1st~2ndの頃よく聴いていて、ようやく初見。最高にキュートで、予想を遥かに超えてパワフルで、そう来るかってサプライズもあり。客を楽しませようって気持ちがいっぱい詰まっていて嬉しかった。
その最たるものが冒頭の和太鼓コラボ。一曲目Black Star終わってステージが明るくなると、並んだ3つの和太鼓と日本人プレイヤー。和太鼓ドラミングがしばらく続き、What The HellでAvrilバンドとコラボ! 日本との融合を試みるような演出が嬉しい。それにしては、日本人なのに自分和太鼓に馴染みないなと思ったり。
「ひとりひとりの顔が見たいから、ライト点けて!」ってステージ明るくさせて、客と目線が合うように屈んでにこにこして顔を眺めたり。本編ラストの曲でステージから降りて、結構長く客と触れ合ったり。演出でも嬉しい。
1stの曲沢山聴けて嬉しい。「嬉しい」ばっかりだな。
最近の曲ではピアノに腰掛けて歌われたAlice! グランドピアノに乗る猫みたいなキュートさと気まぐれさ、堪らん可愛い。しかも曲が少女像の代表格と来てる。ぴょんとピアノから飛び降りたのも可愛いいい。
最近は基本ビッチ路線で軽いと思っていてすみませんでした、恋するかと思ったGirlfriend。Smileギターのお兄さんに後半の《You know that I'm a crazy bitch》→《I know that you're a crazy bitch》に変えて言わせる演出笑った。最後ビンタの素振り可愛い。
しかし軽いだけじゃない。本編最後のI'm With Youが化けてびっくり。ずっと「私と誰か」の小さな世界観で捉えていたのだけど、ほぼ満員のアリーナいっぱいに響き渡る《I'm with you》の叫びは世界がひとつになっていくような壮大ささえ湛えていた。すごい振れ幅。
途中声出づらそうだったけれど、アンコール一曲目のアカペラWhat The Hellはすごかった。あの華奢な体のどこから、あれ程の力強さが生まれるのか。
そして最後の最後にComplicated、10代の頃のグリーンな思い出が蘇る……!
ガールズロック数あれど、Avrilが抜群に好きだ。自分の可愛さを理解し、いざとなったら誰かに守ってもらえることを強かに確信した上でパンクに闘おうとする女子堪らん。全篇に漂う「無意識だけど女を演じてる感」が面白い。
だけどそんなあれこれはライブ始まったらどうでも良く、ただただ可愛かったです。Avrilは俺の嫁。
■セットリスト
01. Black Star
02. What The Hell
03. Sk8er Boi
04. He Wasn't
05. I Can Do Better
06. I Always Get What I Want
07. Alice
08. When You Are Gone
09. Wish You Were Here
10. Unwanted/Musical Piece
11. Girlfriend
12. Airplanes
13. My Happy Ending
14. Don't Tell Me
15. Smile
16. I'm With You
EN.
01. What The Hell(acapella)
02. I Love You
03. Complicated
February 4, 2012
AVRIL LAVIGNE THE BLACK STAR TOUR
@ さいたまスーパーアリーナ
February 1, 2012
salyu × salyu + Salyu Release Live @ 代官山UNIT
Salyu16枚目(!)のシングル『Lighthouse』、salyu × salyu DVD『s(o)un(d)beams+』の同時リリースを記念して発売日に行われたライブ。ひと粒で二度美味しいお得感。社会人にやさしい20時開演。U-STREAMでも中継していたらしい。是非また観たい、願わくばLily Chou-Chouとのスリーマンで!
■salyu × salyu
シスターズと小山田圭吾、大野由美子という編成。前に聞いたAXとはハコの環境が違うのもあって、かなり違った風に聞こえたのが面白い。アドリブのないシスターズのハーモニーも、楽器のアレンジが変わると曲全体の感触があんなに違うんだな。
「s(o)un(d)beams」で手を踊らせながら音程取るのが面白い。フレーズに合わせて手で描かれる軌跡はまじないのよう。割と近い位置でぼうっと見ていると、サブリミナル効果がありそうな気がしてくる。歌も、あの音源を超えるのは難しいだろうと思っていたけれど、ライブならではの生命力に溢れていてとても良かった。
また聴ける機会はあるだろうか。歌声のハーモニーはほぼ完成されているから、楽しいアレンジに期待したい。
●セットリスト
1. overture 2. ただのともだち 3. muse'ic 4. Sailing Days 5. s(o)un(d)beams 6. 奴隷 7. Our Prayer ~ Heroes And Villains 8. 続きを 9. May You Always
■Salyu
かなり久しぶりの単独Salyu。『MAIDEN VOYAGE』ツアー以来?
「HALFWAY」→「夜の海 遠い出会いに」→「name」のコンボが嬉しい。「HALFWAY」とか久々過ぎて涙が。そうだ、この人のある種の歌声は涙腺に作用するんだった。「夜の海 遠い出会いに」はアコースティックだからかちょっと大人しかったかな。天井の高い広い会場で聴きたい。
5曲目以降の新曲群は初めて聴いた。「青空」はSalyuが歌っても櫻井さんだった。良い歌。「Lighthouse」の最後の伸びはすごいなあ、と思うけれどあまり響きはしない。うーん。
声が一時期よりは落ち着いて聴けるようになった。アコースティックのせいか、salyu × salyu通過したからか。もう少しまあるくなるといい。「まあるくて重たいという価値」をまだ信じてくれているといい。
●セットリスト
1. 新しいYES 2. HALFWAY 3. 夜の海 遠い出会いに 4. name 5. 青空 6. 悲しみを越えていく色 7. Lighthouse
January 21, 2012
HIMEHAZIME @ 赤坂BLITZ
冷たい雨の夜。仕事を終え、だめだ間に合わない……と諦めつつタクシーで直行。
老年の運転手に「ロックって何です? 忌野清志郎さんなんかそうでしょ? でも若い人で化粧して髪がわあっとなったようなのも、そうなんでしょ?」と問われ、「ギターとドラムとベースが鳴ってたらそうなんですかね? 今日行くのは、見た目はその辺の若者ですよ」と答えた。正しいのか、どれほど伝わったのか、某ギタボの外見を「その辺の若者」と評して良かったのかは、解らない。
ともあれ、彼のおかげで一曲目の終わりに滑り込めた。残響歌ものバンドツーマン。
■People In The Box
大きな舞台で観るピープルが好きだ。群衆を音楽で従えた煽動者のよう。
入ったら「旧市街」終盤。第一印象は、あれ、こんなに格好良かった?だった。場の空気も音もやたら格好良い。昨日の一言「ピープルのライブに来て下さい。これ(ソロ)より何倍も格好良いからね」に洗脳された?(まさか) 残響祭以来の感覚。対バンの空気のせいか。
見よこれがピープルだ!と9mmファンに訴えるような直球セトリ。旧市街初聴の人は唖然としただろうし、続くのが「市民」と来た。終盤「完璧な庭」→「天使の胃袋」→「ペーパートリップ」の盛り上げ感すごい。その中で新譜から二曲初披露されたり「木曜日 / 寝室」(feat. ミラーボールの照明)が良いスパイスになっていたり。
「沈黙」説得力がすごかった。ピープルでそう感じたのは初めてかもしれない。音源はどうしてもアーティストと距離があるけれど、目の前であの帰結を歌われるとずんと心に入ってくる。「技法」もそう。『Citizen Soul』がリアルに、立体的に迫ってくる感覚が楽しい。ツアーに期待が高まる。
毎回書いているがやっぱり「笛吹き男」は特別好き。波多野MCで「結構……いい曲なんです。だから、皆もきっと気に入ってくれると思うんですけど」と紹介されたのがまた、嬉しかった。本当にいい曲。
「天使の胃袋」、《ふたりはいつでも泣かない子供》→《僕らはいつでも泣かない子供》になっていた。多分。あまり歌詞変えてこないと思っていたので新鮮。
久々の「ヨーロッパ」締め。以前の衝動がやや失われた代わりに、観客に届ける感が強まっていたように感じた。正に毒のようにじわじわ効いてくる演奏。
今年のピープルはシティズンの後に何が来るのか。本当に楽しみにしている。
●セットリスト
01. 旧市街
02. 市民
03. レントゲン
04. 沈黙
05. 技法
06. ニムロッド
07. 木曜日 / 寝室
08. レテビーチ
09. 笛吹き男
10. 完璧な庭
11. 天使の胃袋
12. ペーパートリップ
13. ヨーロッパ
■9mm Parabellum Bullet
初見。圧倒的。考える隙を与えず、音で攻める攻める攻める。最早非現実的なほど音に嘘がなくて、そりゃ愛されるわ、と思った。でもマシンガンの権威的な暴力じゃなく、独立した個々が闘っている感はやはりパラベラム弾。わかりづらい。個人の感想です!
評判のドラムス(素人目にも解るくらいセットがすごかった)に注目したかったけれど、後方にいたせいかギターに埋もれてしまいよく聴けず。そのギターは音も動きも大変なことに。楔のようにマイクに固定されたギタボの周りで、楽器隊がリミッターなしで好き勝手やっている様が面白い。それでいて同じゴールに向かっているから、個でありながらまとまって爆発的なエネルギーになる。
ギタボの人、MCの度にピープルピープル言ってくれた。直感的で面白い。「ピープルの迷宮のような美しい演奏のトンネルを抜けると……そこにいたのは俺達でした」「ピープルみたいなプログレッシブな、本当の意味でプログレッシブなバンド」「People In The Boxは箱の中の人々、つまり、皆さんのことです。9mm Parabellum Bulletは……よく解りません(会場笑)」。最後の、さらっと言われてびっくり。
(9mmについては波多野さん「僕は9mm Parabellum Bulletが大好きです。同じ事務所だけど、そういうこと一切関係なく、好きです」と。あと「(銀色のアンプが)卓郎君のお下がりなんです。だから上に“9mm Parabellum Bullet”って書いてある」!)
ピープル《あの太陽が偽物だってどうして誰も気付かないんだろう》と9mm《生まれたばかりの太陽の下に 君を連れて行くのさ》が同じ夜に聴けて嬉しかった。客の楽しませ方は全然違うけれど、音を鳴らす理由は両者よく似ているのかもしれない。是非また。
January 20, 2012
QUIET ROOM 2012
@ Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
イベント名の通り、皆アコースティック。
このハコは映画館を改装して造られたそうで、座席が長時間座っても疲れないゆったり仕様、ドリンク置きあり、傾斜ありどこからでも舞台が見える、とじっくり観るには持って来い。客がQUIETすぎて「皆さん楽屋で評判悪いですよ(笑)」とperidotsに言われる始末。皆それぞれにきっと楽しんでいたよ。
最前で観た。2012年の運を使い果たしたやも知れん。
■成山内(from sleepy.ab)
初見。良い声。春の新芽のような、若さと生命力と訴求力のある声。
最後の「Lost」がすごく良かった。《春は遠い記憶の中》のような歌詞があって、春が特別好きな自分の涙腺が緩む。MCで彼らが北海道出身だと聞いていたので、余計に春待ちの気持ちが煽られた。
■peridots
初見。今日の4組の中で唯一立ってのパフォーマンス。フラジャイルな名とは裏腹に力強い演奏。 「ティーンエイジャー」という曲が面白かった。次のツアーはバンドスタイルで回るらしく、THE弾き語りな人かと思っていたので驚いた。どう変わるんだろう。
■波多野裕文(from People In The Box)
「いつもはバンドでやってるんですけど、今日は小さな音でやるから。よーく、耳を澄まして聴いて、……わっ!」
いたずらっ子のキュートな笑みでスタート☆というか人が狙い通りに引っ掛かる様を見て楽しそうだった。
今日ギター男子を4組観て、この人の言葉と音楽が圧倒的に、異様に、好きだと再認。ブラボーミスターハターノ!(テンションがおかしい) とにかく紡がれる言葉ひとつひとつが心に引っ掛かる。次はどうなるんだろうって紙芝居を見せてもらっている子供みたいにわくわくして聴いていた。M1-5まで未発表曲。
以下歌詞(の断片)は拙い記憶に拠るので、誤りが多いと思います。すみません。そして未発表曲ってどこまで書いて良いのか判断付かない。コメントは常に歓迎です。
1. タイトル不詳(初披露?)
《雪の降る街》《青空》《裏切りは下水道に流れた》《大したことじゃなかったかもね》《わたしは何も気にしてないよ》
◇東京はうっすらと雪の日。こういう楽しませ方好きだ。衛星が落ちた日の「市民」始まりを思い出す。
2. タイトル不詳(初披露?)
《8つの卵のうち4つはただ壊れた 2つは朝を待たずに消えた》
《ニコラが1つくすねて》 ※後にこのメロディー再登場、「ニコラ」→「テスラ」
《残った卵はただ1つ どうやって食べようか(?)》
「ニコラとテスラっていう言葉が出てくるんですけど。(新譜の)『ニコラとテスラ』とは全く関係ないです。笑」
◇食べるんだ!?って驚いた。てっきり育てて何か産まれるのかと。ストーリー性の高い詞。「みんなのうた」風に映像付いても良さそう。という発想になるのは、割れる卵→ハンプティダンプティが連想されるからか。
3. タイトル不詳(初披露)
「昨日つくった曲をやります。だから、多分間違えるとおもいます。……でもそれは仕方ないよね。ははっ」
《??夜 安らかに眠れと光合成が始まった》《青い馬》《アルファベットになった》
◇『Citizen Soul』の歌詞を見て、今後はこういう方向?と思っていたら、この曲はそうではなかった。シティズンが特異なのか。
4. タナトス3号(仮)
《目を凝らすと あのサイコロのひとつはおかしな動きをしてる》《ヤコブを片隅に》
◇晴れ豆での一曲目。覚えていた《飛び魚~》のフレーズで、来たあああ!って嬉しくなる。リズミカルなので揺れながら聴いていたら《とんてんたんとん》を区切りながら歌われたり、テンポが徐々に速くなったりして、ただゆらゆらさせてはもらえなかった。曲名に言及されず、このままなのかは不明。
5. 風が笑う
《冬の朝》《溶けた絵の具に混ざり合いたいな》《死に囚われるまで 死に囚われるまでは》《新聞紙》《風が吹いて 全ての文字が飛ばされていった》
◇晴れ豆で聴いた曲。風のように通り抜ける、のに痕跡をしっかりと残していく曲。
6. JFK空港
《ひとりの愚かな、愚かな人間だった》
◇待ってた。ありがとう。
アレンジは基本晴れ豆と同じで、端々は多分気の向くままに変えていた。優しい《荒れ放題の庭で~》で緊張が解け、呆然としたまま終わりに導かれていく。何が起きたのかよく解らない。ひとりでよくここまで壮大な世界を表せるなあ。
また会えるといい。
■堕落モーションFOLK 2
初見。気のいい兄ちゃん達。歌を、演奏を、すごく楽しむ人達。というのは伝わってきたが、前の人の余韻で頭がいっぱいでまともに聞けなかった。拍手が一番大きかったので、彼らのファンが多いイベントだったらしい。余裕のある時にいつかまた。
December 21, 2011
TOMOE @ 渋谷CLUB QUATTRO
2011年最後のライブ、最高の締めだった。
同志バンドによる3マンツアー、追加公演ファイナル。
■tacica
TOMOE@岡山ぶり二度目。
一曲目《夜が怖いなら泣けばいい 朝が来たなら笑えばいい》みたいな歌詞があって、ぐっと惹かれた。夜が怖いものだと指摘してくれる人はあまりいない。「newsong」という新曲らしい。それから歌詞に耳を傾けて聴いていたら、やっぱり所々救われるフレーズがあった。ありがとう。
何となくsuzumokuと印象が被ってる。どちらもまだよく知らないからだろうな。
■People In The Box
今年観た沢山のピープルの中でも、一番エネルギーが大きかった。クアトロが東京の彼らにしてはキャパ小さめ、自分がスピーカーに近かった、というのもあるだろうが、それらを差し引いてもとてもテンション高く、持てる全てをぶちまけるような演奏だったと思う。今回は波多野さんばかり見ていた(あの柱に阻まれ波多野さんしか見えなかった)。いつもダイゴマンに目を奪われがちなので珍しい見方。
「アメリカ」始まりが新鮮。MARQUEE vol.88で「(『Family Record』の)オーバーチュア的な意思表明の曲」と語られていてなるほどと思い、今夜ライブの頭に持って来られて再びなるほどと思った。『Family Record』の主張は今も続いている。
そのアメリカを起点に、「市民」→「笛吹き男」。笛吹き男、《消えてしまいたいよ》の後のギターリフが狂ったようにめちゃくちゃに絶叫していて痺れた。続くイントロと同じ穏やかなリフとのギャップに完全に呑まれる。そして《謎だらけの目覚めは君を生かす》という帰結! 未だにライブで聴く度に新しい魅力が見えてくる末恐ろしい曲。そして今年出会った中で一番愛おしい曲。
は「尊敬できるバンドと一緒にやれて、本当に幸せだなあと思います」
だ「(マイク通さず)かっこいいよ!」
は「かっこいいって、僕のこと? 後でねー……お菓子をあげる」(会場笑)
「ニムロッド」ベースとドラムがすごく見たかったけれど柱に阻まれる。終盤《あの子は木に登って》と《何か言った》の間はボーカルの沈黙が欲しかったけれど、ほぼレガート。とかあれこれ気になるくらいには聴き込んでいる。
(MV「アメリカのつくったフィクションを塗り潰して新しい絵を描く」という浅い解釈しかできず好きになれずにいる。罪の無い言葉が虐げられているようでつらい。)
「ブリキの夜明け」→久々にテンションたっかいダイゴマンMC→「ユリイカ」で濃厚なピープルワールドに沈む。ユリイカは昨年秋の野音以来? ちゃんと音源聴いてから初めてのライブだったから嬉しい。《ユリイカ 光を》で照り付けるストロボをまともに浴びてからの盛り上がり半端ない。どうしたってゲーテが連想されて(Mehr Licht!)、いきなり世界観がぐわっと広がるようで、切迫したあと8小節にぶっ殺された。
最初は圧倒されるばかりだったのに、今やすっかり馴染みの「旧市街」で締め。
People In The Box、今年も本当に本当にありがとう!!
●セットリスト
1. アメリカ 2. 市民 3. 笛吹き男 4. ニムロッド 5. ブリキの夜明け 6. ユリイカ 7. 旧市街
■THE NOVEMBERS
ピープルに全力でぶっ殺されて立っているのが辛くなり、本編まともに観られず。先日のワンマンもだめだった、ついてないな……。彼らもまた圧倒的なテンションでそこにいるのは解った。
アンコール「holy」はちゃんと観た。圧巻の演奏。小林さんブログで「トリのバンドはその夜を引き受ける」というような話をしていたけれど、この夜を、ツアーの最後を、見事に引き受けたと思う。そしてholy、足元を見詰めながらも明日が広がっていくようなこの曲が素晴らしいと改めて。未来へと押し出されて、TOMOEは幕を閉じた。
小林さんのMCは優しい。「ライブに来てくれて嬉しいです。別に僕らのためとかじゃなくて、自分が楽しむために来てくれてすごく嬉しい。ありがとう」とか。「ピープルに全力でぶっ殺された皆さん、僕らが全力で……生き返しますよ」、自分の場合本当にそうだった。最高のトリをありがとう。
December 17, 2011
鬼束ちひろ CONCERT TOUR 2011 「HOTEL MURDERESS OF ARIZONA ACOUSTIC SHOW」
@ 東京国際フォーラム ホールA
コアなファンではないのだが、彼女のライブは貴重なのでチケットを確保。行くはずだった前回のツアーが中止になったので、ようやくライブ初見。
いつ朽ちて崩れ落ちても不思議ではないかなしさと、それゆえのうつくしさを見た。
1曲目のSweet Rosemary、音程がたがたで緊張しているのかと思っていたら、3曲目everyhomeのサビで吹っ切れたように声が伸び、徐々にエンジンがかかっていった。終わると「……何か言ってよ」と突然ツンデレ気味のMC(女の「大好き!」には「あたしもよ」、男の「愛してる!」には「お前は知らん」と返したのはさすが)。全編通じて高音やサビの張る声はさすがの力強さだったけれど、低音は不安定なまま。思い通りにならない歌を振り切るように、エメラルドグリーンのドレスの裾を摘んでくるりと舞う。ピアノのみのシンプルな伴奏がその危うさを一層引き立てていた。
中盤「月光」のイントロが始まると会場から自然と拍手が起きる。さすがの代表曲。その次の「蛍」がとても良かった。何しろ今夜の彼女の儚さによく似合っている。そして「嵐ヶ丘」! 歌詞飛ぶわ、ピアノと合ってないわ、音程ずれるわ、散々だったのにすばらしかった。何度も書くけれど、今夜の崩壊数秒前のようなうつくしさがここで極まっていたと思う。巧拙で言えば明らかに拙いのにこれだけ心を動かされる。そんな流れから『私とワルツを』で鳥肌。とても冷静に組まれたセットリスト。
アンコールはやりたい放題。新境地なNEW AGE STRANGER、本人がギターを鳴らすBeautiful Fighter。客の問い「次のライブの予定は?」を「ないっ!」と斬り捨てていたけれど、新しい方向性が見える終わり方だったと思う。このまま崩れてしまうのか、新しく生まれ変わるのか、先が見えない不安定さも彼女らしい。
■セットリスト
01. Sweet Rosemary
02. 青い鳥
03. everyhome
04. 琥珀の雪
05. Time after Time(Cyndi Lauperカバー)
06. The Rose(Bette Midlerカバー)
07. 月光
08. 蛍
09. 嵐ヶ丘
10. EVER AFTER
11. 私とワルツを
12. ストーリーテラー
EN.
01. NEW AGE STRANGER
02. Beautiful Fighter
December 6, 2011
TOWER RECORDS presents 「Candle Light」
@ 渋谷WWW
とても温かいひと時で、これで明日も生きていけると思った。
さあタワレコに角砂糖を献上せよ!(この二組のライブ企画、本当にありがとう!)
■Akira Kosemura
菊地慎さんによる映像演出に乗せたピアノ演奏。
映像は、こういう解釈、風景、色の付け方もあるのか、というのを楽しんだ。音と鑑賞者のイマジネーションが合わさって出来上がり得る幾つもの可能世界がある程度制限され、同じ色を喚起させられる。けれども抽象的だったりぼやかしてあったりして、想像の余地を程良く残してもあった。
いくつかの曲はバイオリン白澤美佳さんとのデュオ。
ピアノとバイオリンのデュオなんて、もう鳴っているだけで幸福。白澤さん美しくて眼福。ありがとうございました。
低音が二胡のように聴こえたバイオリンは初めて。まだまだまだ奥が深そう。
小瀬村さんは、MCによれば「緊張で足ががくがくしてる」という状態だったからか、100%の演奏ではなかったと思う。指がうまく分離しておらず音に斑がある。その舌っ足らずな音が曲によく作用していることも時々はあった。
けれども、静かな湖の水面を辿るような旋律は美しく、浄水装置みたいに感情の澱みをきれいにしてくれた。座ってゆっくり聴ける機会があれば、またあの音に浄化されに行きたい。
■People In The Box
劇場編以来のアコースティックセット。ほぼ一曲ごとにMC挟んでゆるい雰囲気。
「僕ら、同じ演奏は二度としないですよ。リハと本番でノリ変えてくる人もいるし(笑)」とは波多野さんのアンコールMC。LAGITAGIDAとも小瀬村さんとも同じ舞台に立つピープルの柔軟さを改めて思い知った。ただ気持ち良い音を三人で奏でるというシンプルゆえに強靭な核が柔軟さに繋がる。
劇場編で演奏された曲も多かった。とはいえどれもこれも更に惹き込まれる気持ち良い音になっていて、ゆらゆら揺れながら聴くと音に飲み込まれそう。ほとんどにっこにこして聴いている変な人だった。
ピープルのことだから一曲目は攻めてくるだろうと構えていたら、あまくて優しい「レテビーチ」。ルビー色の夜が君のおなかから溢れだしても、水の無いプールへと飛び込んでも、全部気持ち良い。非常に危険なレテビーチ。印象が違ったのは福井さんがギターだったからか(ギターとベースを曲によって使い分けていた)。
アコースティック「昏睡クラブ」、ひょっとするとエレクトリックよりも好き。あのゆらゆら感、今宵も健在。聴きながら眠りに落ちていきたい。(と思い続けていたら『Cut One』に劇場編のが収録されるらしく歓喜!)
好き好き言っているといつまでも感想が終わらないけれども、「一度だけ」嬉しかった。単純に自分の誕生日が近いから。
「笛吹き男」アコースティックだと切な過ぎる。「愛してるよ」の魔法(これだけ抜き出すとえらくメルヘンチックだな)も効かないような不安が付き纏いつつ《いいんだよ》《君を生かす》がすごく沁みた。一方でダイゴマンの安定感に救われる。彼の動きは今夜も冴えに冴えていた。どうやってシンバル8枚とか使い分けるんだろう。
火曜日も土曜日も好きだしアコースティックまた聴きたいなあ、とほのぼのしていたら、ドラムスティックがゆっくり4度打ち鳴らされてから正体不明のイントロ。何だろう新曲?と思いきや、波多野氏「ドーベルマンドーベルマン」! えええまさか。まさかの「天使の胃袋」それはない、と思った自分の浅はかさを打ち砕く見事なアレンジだった。久々にピープルにしてやられた感満載。嬉しいんだけど何かちょっと悔しいけれども好きです。《光り溢れ》で終わるのも好きです大好きですありがとう。
あっという間に感じたけれど全11曲、今夜も音の楽しさに溢れていた。
「People In The Boxは時々アコースティックセットでやるんですよ。本当に時々だけどね。また、声がかかったら」。期待!
●セットリスト(☆=劇場編@東京でもアコースティックで演奏された曲)
1. レテビーチ
2. 月曜日 / 無菌室
3. 夜の人々 ☆
4. ベルリン ☆
5. 昏睡クラブ ☆
6. リマ
7. 一度だけ ☆
8. 笛吹き男
9. 火曜日 / 空室 ☆
EN.
1. 土曜日 / 待合室 ☆
2. 天使の胃袋