January 20, 2012

QUIET ROOM 2012
@ Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

 イベント名の通り、皆アコースティック。
 このハコは映画館を改装して造られたそうで、座席が長時間座っても疲れないゆったり仕様、ドリンク置きあり、傾斜ありどこからでも舞台が見える、とじっくり観るには持って来い。客がQUIETすぎて「皆さん楽屋で評判悪いですよ(笑)」とperidotsに言われる始末。皆それぞれにきっと楽しんでいたよ。
 最前で観た。2012年の運を使い果たしたやも知れん。

■成山内(from sleepy.ab)
 初見。良い声。春の新芽のような、若さと生命力と訴求力のある声。
 最後の「Lost」がすごく良かった。《春は遠い記憶の中》のような歌詞があって、春が特別好きな自分の涙腺が緩む。MCで彼らが北海道出身だと聞いていたので、余計に春待ちの気持ちが煽られた。

■peridots
 初見。今日の4組の中で唯一立ってのパフォーマンス。フラジャイルな名とは裏腹に力強い演奏。 「ティーンエイジャー」という曲が面白かった。次のツアーはバンドスタイルで回るらしく、THE弾き語りな人かと思っていたので驚いた。どう変わるんだろう。

■波多野裕文(from People In The Box)
 「いつもはバンドでやってるんですけど、今日は小さな音でやるから。よーく、耳を澄まして聴いて、……わっ!
 いたずらっ子のキュートな笑みでスタート☆というか人が狙い通りに引っ掛かる様を見て楽しそうだった。
 今日ギター男子を4組観て、この人の言葉と音楽が圧倒的に、異様に、好きだと再認。ブラボーミスターハターノ!(テンションがおかしい) とにかく紡がれる言葉ひとつひとつが心に引っ掛かる。次はどうなるんだろうって紙芝居を見せてもらっている子供みたいにわくわくして聴いていた。M1-5まで未発表曲。
 以下歌詞(の断片)は拙い記憶に拠るので、誤りが多いと思います。すみません。そして未発表曲ってどこまで書いて良いのか判断付かない。コメントは常に歓迎です。

1. タイトル不詳(初披露?)
《雪の降る街》《青空》《裏切りは下水道に流れた》《大したことじゃなかったかもね》《わたしは何も気にしてないよ》
◇東京はうっすらと雪の日。こういう楽しませ方好きだ。衛星が落ちた日の「市民」始まりを思い出す。

2. タイトル不詳(初披露?)
《8つの卵のうち4つはただ壊れた 2つは朝を待たずに消えた》
《ニコラが1つくすねて》 ※後にこのメロディー再登場、「ニコラ」→「テスラ」
《残った卵はただ1つ どうやって食べようか(?)》
「ニコラとテスラっていう言葉が出てくるんですけど。(新譜の)『ニコラとテスラ』とは全く関係ないです。笑」
◇食べるんだ!?って驚いた。てっきり育てて何か産まれるのかと。ストーリー性の高い詞。「みんなのうた」風に映像付いても良さそう。という発想になるのは、割れる卵→ハンプティダンプティが連想されるからか。

3. タイトル不詳(初披露)
「昨日つくった曲をやります。だから、多分間違えるとおもいます。……でもそれは仕方ないよね。ははっ」
《??夜 安らかに眠れと光合成が始まった》《青い馬》《アルファベットになった》
◇『Citizen Soul』の歌詞を見て、今後はこういう方向?と思っていたら、この曲はそうではなかった。シティズンが特異なのか。

4. タナトス3号(仮)
《目を凝らすと あのサイコロのひとつはおかしな動きをしてる》《ヤコブを片隅に》
晴れ豆での一曲目。覚えていた《飛び魚~》のフレーズで、来たあああ!って嬉しくなる。リズミカルなので揺れながら聴いていたら《とんてんたんとん》を区切りながら歌われたり、テンポが徐々に速くなったりして、ただゆらゆらさせてはもらえなかった。曲名に言及されず、このままなのかは不明。

5. 風が笑う
《冬の朝》《溶けた絵の具に混ざり合いたいな》《死に囚われるまで 死に囚われるまでは》《新聞紙》《風が吹いて 全ての文字が飛ばされていった》
◇晴れ豆で聴いた曲。風のように通り抜ける、のに痕跡をしっかりと残していく曲。

6. JFK空港
《ひとりの愚かな、愚かな人間だった》
◇待ってた。ありがとう。
 アレンジは基本晴れ豆と同じで、端々は多分気の向くままに変えていた。優しい《荒れ放題の庭で~》で緊張が解け、呆然としたまま終わりに導かれていく。何が起きたのかよく解らない。ひとりでよくここまで壮大な世界を表せるなあ。
 また会えるといい。

■堕落モーションFOLK 2
初見。気のいい兄ちゃん達。歌を、演奏を、すごく楽しむ人達。というのは伝わってきたが、前の人の余韻で頭がいっぱいでまともに聞けなかった。拍手が一番大きかったので、彼らのファンが多いイベントだったらしい。余裕のある時にいつかまた。

December 21, 2011

TOMOE @ 渋谷CLUB QUATTRO

 2011年最後のライブ、最高の締めだった。
 同志バンドによる3マンツアー、追加公演ファイナル。

■tacica
 TOMOE@岡山ぶり二度目。
 一曲目《夜が怖いなら泣けばいい 朝が来たなら笑えばいい》みたいな歌詞があって、ぐっと惹かれた。夜が怖いものだと指摘してくれる人はあまりいない。「newsong」という新曲らしい。それから歌詞に耳を傾けて聴いていたら、やっぱり所々救われるフレーズがあった。ありがとう。
 何となくsuzumokuと印象が被ってる。どちらもまだよく知らないからだろうな。


■People In The Box
 今年観た沢山のピープルの中でも、一番エネルギーが大きかった。クアトロが東京の彼らにしてはキャパ小さめ、自分がスピーカーに近かった、というのもあるだろうが、それらを差し引いてもとてもテンション高く、持てる全てをぶちまけるような演奏だったと思う。今回は波多野さんばかり見ていた(あの柱に阻まれ波多野さんしか見えなかった)。いつもダイゴマンに目を奪われがちなので珍しい見方。
 「アメリカ」始まりが新鮮。MARQUEE vol.88で「(『Family Record』の)オーバーチュア的な意思表明の曲」と語られていてなるほどと思い、今夜ライブの頭に持って来られて再びなるほどと思った。『Family Record』の主張は今も続いている。
 そのアメリカを起点に、「市民」→「笛吹き男」。笛吹き男、《消えてしまいたいよ》の後のギターリフが狂ったようにめちゃくちゃに絶叫していて痺れた。続くイントロと同じ穏やかなリフとのギャップに完全に呑まれる。そして《謎だらけの目覚めは君を生かす》という帰結! 未だにライブで聴く度に新しい魅力が見えてくる末恐ろしい曲。そして今年出会った中で一番愛おしい曲。

 は「尊敬できるバンドと一緒にやれて、本当に幸せだなあと思います」
 だ「(マイク通さず)かっこいいよ!」
 は「かっこいいって、僕のこと? 後でねー……お菓子をあげる」(会場笑)

 「ニムロッド」ベースとドラムがすごく見たかったけれど柱に阻まれる。終盤《あの子は木に登って》と《何か言った》の間はボーカルの沈黙が欲しかったけれど、ほぼレガート。とかあれこれ気になるくらいには聴き込んでいる。
 (MV「アメリカのつくったフィクションを塗り潰して新しい絵を描く」という浅い解釈しかできず好きになれずにいる。罪の無い言葉が虐げられているようでつらい。)
 「ブリキの夜明け」→久々にテンションたっかいダイゴマンMC→「ユリイカ」で濃厚なピープルワールドに沈む。ユリイカは昨年秋の野音以来? ちゃんと音源聴いてから初めてのライブだったから嬉しい。《ユリイカ 光を》で照り付けるストロボをまともに浴びてからの盛り上がり半端ない。どうしたってゲーテが連想されて(Mehr Licht!)、いきなり世界観がぐわっと広がるようで、切迫したあと8小節にぶっ殺された。
 最初は圧倒されるばかりだったのに、今やすっかり馴染みの「旧市街」で締め。
 People In The Box、今年も本当に本当にありがとう!!

●セットリスト
1. アメリカ 2. 市民 3. 笛吹き男 4. ニムロッド 5. ブリキの夜明け 6. ユリイカ 7. 旧市街


■THE NOVEMBERS
 ピープルに全力でぶっ殺されて立っているのが辛くなり、本編まともに観られず。先日のワンマンもだめだった、ついてないな……。彼らもまた圧倒的なテンションでそこにいるのは解った。
 アンコール「holy」はちゃんと観た。圧巻の演奏。小林さんブログで「トリのバンドはその夜を引き受ける」というような話をしていたけれど、この夜を、ツアーの最後を、見事に引き受けたと思う。そしてholy、足元を見詰めながらも明日が広がっていくようなこの曲が素晴らしいと改めて。未来へと押し出されて、TOMOEは幕を閉じた。
 小林さんのMCは優しい。「ライブに来てくれて嬉しいです。別に僕らのためとかじゃなくて、自分が楽しむために来てくれてすごく嬉しい。ありがとう」とか。「ピープルに全力でぶっ殺された皆さん、僕らが全力で……生き返しますよ」、自分の場合本当にそうだった。最高のトリをありがとう。

December 17, 2011

鬼束ちひろ CONCERT TOUR 2011 「HOTEL MURDERESS OF ARIZONA ACOUSTIC SHOW」
@ 東京国際フォーラム ホールA

 コアなファンではないのだが、彼女のライブは貴重なのでチケットを確保。行くはずだった前回のツアーが中止になったので、ようやくライブ初見。

 いつ朽ちて崩れ落ちても不思議ではないかなしさと、それゆえのうつくしさを見た。
 1曲目のSweet Rosemary、音程がたがたで緊張しているのかと思っていたら、3曲目everyhomeのサビで吹っ切れたように声が伸び、徐々にエンジンがかかっていった。終わると「……何か言ってよ」と突然ツンデレ気味のMC(女の「大好き!」には「あたしもよ」、男の「愛してる!」には「お前は知らん」と返したのはさすが)。全編通じて高音やサビの張る声はさすがの力強さだったけれど、低音は不安定なまま。思い通りにならない歌を振り切るように、エメラルドグリーンのドレスの裾を摘んでくるりと舞う。ピアノのみのシンプルな伴奏がその危うさを一層引き立てていた。
 中盤「月光」のイントロが始まると会場から自然と拍手が起きる。さすがの代表曲。その次の「蛍」がとても良かった。何しろ今夜の彼女の儚さによく似合っている。そして「嵐ヶ丘」! 歌詞飛ぶわ、ピアノと合ってないわ、音程ずれるわ、散々だったのにすばらしかった。何度も書くけれど、今夜の崩壊数秒前のようなうつくしさがここで極まっていたと思う。巧拙で言えば明らかに拙いのにこれだけ心を動かされる。そんな流れから『私とワルツを』で鳥肌。とても冷静に組まれたセットリスト。
 アンコールはやりたい放題。新境地なNEW AGE STRANGER、本人がギターを鳴らすBeautiful Fighter。客の問い「次のライブの予定は?」を「ないっ!」と斬り捨てていたけれど、新しい方向性が見える終わり方だったと思う。このまま崩れてしまうのか、新しく生まれ変わるのか、先が見えない不安定さも彼女らしい。

■セットリスト
01. Sweet Rosemary
02. 青い鳥
03. everyhome
04. 琥珀の雪
05. Time after Time(Cyndi Lauperカバー)
06. The Rose(Bette Midlerカバー)
07. 月光
08. 蛍
09. 嵐ヶ丘
10. EVER AFTER
11. 私とワルツを
12. ストーリーテラー

EN.
01. NEW AGE STRANGER
02. Beautiful Fighter

December 6, 2011

TOWER RECORDS presents 「Candle Light」
@ 渋谷WWW

 とても温かいひと時で、これで明日も生きていけると思った。
 さあタワレコに角砂糖を献上せよ!(この二組のライブ企画、本当にありがとう!)


■Akira Kosemura
 菊地慎さんによる映像演出に乗せたピアノ演奏。
 映像は、こういう解釈、風景、色の付け方もあるのか、というのを楽しんだ。音と鑑賞者のイマジネーションが合わさって出来上がり得る幾つもの可能世界がある程度制限され、同じ色を喚起させられる。けれども抽象的だったりぼやかしてあったりして、想像の余地を程良く残してもあった。

 いくつかの曲はバイオリン白澤美佳さんとのデュオ。
 ピアノとバイオリンのデュオなんて、もう鳴っているだけで幸福。白澤さん美しくて眼福。ありがとうございました。
 低音が二胡のように聴こえたバイオリンは初めて。まだまだまだ奥が深そう。

 小瀬村さんは、MCによれば「緊張で足ががくがくしてる」という状態だったからか、100%の演奏ではなかったと思う。指がうまく分離しておらず音に斑がある。その舌っ足らずな音が曲によく作用していることも時々はあった。
 けれども、静かな湖の水面を辿るような旋律は美しく、浄水装置みたいに感情の澱みをきれいにしてくれた。座ってゆっくり聴ける機会があれば、またあの音に浄化されに行きたい。


■People In The Box
 劇場編以来のアコースティックセット。ほぼ一曲ごとにMC挟んでゆるい雰囲気。
 「僕ら、同じ演奏は二度としないですよ。リハと本番でノリ変えてくる人もいるし(笑)」とは波多野さんのアンコールMC。LAGITAGIDAとも小瀬村さんとも同じ舞台に立つピープルの柔軟さを改めて思い知った。ただ気持ち良い音を三人で奏でるというシンプルゆえに強靭な核が柔軟さに繋がる。

 劇場編で演奏された曲も多かった。とはいえどれもこれも更に惹き込まれる気持ち良い音になっていて、ゆらゆら揺れながら聴くと音に飲み込まれそう。ほとんどにっこにこして聴いている変な人だった。
 ピープルのことだから一曲目は攻めてくるだろうと構えていたら、あまくて優しい「レテビーチ」。ルビー色の夜が君のおなかから溢れだしても、水の無いプールへと飛び込んでも、全部気持ち良い。非常に危険なレテビーチ。印象が違ったのは福井さんがギターだったからか(ギターとベースを曲によって使い分けていた)。
 アコースティック「昏睡クラブ」、ひょっとするとエレクトリックよりも好き。あのゆらゆら感、今宵も健在。聴きながら眠りに落ちていきたい。(と思い続けていたら『Cut One』に劇場編のが収録されるらしく歓喜!)
 好き好き言っているといつまでも感想が終わらないけれども、「一度だけ」嬉しかった。単純に自分の誕生日が近いから。
 「笛吹き男」アコースティックだと切な過ぎる。「愛してるよ」の魔法(これだけ抜き出すとえらくメルヘンチックだな)も効かないような不安が付き纏いつつ《いいんだよ》《君を生かす》がすごく沁みた。一方でダイゴマンの安定感に救われる。彼の動きは今夜も冴えに冴えていた。どうやってシンバル8枚とか使い分けるんだろう。
 火曜日も土曜日も好きだしアコースティックまた聴きたいなあ、とほのぼのしていたら、ドラムスティックがゆっくり4度打ち鳴らされてから正体不明のイントロ。何だろう新曲?と思いきや、波多野氏「ドーベルマンドーベルマン」! えええまさか。まさかの「天使の胃袋」それはない、と思った自分の浅はかさを打ち砕く見事なアレンジだった。久々にピープルにしてやられた感満載。嬉しいんだけど何かちょっと悔しいけれども好きです。《光り溢れ》で終わるのも好きです大好きですありがとう。

 あっという間に感じたけれど全11曲、今夜も音の楽しさに溢れていた。
 「People In The Boxは時々アコースティックセットでやるんですよ。本当に時々だけどね。また、声がかかったら」。期待!

●セットリスト(☆=劇場編@東京でもアコースティックで演奏された曲)
1. レテビーチ
2. 月曜日 / 無菌室
3. 夜の人々 ☆
4. ベルリン ☆
5. 昏睡クラブ ☆
6. リマ
7. 一度だけ ☆
8. 笛吹き男
9. 火曜日 / 空室 ☆

EN.
1. 土曜日 / 待合室 ☆
2. 天使の胃袋

November 11, 2011

People In The Box "Lovely Taboos release party"
@ Shibuya O-EAST

 「東京で、これだけ長いライブをやるのは久しぶりですね」。波多野MCの通り劇場編以来、全編エレクトリックだとファミレコリリースツアー以来か。待ちに待った(ほぼ)ワンマン。
 最高に楽しいライブだった!
 序盤のMCでハタノ氏「すごい楽しいっすよ」、Wアンコール前に「僕ら、演奏するのが好きなんです(少年みたいな笑い)」と言ってたように、3人の楽しさがそのままフロアに伝播してきたようだった。やたら楽しい。何なんだ。
 どこかのインタビューでライブについて「毒を擦り込む」という表現をしていたけれど、毒がこんなに楽しい自分が、皆が、おかしいのか。ピープル中毒の皆さんこんにちは。最高ですよね。

 オープニングアクトLAGITAGIDA、めちゃめちゃ格好良かった。記事分けて書く。
 いつものSE - Jim O'Rourke"And I'm Singing"が流れ出すと、期待と緊張の混じったあの独特の時間。幕が開き、海の底みたいな青いステージに3人が登場。「笛吹き男」で始まって、ああリリパだったなと思い出す。

 終始ダイゴマンから目が離せない。この人の鳴らすドラムは、今まで聴いてきたのとは別の楽器のよう。曲への関わり方が有機的。生命を「支える」のではなく「与える」「創る」感じがする。
 単純に叩いてる姿も格好良い。身体の全ての動きが音に変わる。とにかく音への色の付け方が細かくて、気付きと驚きと楽しさに満ち満ちていた。ドラムの勉強したい。今のセット(上手側横向き)で手元、あわよくば足元も見えるうちに。
 「旧市街」で音が抜けて、ん?と思っていたら、攣っていたのだそうだ。いたたたた。お大事に。
 旧市街、最後のサビ前でギターがブィーンと鳴るところ(音源では5分30秒過ぎ)だけ真っ赤な照明に変わったのがぞくぞくした。その後青系の照明に戻って《青空少しだけおかしくなったよ》! 痺れる。切り傷を撫でられているような気持ち悪さと気持ち良さが同居していた。とても良い意味で。

 いつもセットリストの予想が付かないピープル、今回は「見えない警察のための」が音源を聴いてから初だったので嬉しかった。笑い出したくなる躁の気持ち良さ。
 今夜は霧雨。それでなのか、こんな波多野MC「皆さん雨は好きですか? ……あんまり、な人が多いよね。でも、雨が好きな人もきっといると思うんですよ。次の曲をその人達のために捧げます」に続いて「土曜日 / 待合室」、そして「マルタ」→「ブリキの夜明け」! この水浸しな流れ秀逸。雨の日は今夜を思い出せばきっと持ち直せる。
 本編最後は「子供たち」。劇場編以来、ようやく聴けた。あの時は「市民」が衝撃過ぎて印象が薄かったけれど、合唱パート堪らなく良い。スリーピースなのにオーケストラの全員が揃って音を出した時みたいな、大きな一体感のまま一緒に音楽の高みへ行くような感覚。それがぷつりと途切れる音源は辿り着けないよう、わざと未完成のまま残されていて、観客が立ち会って音が最後まで鳴らしきられた時に初めて完成する曲のように感じた。充足感。

 アンコールで新曲! 「ニムロッド」初披露。リズミカルで楽しげな曲なのに、繰り返される歌詞《あの太陽が偽物だってどうして誰も気付かないんだろう》が引っ掛かる。結果、「市民」に似た攻撃的な印象。『Citizen Soul』きっとものすごく好みだ。
 そして「スルツェイ」。スルツェイ終わりが好きではない理由に気付く。《僕は悲しい口を閉じた》って悲しい終わり方だからだ。《「まだまだ君は生きなさい」って》というストレートな台詞が含まれているとはいえ括弧書き=距離があるし、全体に救いがない(盤では続く「JFK空港」で救われる)。iTunesの再生回数トップに近い曲だけどライブの締めにはきつい。ポジティブさばかり期待している訳ではないけれども。
 演奏は期待以上に素晴らしかった。

 追い出しのSEが流れ出してももやもやしたまま拍手を続けていると、ステージの照明が点いてほっとした。周りも同じく帰る素振りすら見せなかったのは、似たようなもやもやを抱えていたから?というのは自己投影のし過ぎか。
 ギターのハーモニクスが始まると静かなどよめき……「鍵盤のない、」! 昨年3月の渋谷AXからピープルのライブに行き出した自分は初めて聴いた。もう嬉しくてテンション上がり過ぎてよく覚えていないレベル。何度も支えてもらった曲が目の前で生命を持って奏でられる恍惚と幸福といったら!
 ふと疑問、なぜ《僕は悲しい口を閉じた》がだめで《君の心は鍵盤のようにバラバラになってしまったからね》は良いのか。だってあのアウトロ最高じゃないか、「スルツェイ」はすっと終わるし……とひとまず言い訳をしておく。

 最高に満ち足りたライブだった。以前は何だか物足りなさを抱えて帰ることが多かったのだけれど、何が変わったのだろう。彼らか自分か両方か。ともかく。改めて、People In The Boxに惹き込まれた夜。ありがとうありがとう。


■セットリスト
01. 笛吹き男
02. 完璧な庭
03. 水曜日 / 密室
04. レテビーチ
05. 見えない警察のための
06. 火曜日 / 空室
07. ストックホルム
08. 土曜日 / 待合室
09. マルタ
10. ブリキの夜明け
11. 市民
12. 天使の胃袋
13. 旧市街
14. 子供たち

EN. 1
01. ニムロッド(初披露)
02. スルツェイ

EN. 2
鍵盤のない、

November 8, 2011

凛として時雨 TOUR2011 "αβ+1"
@ 川崎CLUB CITTA'

 あっという間の90分、何もかも忘れて没頭した。時雨は相変わらずサディスティックで、刹那的で、集中力高くて、プロフェッショナル。最高のバンド。
 ライブのknife vacation、CDより遥かに好きだ。♪空中線に~の静けさ、間奏のドラムス、♪誰かが~からの345パートの盛り上がり、最後辺りでTKのシャウトもある。何気に時雨の好きな要素が詰め込まれてるな。moment A rhythm(short ver.)が聴けてとても嬉しい。この曲をライブでやってくれることが嬉しい。時雨自身が時雨の静の部分を大切にしているんだと思う。
 新曲は動→静→動な構成で《汚されてしまった》《i miss you》みたいに聴こえた。音源と次のライブに期待。
 「傍観」のラスト、TK繰り返し「消えたい」絶叫してギターめちゃくちゃに弾いてた。何度観ても観慣れない。舞台から去って残響が止まるまで呆然としてる。言葉が奪われてゼロになる。

 ライブに行く度に周りのノリに違和感を覚える。ただ暴れている人、ただ盛り上がりたい人が増えている気がする。静と動の両方を楽しむバンドだと思うのだけど。バンドの変化に自分が付いて行っていないだけなのか。
 書きたくなかったけど、TKにペットボトル投げ付けとかあまりにも酷かったので。

■セットリスト
01. Telecastic Fake Show
02. 想像のSecurity
03. COOL J
04. DISCO FLIGHT
05. I was music
06. knife vacation
07. a symmetry
08. ラストダンスレボリューション
09. ハカイヨノユメ
10. テレキャスターの真実
11. 新曲(i miss you)
12. moment A rhythm(short ver.)
13. illusion is mine
14. JPOP XFlile
15. nakano kill you
16. 感覚UFO
17. 傍観

November 3, 2011

D-FES★秋の大三角形
@ 大東文化大学 板橋キャンパス 体育館アリーナ

 体育館でのライブ、音響設備色々入ってすごくしっかりしていた。前方中央辺りだとライブハウスに劣らず。天井が高いからか響き方も面白かった。ちょうど中央上部にバスケットゴールがあり、ライブ中時々はっとした。学校だ!

■People In The Box
 開始と同時にまさかの圧縮、対バンならではで楽しい。ちょっと驚いたような波多野さん「あんまり押さないでね。怪我しないように」優しい。
 いつもセットリストが読めないピープル、今回は「6月の空を照らす」を入れてきた。聴いたのは2010年3月の渋谷AXぶりか。間奏の波多野さんに釘付け。手元から目が離せなくなる。何だあの動き何だあの音。何が起きているのか解らない。「市民」もすごかった。ライブだとダイゴマンに注目しがちだけど、ギターボーカルも言わずもがな素晴らしいのだ、と今更ながら実感。
 ダイゴマンMCで「シティズンソウル」という言葉を初めて生で聞いた。言い慣れてない感あり。1月なんてきっとすぐだね、楽しみ。

●セットリスト
1. 完璧な庭 2. She Hates December 3. ベルリン 4. 笛吹き男 5. 6月の空を照らす 6. 市民 7. 旧市街

■UNISON SQUARE GARDEN
 初見。格好良いバンド。それ以上でも以下でもなく。
 ベースの人の我が道を行く感すごい。自由過ぎる動きは鎖から解き放たれた中型犬のようで笑ってしまった。アンコールのMCも独特で「僕は教師ではなくましてや友達でも恋人でもない君達に教えられることなんて何ひとつない、でもステージに立っている僕が教えられることがひとつだけある。音楽って楽しいだろ!!」ライブで聞くと諸手を挙げて応えずにはいられないね。

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Maira Gall