれる。
4. 鍵穴だらけ(初披露)
《鍵穴の形の目》《鍵穴の形のドア》《鍵穴の形の鍵》
「鍵穴だらけ、という曲です。鍵穴だらけとしか言いようがない」
◇さすがとしか言いようがない。《鍵穴の形の 鍵》で丸呑みされた感覚に目眩。自己と対象が突如反転する恐怖は快楽に変わり得るな、とか。是非みんなのうたに選ばれて皆さんにトラウマを植え付けてもらえないか。
5. コンコルド
◇タナトス3号に続き定番か。良いなあ、と感じつつ鍵穴の形の思考回路。
6. タイトル不詳「雪の街」
《ただの名前に過ぎない》《街は未だにドレスリハーサルの途中》
◇QUIET ROOMでの一曲目。
7. Untitled 4 / The Nothing Song(Sigur Rosカバー)
「いいですか、伝家の宝刀を抜きますよ?」→ケースから取り出して「バンジョーっていう楽器です(ドヤァ)」
「あの、最初にカバーやらないって言ったけど、やります(笑)。シガーロスの、名前のないアルバムの名前のない曲をやります。でも、途中でやめるかも。何でかっていうと……弾けないから、ははは」
「(中盤で)もーだめだー……」→おしまい
(終わった後)「バンジョー見せたかっただけっていうね! 今度は1日25時間練習してきます。ふふっ」
◇波多野さんがシガロス波多野さんがシガロス波多野さんがシガロスが波多野さん
↑終演後最初のツイート。脳がショート。楽しむ余裕とかまるでなかった。もう一度聴きたい! 『Hopelandic Hatano』ってミニアルバムとか出せばいい! いいね! ありそうー!!
少し冷静に考えると、シガロスのカバー自体レアだから衝撃がより大きい(前回のビョークはここまで驚かなかった)。「Untitled#4」は良い選曲。鎮静作用のあるやさしい声、「土曜日 / 待合室」に近い。ヨンシーのほとんど天啓みたいな遠さに対して、手の届くところにいてくれる薬箱のよう。バンジョーも良いね。凡庸にならない。
気になった人は是非原曲も。シガロスファン増えるといい。そして今夏サマソニと空からvol.4がかぶったことで共に悩もう!!
『Valtari』日本先行発売日に因んでやってくれたなら粋だな。偶然か。どっちだっていいや、ありがとう。
8. タイトル不詳(初披露)
◇引き続きバンジョーで演奏。銀行強盗がどうのという詞。前の曲で頭がいっぱいでよく覚えていない。残念。《からだもこころも売れるものなら売ってみたい》《籠は上に向けておいて》《経済が降ってくる》がこの曲?
◆休憩(5分) 周りからゴリラゴリラ聞こえてきて笑った。
◆二部前半:ライブペインティング(30分)
ゲスト加藤隆さん登場! 紹介もそこそこに「やろっか。説明のしようがないもんね」とスタート。舞台にセッティングされた160×350cmくらいの模造紙に下絵なしで、加藤さんが筆で墨を淡いものから濃いものへと少しずつ乗せていく。波多野さんは舞台下手に移動、制作の様子を見て即興演奏。
ギターとヴォカリーズ、加藤さんの身体感覚に自分の身体を委ねて音を創り出す試みのように感じた。「手が、筆を持って描いている手なのか、ギターを鳴らす手なのか判らないような、交差する感じがやりたかった。できたかは解らないけど」とは対談での言。身体と芸術ってところもメルロ=ポンティ的。ちょっと時間をかけて考えたい。
加藤さんの筆は最初慎重だったけれど、音に乗って徐々に解放されていく、その過程が見て取れてぞわりとする。どんどん自由になる。すらっとした体躯なので舞台に映える、動線がうつくしいのはそれだけでなく、そこに生命を視るからだろう。
出来上がった絵のダイナミズムは圧巻。ツイートで腑に落ちた。
今日は自分の人生の中でも例がない位、音楽的に、獣のように絵が描けた日でした。「起きていながら夢の中にいる」という感覚を始めて味わいました。
— 加藤隆 (@ryukatoo) May 23, 2012
波多野裕文の出す音の後ろで絵を描くのは、めちゃ気持ちよく、また贅沢な時間でした。お客さんは、彼が闘牛士で、自分が牛のように見えたんではないでしょうか。常に次の一歩を踏み出す彼に、尊敬と感謝の意を抱いています。
— 加藤隆 (@ryukatoo) May 23, 2012
描き終わると加藤さんさらりと退場。
「やべー。やべーよ加藤さん」「こわ!」「普段の彼の、素朴な感じを知ってるから。余計に解らないんですよね。どうしてああいう人からこんな絵が出てくるのか」「はー魂抜けたわ」とは波多野さん談。
終演後、絵は舞台に残され、鑑賞可・撮影可だった。間近で見ると圧倒される。
来られなかった人も観られるよう、どこかで公開されるといい。モノクロームだからこその迫力。本当に凄いよ。
◆二部後半:弾き語り
波多野さん中央に戻り、絵を背景に弾き語り再開。ただならぬ空気。
9. タイトル不詳「ニコラとテスラと卵」
◇QUIET ROOMで披露された曲。やっぱり卵食べた、聞き間違いじゃなかった。二度目でもショック。
10. タイトル不詳(初披露)
《5月の空は海の色》
《あなたは誰にも愛されないから 自分で愛してあげなさい ばーか ばーか ばーか》
◇「自分で愛してあげなさい」まで聞いて、らしくないな、と思ったらすぐさま「ばーか!」と続いて安心した。それから愉快な気持ちになった。「あなた=自分=ばか」という自虐、「あなた=他者=ばか」への哀れみ、「『あなた~あげなさい』の台詞の話者=ばか」への嘲笑、どれだろう。最後かと思ったけれどどれもありそう。ばーか!で本編終了。すっきりしたような、何か毒が回ったような、混ぜこぜの余韻。
◆アンコール
2人が登場、おもむろに対談。仲良し。既に書いた絵の話の他、他愛もない話(後述)など。
加藤さんはける時、波多野さんが後ろからじゃれついてぎゅっとしていた。三十路の男にときめく日が来ようとは。人生色んなことが起きる。
EN. タイトル不詳(初披露)
「吉祥寺でオルゴールを買ったんです。『Moon River』って曲で。『ティファニーで朝食を』の。でも間隔がね、一定じゃないんです。(手で回して)……ほら、速くなった! 間隔は一定じゃないとだめだと思う!」(会場笑)
「でも速くなるってことはどういうことかというと、人間ってことですよ(ドヤァ)」
「オルゴール回しながら歌います。全然違う曲を(笑)。辛くなったら楽器を取ります」
《仕事に戻ろう》《僕はその正体を忘れてしまうよ》
◇《仕事に戻ろう》でがっくり落ちる。はい……。
オルゴールを手放すと、カリンバに持ち替えて演奏。色々持ってる。好きなんだな。
《忘れてしまうよ》が繰り返されてかなしくなる。普段なら「そうだね仕方ない」って言うけど、とても抵抗したかった。忘れないよ。いつか忘れるだろうけれど。忘れない。忘れたくない。
デクレッシェンドで音が消えていく。巻き上がる拍手の中で、終わってしまった、と思いきや、動かないからもう一曲?と期待し始めたところで立ち上がる。弄ばれて終演。ありがとうございました。
「おやすみなさーい」と和やかに退場。おやすみなさい、have a sweet nightmare。
以下おまけのような。
■MC備忘
・チケット
「チケットがねーすぐ売れるんですよ。壱日の孤独っていうのは。そんな、我先に!って取るようなものじゃないって、皆さんそろそろ気付いた方がいいんじゃないですか? 今日初めての人がどれくらいいるか解らないけど」
◇キャパ少ないからだろ!!と内心多くの人がつっこんだに違いない。需要が大きいことに気付いた方がいいんじゃないですか!
けれど意図は解る気がした。もっとのんびりと、小さなカフェバーとかで、平凡なマジシャンの手品を笑いながら見ている内いつしか大きな奇術に呑まれていくみたいに、いつか観てみたい。ああただの夢だよ。
・トラック
(今日は危険という話の後)
「トラックが突っ込んできます」
客(?)
「注射器のいっぱい付いたトラックです。中身の色はあえての透明です。ははっ」
客(?????)
◇本日のハイライト。彼の発言を理解不能だと思ったのは初めてでした。何これ。元ネタとかあるんですか。誰か助けて……。
・ホテルにて
(バンジョーチューニングに苦戦。その間にイギリスの話)
「ロンドンって移民の街なんですね。イギリス人は実はあんまりいない。で、何かねーロンドンは人が、思いやりがないんですよ。……『日本人がシャウトしてる』って言われました。いやいやこれはシャウトじゃないでしょ。『私はあなたの奴隷じゃない』とか言われて。いやいや奴隷とは思ってないですよ。僕はただホテルの従業員としての責務を果たしてほしかった。
だっておかしいでしょう?
僕と健ちゃんがダブル(ベッド)なんて!!!」(客爆笑)
・歌詞
「(ソロだと)歌詞が全然違うんですよ、バンドで書くのと。バンドは音が先っていうのもあるんでしょうけど」
・批判
「雑誌とかでこきおろされたいですね(笑)。僕最近何やっても批判されないんです」
◇批判には理解が必要。批判がないのは確かにこわい。だけど音を楽しむのに理解は必要条件ではないのでは? なんて本人が一番よく考えているだろう。受け手としては理解できているんだか判断つかないから色々言えない、なんてこんな勝手な文を公開している人間が書くのはちゃんちゃらおかしいが。
とりあえず惜しみない拍手を送ったので信じてもらえるといい。
そんなものだ。
■アンコール対談
・は:30歳 か:31歳
は「何で敬語なの?」 か「いや、……まあ」(会場笑)
・は「(絵を見ながら)消化できない。どうにか消化しないと」
か「消化しなくていいんだよ」
は「(客に)そう。消化しなくていいんですよ」
・か「波多野くんから電話来たの1週間前だからね」
は「で、すぐイギリス行ったっていう(笑)」
か「そう、聞きたいことあって電話しようとしたら、イギリスで連絡付かない」
は「でも隆ちゃんにやろうよって電話した時、いいねいいねーみたいな」
か「うん。最初、2時間かけて絵を描くんだと思ってたの」
は「あー」
か「だってそうでしょ?! そしたら30分でやって下さいって言われて。え!って」(会場笑)
・か:絵を描き始めたのは小学校の頃から。ドラゴンボールとか。「普通(笑)」
は:ドラゴンボールの絵を描いていた。(会場ざわざわ)
・は「全っ然関係ないんだけど、お風呂が詰まって! パイプユニッシュしてもだめで……」
か「うんうん」
◇加藤さん優しいな。ダイゴマンだったら爆笑してそうだ。
May 4, 2012
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012 2日目
恒例となったクラシックフェス、今年のテーマは「サクル・リュス」でロシア音楽。
気になるピアニストが押し寄せて大変なことに! ポゴレリッチ、エル=バシャ、ヴォロディン、メジューエワ等々。タイムテーブルと睨み合ってぐるぐる考えたが、チケット取れなかった公演多数。定例の人気フェスになったのか、今年が特別人気なのか。
結局3日間のうち2日目1日で2公演(ややこしい)、ベレゾフスキー出演分を観た。とんでもなく良かった。
■公演番号283 16:00-16:45 ピアノソロ @ よみうりホール
トリプルアンコール! 会場いっぱいに満ちる盛大な拍手で終演。
以前「スポーツのようなピアノ」だと漠然と感じた。一歩進み、身体の動きが音に直結しているんだと思った。それはとても幸福なことだ。だからこの人の音が好きなのかもしれない。逞しさ、力強さ、体格の良さが音にそのまま表れていて男性的。それが良く聴こえる、個人的には稀有なピアニスト。時に細やかなパートが切り込んでくると、あれ?と思うこともあるが、それも気にならないくらいに引き込まれる熱の入り方。
雨の日によく似合うラフマニノフ。どちらかといえば女性寄りの演奏を聴いてきたので、ベレゾフスキーの表現が新鮮で面白い。ソナタ終わって再登場、客席に向かって「ゴメンナサイ、サンバンハヤリマセン。ラフマニノフ、プレリュードヤリマス」いきなり日本語でびっくり。日本語もプレリュードOp. 23, No. 5もとても嬉しかった!
アンコールはフランスとポーランド、フェスのテーマから逸れたって気にならない! 場内更に盛り上がる。サン=サーンス、ショパンのワルツ! 本編とは打って変わって緩やかに軽やかに遊び流れるような旋律に夢見心地。そうだった、この人は繊細モードに切り替わることもできる。その本領をこの後見せつけられることになろうとは。
●プログラム
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 op.28
ラフマニノフ:前奏曲 ト短調 op.23-5 ※
EN
1. サン=サーンス:白鳥(組曲「動物の謝肉祭」より)
2. ショパン:ワルツ 変イ長調 遺作 KK IVa-13
En-3. ショパン:ワルツ ヘ短調 遺作 Op.70-3
※予定では「メロディ ホ短調 op.3-3」「クライスラー(ラフマニノフ編):愛の喜び/愛の悲しみ」
■公演番号227 21:45-22:30 クインテット @ ホールB7
ベレゾフスキーのクインテット聴いてみたい!と軽い気持ちで、聞いたことのない曲の予習も全くせずに臨んだ。初めて見るソロでないベレゾフスキーが新鮮。周りの音をよく聴いて自分の音を馴染ませていく、けれども主張するところはしっかりベレゾフスキー節なのが嬉しい。アレンスキーは音の重なり合いがただただ楽しかった。クインテットよく息が合っている。
シュニトケがすごかった。終わりのない真っ暗な森(不協和音のハーモニーを奏で続ける弦楽器隊)をピアノがひたすら一人で歩き続けるような曲。最後第5楽章でようやく湖が見えて落ち着き、うっすらと射してきた光に向かって吸い込まれるようにピアノは歩き、遠ざかっていく、という。
リストやラフマニノフ、ショパンを弾くベレゾフスキーしか知らなかったので、この負の静寂に覆われた曲を目の前にして狐につままれたような気さえした。こんな顔もお持ちなんですね、好きです。最後、ピアノが一歩一歩遠ざかっていくのが忘れられない。光に満ちたデクレッシェンド、p→pp→ppp、こんな救いもある。
ベレゾフスキーの新たな一面を知って思い切り引き込まれた今年のLFJ。多面性って本当にすばらしい。
●プログラム
アレンスキー:ピアノ五重奏曲 ニ長調 op.51
シュニトケ:ピアノ五重奏曲 op.108
●メンバー
スヴャトスラフ・モロズ (ヴァイオリン)
ミシェル・グートマン (ヴァイオリン)
エリーナ・パク (ヴィオラ)
アンリ・ドマルケット (チェロ)
ボリス・ベレゾフスキー (ピアノ)
April 29, 2012
Salyu Tour 2012 photogenic
@ 東京国際フォーラム ホールA
2年ぶり、MAIDEN VOYAGEツアー以来のSalyuワンマン。
何より、強い歌い手になったと感じた。声の力強さと、声の力を信じて突き進む信念の力強さが合わさって大きなエネルギーを発生させる。その磁場に今夜立ち会った。
処女航海で進む道を見つけて帰ってきたようでほっとした。リリイ・シュシュに付き纏われていた『landmark』→逃れようともがいていた『TERMINAL』→ターニングポイント「LIBERTY」→区切りを付けた『MERKMAL』→方角を見定めた『MAIDEN VOYAGE』を経ての突き進む『photogenic』。ようやくここまで来た。お帰り。
オープニング、オリジナル映像。暗闇に降りしきる雨の中、水と戯れるSalyu。ピナ・バウシュ「Vollmond」へのオマージュだろう。身体で自由を叫ぼうとしているような。ピナの身体表現の自由さは、声の身体性を探り続けている(のだと思う)Salyuと通じるところがある。
「灯台」の一節《今日から新しく生まれて 今日から新しく生きていこうよ》がスクリーンに投影され、歌い上げられてスタート。菜の花畑みたいに明るい黄の衣装に赤いハート型の羽?を背負い、金髪ウィッグ。ポップアイコンになろうとしている、それを引き受けようとしている、ようだった。ツアーのテーマが「元気をあげたい」だそうで、活発には見える。個人的にはどちらも彼女に求めない。
「パラレルナイト」、武道館の「飛行船」を思い出す照明の気合の入り方。曲も安易に電子音楽に走っただけでなく、Salyuが咀嚼した感があって良い。続く「My Memory」、リリイの一夜復活ライブ以来の披露。リリイで聴きたかった……。あの時と同じオリジナル映像が流れていた。
アナウンス「ここからは座ってお楽しみ下さい」で衣装替えタイム。音源の「飽和」が流れ、スクリーンにはオリジナル映像。宇宙のような空間に光が集まり球体を成していく様が、音とよく調和している。飽和に新しい命が吹き込まれて嬉しい。リリイ要素はファンサービスなのか何なのか。だからライブに足を運び続けてしまう。
光の集積は月に成り「月の裏側」へ。Salyuはアイボリーの衣装に身を包み、ウィッグ取って再登場。続く「体温」照明が白眉! 最初音程が何だかずれていてひやひやしたけれど、持ち直してからは良かった。「青空」ライブは音源よりずっと胸に迫る。「新しいYES」半ばで強めの地震があり(千葉でM5.8、最大震度5弱、東京は震度3)、何かのアトラクションみたいに座席全体が揺れた。ライブは何事もなかったかのように続行。UNIT以来に聴く「夜の海 遠い出会いに」、エネルギー量が復活していた。大きな会場に映えてやっぱりいいなあ。
「皆さんの今日より明日が、明日より明後日が、今年より来年が、より良いものへ変化していくように、という気持ちを込めて歌います」というMCに続いて「VALON-1」。歌ってくれたことに、ありがとう。
本編終了前、またオープニングに似た映像が流れて「ただいま」の台詞。処女航海からのただいま、なのだろうけどSalyuの声に聞こえなかった。誰だ。
アンコールの衣装はツアーグッズのシルクプルオーバー(20,000円……)にピンクのショートパンツ、足元は銀色きらっきらのスニーカー。そんな格好で「春を降らせます」からの「HALFWAY」、一番元気をもらったのはこの曲かな。締めは「風に乗る船」、2年前と変わらず驚いた。
ツアーファイナルだから来るだろうと思っていた小林P、現れず。また2人で舞台に立ってほしい。
突き進むSalyuはどんどん遠くなり、そろそろ追いきれなくなってきた。それでも、あの声が自分にしっくり来る時のあの喜びが欲しくて追い続けている。salyu×salyuのように巧いプロデューサーとまた出会えると良い。
MCのうたのおねえさんみたいな台詞っぽさに拍車が掛かっていて笑った。
Salyu曰く「私のオーケストラ」であるツアーバンド、素晴らしい! キーボード皆川さん、この人の音は小林さんにもSunnyにもないカラフルさがあって楽しい。キタダさんのベースもSalyuライブの大きな楽しみ。「Tower」楽しそうだったな。ひろこさんのマルチっぷり(コーラス、コンガ、ウィンドチャイム)も観て聴いて楽しい。ライブがすごく楽しかったのはバンドに拠るところも大きい。
また、いつか。
■セットリスト
01. camera
02. LIFE
03. Tower
04. 悲しみを越えていく色
05. magic
06. ブレイクスルー
07. パラレルナイト
08. My Memory
(衣装替え、音源の「飽和」が流れる)
09. 月の裏側
10. 体温
11. 青空
12. 新しいYES
13. 夜の海 遠い出会いに
14. コルテオ ~行列~
15. 旅人
16. VALON-1
17. Lighthouse
EN.
01. HALFWAY
02. to U
03. 風に乗る船
April 1, 2012
People In The Box 『Citizen Soul』 release tour
@ 中野サンプラザ
ツアーファイナル東京! 何だこの記事の長さ!
本編最後「汽笛」がひとつの到達点を迎えた。未来へ大きく踏み出していきたくなる音がホールに満ちていくあの感覚は、何なんだろう。音の貴さ、その場にいられる貴さをいっぱいに感じながら、最後のドン!を聞いた。
大きな拍手の中、近くの人が「ありがとー!!」って叫んでいて何かもう感極まる。解散ライブ以外でそんなの聞いたの初めてだ。ありがとうピープルありがとう。今夜一瞬で過ぎた。それくらい没入していた。
ツアー序盤はCSの曲が育っていくのに立ち会う感覚だったけれど、今夜は中身がぎゅっと詰まっていて溢れてくるのを分けてもらっているような。波多野さん最初のMCで「すごく充実したツアーでした。その充実ぷりを受け止める準備はできているか?」、アンコール時「(ツアーの)充実っぷりを、皆さん受け止めた訳ですよね?」。受け止めても抱えきれないくらい。何なんだ。一体何なんだ。
ホールという環境を差し引いても他会場と空気が違う。始まる前から本編の終わりまでずっと、そこら中に緊張感が潜んでいた。ピープルが今夜何かを成し遂げそうな予感とか、未知の終着点を前にした緊張とか。ユーモラスなMCに笑う余裕すらない。(結果波多野さんに「今日はどうも打率が低い」と言わせた上、「僕、この帽子の中は全部ハゲです!!」という力技(しかも横浜でウケたMCの流用)を使わせてしまったのは大変申し訳なかった)
ファイナルの特別感すごい。加藤隆さんのオリジナル映像がポエトリーリーディング、「旧市街」(PVとは別)、エンドロールに合わせてスクリーンに映し出された。相性の良さを再認。
ポエトリーリーディングの映像はニムロッドPVに近いタッチ。横たわる人が目覚め、花片を一枚口に入れる。《食べろ、食べろ、食べろ、食べろ》で様々な人が花片を食べ、人の輪郭線がほどけて人ならざるものに変容する姿が描かれる。「花を食べる人」のモチーフ大好きなので驚きつつ嬉しかった。始まりと終わりは #00ff00 くらいの黄緑色を背景にバンド名とツアータイトル入り。加藤さんの作品でこんなブライトな色を見るのは新鮮。映像と現実をうまく切り分けて、かつ橋を架けていた。
「旧市街」の映像がものすごい。演奏がBGMになるほど。最初は旧市街PVに出てくるブリューゲルのバベルの塔らしいものを背景に、途中から独立して、一本の茎が不穏なもの(某大統領? / キノコ雲 / 原発? / 防護服の人々)を次々吸い上げ(実を付け?)ながらずうっと伸びていく。どうなるんだろう?と思っていたら、最終的にへその緒となり嬰児に結び付いた。呆然。と同時に、『Family Record』と『Citizen Soul』とピープルの意図と現実とが一気にリンクしたような衝撃。いつだって彼らは音で生命を鳴らしているのだと思った。まだ処理しきれていないけれど、今はここまで。
エンドロールはあかい花。オープニング映像で登場人物達が食べていたものか。BGMはシンプルな電子音? 手探りで見付け出されたような音の連鎖。最後「Music by Hirofumi Hatano」のクレジットがあったので、エンディングもオープニングの音もきっと彼の作だろう。
セットリスト、納得の布陣。各々の曲の感想を書き始めると途方もないが少し後述。波多野さん曰く「今回のセットリストはピープルなりのハードコア」。何だと……! 思わず噴いたけど、「ニムロッド」に代表されるような反逆ってことなら頷ける。
ホールはさすが音がクリア。天井の高い大きな空間いっぱいに音が響いて充満していく作りはピープルによく合っていると思う。そのお陰で聞き取れたポエトリー、《バタフライエフェクトを頼りにする心許ないアジテイターでもある》と言っていた(九州のアクセントなのか「ア『ジテイタ』ー」)。多分。
照明もこの日だけのものばかり。ドラムセットの銀色が光にきらめいてきれい。
ダイゴマンが語った(*後述)通り、アンコールは一年前を辿るような構成。
「泥の中の生活」ラストで波多野さんがギター置いて帽子取って舞い始めた時は目が点になった。たっぷり30秒は舞っていた。再びギターを肩にかけてクライマックス、と思いきやエフェクター踏むの遅れたりでぐだぐだ気味。けれども彼なりの自由さの現出だったんだろうな、と思うとアンコールらしくて良い。ダイゴマンのハイハットは相変わらず絶妙。繊細だけど確かな存在感。
「火曜日 / 空室」轟音パート堪らなく気持ち良かった! 終わった瞬間の沈黙含めて大好き。続いて定番の「完璧な庭」、いきなりエモからポップに。ダイゴマンが手拍子煽るのも最早定番。楽しい楽しい。
終わりか、と思いきや更にファイナル仕様でもう一曲! 波多野さん「People In The Boxでした」と格好良く決めて大きな拍手受けつつ、イントロギターミスって笑い。やり直して即興アレンジ入れながら、リズム隊とうまくアイコンタクトして「She Hates December」に入っていったのはさすが。アンサンブルの強さを見た。5ヵ月ぶりに、しかもアンコールの締めに聞けて、個人的にすごく嬉しかった。最初にピープルを知って惹かれた曲。
Wアンコール「ヨーロッパ」。やっぱり激しさがやや取れた替わりに距離が近くなった印象。《やあ、みんなどこからきたんだ?》、以前の懐疑や不安に比べて歓喜が増えているような。ピープルと観客を結び付けるこのフレーズは何度立ち会っても貴重。《目には見えないものをいまにも「この手に」掴もうとしている》少しの変化だけど痺れた。アウトロにぶっ殺されてツアー終幕。
福井さん、ダイゴマン順に退場していき、最後まで残った波多野さんステージ中央のぎりぎり前まで出てきて「ありがとうございました」って地声で言ってお辞儀。その後マイクでもしっかり同じように伝えて去っていった。
熊谷、横浜、仙台、名古屋、そして東京、沢山のピープルを観てきて本当に楽しかった。波多野さん「名残惜しいなあ。でもまた沢山ライブやりますので、是非来て下さい」あたたかい。こんなに感慨深いファイナルは初めて。『Citizen Soul』聴き直すととても充実した感覚。
彼らがこれからどうなっていくのか、そのゴールはインタビューで少し明かされているけれど、どうやってそこへ向かっていくのか、今後が本当に楽しみ。ずっと応援するよ。ありがとう!!
* WアンコールでのMC
ダ「丁度一年前くらいにもここでやったんですよ。去年は地震の影響で」
ハ「あの 忌 々 し い 計画停電のせいで」
ダ「そう、節電するよう言われて、照明とか実は色々気を遣ってたんですよ。で、200人くらい払戻しになったのかな。あの時はこんなに埋まってなかった。だから、あの時来れなかった人が絶対いるはずなんだよ。あの時とスタッフも皆同じで。俺としては今日はリベンジマッチな気がしていて、今日ここでできたことがすごく嬉しいです」
(会場大きな拍手)
■セットリストとメモ(☆=CSの曲=今ツアー固定、★=CS以外の固定曲)
01. 沈黙 ☆
シンバルの叩き方、鳴り方が格好良過ぎる。バスドラのリズム未だ掴めず。
《そうさ、世界は美しいのさ》の説得力にのっけから持って行かれる。
02. 笛吹き男 ★
4/1に聞く《今夜最高の嘘が、ほんとうになる》の力すごい。また特別になった。
03. 市民 ★
今日の緊張した空気に良く映えていた。赤を基調とした照明がとても良い。
04. 親愛なるニュートン街の ☆
ひぐらしの代わりにベースが挟むきゅいーん音が好き。(語彙がなくすみません)
ハンドクラップ楽しい。親愛。最後ドラム手で打って締めてた。親愛!
「意気揚々」と「生きようよ」の相似。声がきれいに伸びてぞくぞくする。
05. 見えない警察のための
今夜の緊張感の中では解放されきらなかったのが惜しい。少し浮かぶ感覚は健在。
06. ペーパートリップ ★
《終わりのはじまりを見たいな》と《はじまりが終わっただけだよ》。どちらも旅に出るけれど随分違って聞こえる。もう少し考える。
07. 技法 ☆
《殉教者を見下げ果てている》曲だと思っていたけど、違ったんだね。良いMC。「踊る」って波多野さんのキー概念のひとつだなあ。「踊るときには、魂が先行する」という言葉を思い出したりした。
ハ「今日コンサートみたいですね、私のこの声の響き具合というか。よく踊ったりするでしょう、ロックバンドだと。(※でも今日の客は静か、という含意) だけど皆さんはいつも踊ってるんだと思うんですよ。今日ここまで来るのも徒歩とか電車とか、はたまたセグウェイとか。それはすばらしい踊りなんです。でも、もしかしたら何かに踊らされてるのかもしれないよね。だけどそんなことはどうだっていいじゃないか、その踊りが美しければ。……という曲をやります」
(会場ずっと静か)
ハ「そりゃあ目が点になるよね。笑 ふつうの曲をやります」
08. レテビーチ
周りもゆらゆら揺れていて気持ちいい。ドラムに釘付け。
09. 冷血と作法 ★
ドラムは地下で燃え滾るマグマ、繰り返されるベースのフレーズは地上の生物、嵐のような間奏の中で炸裂するギターは落雷、をそれぞれ思わせる。圧巻。ツアーの要。
10. ブリキの夜明け
「静かな曲をやります」からこの曲。徐々に盛り上がっていく感じがとても良い。特にベース熱い! 天井に水面のような照明が映し出されて、会場全体が水の中でたゆたっているような感覚も良かった。
11. ニコラとテスラ ☆
デマーゴーギー♪と、それが途切れる流れが大好き。造花をかーこんで♪も好き。最後、和解するー世界♪で和解するまで長く溜めるのも好き。途中ドラムスティックでカウント取るのも好き。
流れでは熊谷の「木曜日 / 寝室」から入るのが一番好きだったな。
12. 月曜日 / 無菌室 ★
長くアレンジされたイントロ、いつものフレーズに入って音が明るくなるのと同時に照明が真っ白になってはっとした。サンプラザの棒状の照明面白い。天井から降りてくるの初めて見た。
13. はじまりの国 ★
いっそ踊ろー!! この断定がアンコールへのフラグだったとは。
14. スルツェイ ★
全部好き。どのパートもメロディーも詞も。奇跡的なバランス。
15. ニムロッド ☆
やっぱりドラム格好良い。何度でも言おう、ドラム格好良い! ドラム格好良い!!
16. 旧市街 ★
映像に釘付け。まさにメメントモリ。
17. 汽笛 ☆
終わってしまうんだなあ、と思うと寂しくなった。でも音はずっと鳴っているから楽しくて仕方なかった。
ホールに響く3人のコーラスのうつくしさといったら。
最後のドン!に背中を押された気がした。
EN. 1
01. 泥の中の生活
02. 火曜日 / 空室
03. 完璧な庭
04. She Hates December
EN. 2
ヨーロッパ
■MC備忘
・客がなかなか笑わない
ハ「どうも今日は打率が低い……。僕、この帽子の中は全部ハゲです!!」
(会場爆笑!)
ハ「ウッソー☆ エイプリルフールの責務を果たしました(ドヤァ)」
・ドヤ顔ポーチ紹介
ハ「肘当てとしても使えます」
ダ「肘当てね! ああ、俺まさに昨日こうやって寝てたわ」(実演)
ハ「寝る時は必須だよねー」
・東京の名産品
ダ「ポーチを紹介する時、波多野くんが各地の名産品を言うんですけど。東京は?」
ハ「俺何て言ったっけ?」
ダ「肘当て!」
ハ「そうだ肘当て。笑 だって、東京の名産品って、何かさー。何かさー」
ダ「東京の名産品って何だ?」
客「スカイツリー!」
ハ「スカイツリー?! あんなの 何 っ に も ないよ? ただ高いだけだよ」
ダ「一度登ってみたいって感じで登るんじゃないですかね、ああいうのは。展望台とかあって」
ハ「『わーすごーいたかいねー』」(棒読み)
ダ「こんなこと言っといて一番楽しむタイプなんですよ、こういうのが一番!!」
ハ「(笑)『あ、あれうちじゃない?』」
ダ「ははは! 『あれ健太んちじゃね?』」
ハ「『あっちが新宿だから、えーっとうちはこっちの方でー。あっ高尾山見えた!』」
ダ「ほら、そうやって! 絶対テンション上がるんだよ!!」
・高尾山
ダ「高尾山いいよ! 健太絶対行ったらいい!」
フ「(客に)僕登山すごい好きなんで」
ハ「高尾山いいよね。都心からちょっと行ったところにあんな自然が」
フ「行ったことあるんだよ高尾山。麓まで行って」
ダ「あ、行ったことあるんだ?」
フ「行って、山眺めて、帰ってきた。笑」
ダ「え!? 登んなかったの?」
フ「うん。行って、へー、って」
ダ「眺めて、帰ってきたんだ! はは!」
ハ「僕、朝の5時に高尾山行ったことあります」
ダ「5時!?」
ハ「あのケーブルカー? 登るやつあるでしょう? あれも動いてなくて。店も何もやってなくて」
ダ「そらそうだろなあ」
ハ「で、山見て、帰った。へー、って」
ダ「おんなじじゃん!!!」
■開演前の中野の空
胸を打たれた空のパノラマ。写真で伝えきれないのがざんねん。「そうさ、世界は美しいのさ」って、思わず信じそうになった。
ぼうっと見ていたらとびきりうつくしいひと時は撮り逃してしまったけれど、めずらしくしっかりと記憶に焼きついている。
March 23, 2012
the cabs 2nd mini album release tour 「rasen no hotori」
@ 下北沢SHELTER
霧雨の下北沢、ソールドアウトしておりぎゅうぎゅう詰めのシェルター。音源をひとつも持っていない3バンドのライブ、全て初見。小さなハコのためもあってか、どのバンドもエネルギッシュで音が迫ってくる感覚が強く、良いテンション。だからか共通して若い印象。どう若いのかはそれぞれ少しずつ違っていた。
■dry as dust
dryでもdustでもなかった、何だろう……young as yacht。適当でしたすみません。ドライというにはエネルギーに溢れていたし、ダストというならスターダスト。Dという音のこもった暗い感じは全然なく、明るい若さを感じた。最後の曲のアウトロが会場をどこかへ引っ張っていくような力強さを放っていて良かった。
■Qomolangma Tomato
3バンドの中で一番攻撃的でありつつ演奏が安定していて完成度高い。ボーカルが台詞言い続けながら次の曲に移る繋ぎ方の息をつかせない感が良かったり、ベースが面白いフレーズ弾いてたり、とても楽しめた。ボーカルの決壊した堤防みたいに溢れて止まらない怒涛の言葉攻めが若い。
ボーカルは大人しめの会場に「金払ってこんな地下に集まってさー、楽しまないと意味ねえぞ」みたいに何度も呼び掛けていた。楽しかった、けれど個人的には共感して暴れようとは思えなかった。
■the cabs
気になっていた彼らをみたくて、今夜足を運んだ。出会って以来耳から離れない「二月の兵隊」が聴けて嬉しかったし、Wアンコールの「チャールズ・ブロンソンのために」ものすごく格好良かった! 一曲目終わったところで機材トラブル(弦切れた?)がありつつも、テンション高く駆け抜けていた印象。勢いあって若い。
勢いがあり過ぎるのか演奏がまとまっていないように聞こえる。まとまりのなさが一周回って「チャールズ・ブロンソンのために」では逆に功を奏したような。凝っていて面白いドラム、YouTubeで聴くとクリアなスネアがとても好きなのだが、ライブではうまく生きていないような。観た位置のせいか。
きれいに伸びる若い声、秋の始まりのような、繊細で少し影があるのも心地良い。もっと大きな会場でも大丈夫。個人的に好き嫌いがはっきり分かれる絶叫、キャブスのは好きだ。きれいな曲に割り込んでくる暴力性堪らない。
ライブが終わってからずっと「二月の兵隊」の絶叫が頭の中に住み着いている。詞も気になるのでアルバムを買ってみることにした(同じ残響歌もののピープルの詞が日常から少し遊離しているのとはまた違って、キャブスは想像上の別世界を描いている印象)。時間を開けてまた観に行きたい。
●セットリスト(twitterより拝借)
1. skor 2. 二月の兵隊 3. カッコーの巣の上で 4. アンシェルス 5. 僕たちに明日はない 6. 解毒される樹海 7. camn aven 8. 第八病棟 9. キェルツェの螺旋 EN. 1. すべて叫んだ 2. チャールズ・ブロンソンのために